阿沙のリレー/洒落川俊太郎

カムチャッカの若者が 夢の中の鳥居を潜るとき
フィラデルフィアの旅客機は 朝もやの中で消息を絶っている
カサブランカの蓮が 一斉に咲き乱れるとき
匣の中の少女は 頬を染める西日に瞬きする
この地球では いつもなにかとなにかが繋がっている 境界から境界へと
寝る前のひと時 耳を澄ますが良い
そこで聞こえてくる音は 真実の伝播に 時空の隔たりは問題にならないという証拠なのだ

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