映画レビュー:ロッキーシリーズ全て:


ロッキー全シリーズの感想。あくまで個人の感想なので、ロッキー原理主義者は真に受けすぎないようお願いします。


ロッキー(1976)-良作(星4)

主人公は借金取りの腰巾着で稼いでいたイタリア系白人、ロッキー。
チャンスに恵まれ、チャンピオンのアポロクリードとリングで戦うまでの葛藤や挑戦で周囲の人々を巻き込んで進んでいく姿を描く。

自信のないロッキーに対してメンターとしてミッキーが存在し、ミッキーがボクシングとは何かを教え込む。
無名なロッキーが挑戦する姿を描いた、いい映画。

ロッキー2(1979)-普通(星3)

前回(1作目)、アポロに判定負けをして、ボクシング以外では上手くいかないロッキー。
アポロへ再挑戦する姿を描いた映画。

次作としてはいいと思う。
出来事があまり記憶に残らない。
メンターがミッキー寄りからエイドリアン寄りになる。

ロッキー3(1982)-優秀(星5)

チャンピオンで順風満帆なロッキー傍ら、ロッキー打倒を掲げて努力するクラバーとの試合が起こる。
ロッキーはKO負けでチャンピオン陥落した上、恩師であるミッキーが亡くなる。
精神ズタボロな時に手を差し伸べたのが前チャンピオンであるアポロ。
アポロと二人三脚で打倒クラバーへ挑戦する姿を描く。

設定が1作目2作目ありきではあるが、優秀。
奥さんであるエイドリアンとの繋がりなど、ロッキーを中心とした様々な人間模様が伺える。
また、努力を怠ると陥落する諸行無常さを描く。

ロッキー4(1985)-駄作(星1)

アポロがソ連代表の人間兵器ドラコとの試合中に亡くなる。そして、ロッキーがアメリカ代表としてリベンジをする。

「スポーツは世界を越える!冷戦をも越える!」とスポーツの良さを言いたいのはわかるが、話が単調。
あと、そんな政治的要素をロッキーという映画で見たいとは思えず、コレジャナイ感。ドラマなら納得。
あくまでロッキーがボクシングを通じて立ち上がる姿を我々は見たいのであって、政治的な頭を使う内容を見たいのではない。

あと、早々からアポロが亡くなるが、恩人が亡くなる流れは3で既に使っており、友のリベンジと国のメンツのために立ち上がる姿は最早ロッキーではなくランボーである。

ロッキー5(1990)-駄作(星1)

ロッキーがジムトレーナーとして生きる姿と家族の一因として過ごす姿を描く。

ロッキーが息子との関係性を描いた、ヒューマンドラマになる。
年取って本人がボクシングできないのはわかるが、話のテイストが変わりすぎてついて行けない。

あと、ラストシーンで路上で殴り合う姿はボクサーではなく借金取りの用心棒に元戻りしてしまい、今までのロッキーで描いたヒーロー感は消えた。
完全にロッキーとランボーの境界が消えた。

ロッキーザファイナル(2006)-星2(惜しい)

相変わらず、ロッキーというより息子とのヒューマンドラマ。
あと、一作目の少女が出るなど、同窓会感すごい。
本人がリングに立つが、まぁ年を取りすぎたこともあり、試合はリアル感が皆無。ただ、それは年もあるし、ご愛嬌。シルベスタースタローンもかなり頑張ったと思う。

シニアでも挑戦し続ける姿を描いた映画。
主人公の設定が、単細胞でひたむきな姿を描く方向にベクトルが戻り、悪くはないと思う。



*結論*

3が最高潮。
クリードは見ていない、ノーコメント。