平均的な人間

少し前まで、例え事実でも悪口に聞こえそうな事は絶対に言いたくないと思っていた。
私生活でそのような場面に出くわすことはほとんどないけど、職場ではどうしても避けられない時がある。
私はずっとそういう時、濁し濁しで、愛想笑いをすることしか出来なかったのだけど、最近はそのような対処を止めるようにしている。

前の職場で私は大きく失敗した。
どの悪い雰囲気の会話にも参加せずにいたら、いい子と言う評価と、何を言っても大丈夫な子と言う評価がなされて、まあ下に見られて、苦しむ結果になった。
勿論それ以外にも私に問題はあったんだろうけど。
あの人って仕事出来ないよね、という会話にあるイヤ〜な感じ、伝わります?
仕事が出来ないプラス、馬鹿にしたい気持ちが見え隠れしているように感じる。
だから、仕事ができないという点には賛成でもその気持ちを皆と共有したくないと思っていた。
共通意識にしてしまうとその気持ちをどっかで誰かが漏らしていつかその人を傷つけてしまうのではないかと思っていた。
私はいい子と思われたかった。し、誰かを傷つけるのも嫌だった。
出来る対処が曖昧に笑うしかなかったことで、期待され、雑に扱われ、私は失敗した。と思っている。

そう思っているので今の職場では対処方法を変えた。
そう思っている事には、ネガティブな話しにもそうですねと返すようにした。
含みのある言葉でも、事実だと思うところには賛同するようにした。
出来るだけ参加はせずに、避けられないときは必要最低限に。
そうすると今まで見えてなかったことに気づくようにもなった。
そう言った発言をする人はもうその時点で大分相手にストレスが溜まっているので、適度に聞いてガス抜きをさせることはその人への優しさでもあるのだと。
その事に今までの私はまったく気づいていなかった。
そんな鈍い人間じゃあイライラされて、下に見られるのもある意味納得だと思った。
単純に年を取ったのもあると思う。
年上の人っていじめられにくい。なめられにくい。
私は前の職場では馬鹿にされる存在で、イライラをぶつけられるような存在だったのに、
今の職場ではまったくそんなことはなくて、むしろ私のことを怖いと思っている人もいるんじゃないかと思うような尊重のされ方で、同じ私なのにこうも違うか、と、あの頃の辛さって何だったんだろうとか、今が好調なだけでまた前のような扱いを受けるんだろうかとか、自分は他の人にどのように見えているんだろうかと思う。
そして私が今までなんでこの人はネガティブなことを話題にするんだろう?と思っていた相手と今の私、第三者からしたらまったく同じ見え方だろうなと思う。
その話題に参加している時点で誰かに文句を言っている人、と言う括りに入る。
前の私なら今の私を悪口を職場で言う人と判断してる。
私は誰かを傷つけることで自分の居場所を確保している。
誰かに対するネガティブな話に参加するたび心がチクチクする。
これって普通なことなんだろうか。
皆心を痛ませながら、自分の立場のためにわざと悪いこともするんだろうか。
それが一般的な人間だろうか。
私は今も昔も変わらずに、ず〜っといい子と思われたい。
だからこういう事をするのは胸が苦しい。
もっと上手なやり方があるなら教えてほしい。
人間関係は難しい。

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