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松谷阿咲さんへの10の質問

アッセンブリッジ・ナゴヤの音声配信企画、「名フィルメンバーの対話で綴る2020ー演奏会空白のときー」にむけて、名古屋フィルハーモニー交響楽団の松谷阿咲さんへ、アッセンブリッジ・ナゴヤから、インタビュー前に10の質問をし、それぞれに記入していただきました。

その質問シートをこちらの記事で公開いたします。

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当日のインタビューや演奏の様子はこちらから



ー自粛期間中、毎日のようにしていたことや、やろうと決めていたことはありますか?
もしくは、新しく始めた趣味などあれば、教えてください。
Was there anything you did everyday or something you set as your daily routine during the “lockdown”? Or perhaps a new hobby you found?

屋内で出来るエクササイズ。現在も継続中。
新しく始めたことはパン作り(今はやる時間があまりありませんが・・・)


ー日常生活の中で美を感じる瞬間や、もの、ことなどあれば教えてください。
When in your daily life do you find beauty? What inspires you in your everyday moments?

自宅マンション6階の窓から見える空や緑。夜の空(たまにアプリで星空チェックします)
道端に咲いている花など日常の至る所に。


ー自粛期間中、よく聴いていた音楽や、読んだ本、オンラインのコンテンツで観たものなどで、印象に残るものがあれば教えてください。
Please list any memorable music, books or online contents you watched during the lockdown.

建築物が好きなので、インスタで世界の様々な建築家の作品を見ていました。(色々な場所へ行けた気にもなれます)


ー海外との繋がりがある方も多いかと思いますが、同じ演奏家で海外居住の方(オーケストラなど団体も含む)の活動を見聞きされたりして、印象に残っていることがあれば教えてください。
Many of you have international connections. Were there any activities of your international peers or orchestras you found impressive or were inspired during the lockdown?

メトロポリタンやシルクドソレイユの解雇には衝撃を受けました。

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配信時演奏中の松谷さん。プライベートでも仲良しというレゲヴさんとの、息の合ったのびやかな音色にポットラックビルが包まれた。


ーオンラインの活用等「新しい発表の形態」がニューノーマルとして動き出していますが、自粛期間中に、何か新しい音楽活動で個人的にやってみたこと(ご自身で、あるいはご友人らと協働で)、今後やってみたいことはありますか?
New styles and formats of concerts and music expressions are vigorously explored under the “new normal”, making the most of the internet sphere and online tools for example. Have you tried anything new during the lockdown to keep on playing, or do you plan to experiment something, either personally or with peers?

オンラインでのライブ配信(録画も後日数日間視聴できるような)
以前はリアルにこだわっていましたが、録音、配信環境が整っていればよいかなと思うようになりました。


ー自粛期間中、自宅等での練習のみに限定されざるを得ず、ホール等大きな空間での演奏ができない期間が長くなったことで、身体的・内面的な感覚の変化はありましたか?あった場合はどんなことでしょうか。 
During the lockdown, you could not play in the concert halls for a long time and could only practice at home or small private spaces. Has this affected you physically and/or mentally? If so, what were the changes you experienced? 

やはり大きな空間に響かせる音をイメージしにくくなった部分はありましたが、逆に細部に気を配ることは普段以上にできました。一人で弾いているので、自分だけの世界になり良い意味でも悪い意味でも没頭しました。


ー長い自粛期間が明け、演奏会が再開したとき、どのようなお気持ち(感覚)でしたか?もしくは、何かこれまでと音楽やコンサートに対して違う考えになった等、気持ちの変化はありましたか? 
How did you feel / what was your sentiment on your first post-lockdown stage? Did the lockdown period and experience affect your feelings and thoughts towards music and concerts?

自身の予想以上に、お客様の前で弾くことに喜びを感じました。
そしてお客様も、予想以上にとても喜んでくださいました。涙された方が多数いらっしゃって、何よりお客さんの存在が自分にとって、とても大きな力になっている、力をいただいていると気が付きました。

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松谷さん愛用のヴァイオリン


ーアート同様、音楽も「不要不急」といわれましたが、そう言われることについて、どう思いましたか?
Music was, just as art, classified as “non-urgent, non-essential” activity during the lockdown. What were your thoughts on that?

悲しい。。。確かに人の生死をすぐに左右するものではありませんが、心にとっては必要なもの。
どんどん人の心がすさんでいってしまうのでは?と感じました。


ーこちらもまたアート同様、「敷居が高い」と言われがちなクラシック音楽ですが、そのように感じる方への、音楽との距離の縮め方、また楽しみ方などアドバイスがあれば教えてください。
Again, just as visual art, classical music is often considered as  “high-art” which is difficult to approach. What is your prescription for those who feel intimidated in such a way to come closer to the world of  music?
 
作り手⇒室内楽などの編成の小さな、そしてアットホームなコンサートを企画する(お客さんとの距離を近づける)
聴き手⇒解説付きの音楽番組などを観たり、本屋映画を通じて作曲家のキャラクターなどを知れると、より人間味も感じられ曲も身近に感じることができるのでは。


ー 音楽の持つ力にはどのようなものがあるとお考えか、お聞かせください。
What would you say is the power of music?
 
心、魂の栄養。(先日の定期演奏会でも指揮者の広上さんがおっしゃっていました。)
人間の本能にダイレクトに響くもの。

Vn+松谷+阿咲

松谷 阿咲

豊田市出身。
愛知県立岡崎高等学校卒業。早稲田大学商学部卒業後に渡仏し、フランス国立ヴェルサイユ音楽院の最高過程に入学。同音楽院を審査員満場一致の一等賞を得て首席卒業した後、オーストリア・ウィーンにてライナー・キュッヒル氏に師事し、研鑽を積む。2011年、名古屋フィルハーモニー交響楽団に入団。2016年2月より1年間ベルリンに留学。Das Orchester Berlin などに客演出演する。
オーケストラでの演奏のみならず、ソリスト、室内楽奏者としても幅広く活躍している。これまでに吉野淳子、鈴木愛子、イゴル・ヴォロシン、ライナー・キュッヒル、戸澤哲夫、荻原尚子、トマシュ・トマシェフスキーの各氏に師事。豊田文化奨励賞受賞。




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