3つ年上の兄がいるのだが、誰に似たのか子供の頃から俺様気質で、大人になり会社を立ち上げ、結婚し子供をもうけ家庭を築いてもその性格は変わることなく、ジャイアンぶりはいまだに健在で、妻や会社などのまわりの者が文句も言わずについて行ってるからこそ許されてるようなところもあり、少しはありがたく思ってもらいたいものだが、反面、信頼した人物に対して情が厚い一面もあり、それなりに人望もある。

父を亡くしてからは、兄の妻(義姉)とともに母を支えてくれる大黒柱でもあり、私が結婚するまではいろいろと面倒も見てもらい良き理解者でもあった、そんな兄の全く知らなかった一面を偶然垣間見てしまい、いささか戸惑ってしまっている…。

というのも、全く関係ないことを検索していると「ヤマレコ」という登山者のためのコミュニティサイトに見覚えのあるIDの投稿を見つけ、まさかと思い覗いてみたところ、日々のトレランや登山の記録がそれはそれは細かくビッシリと記録されていたのだ。
私の知る限り、兄がSNSを積極的に活用したり、文章を書いているところなど見たことがない。それがこのヤマレコには、丁寧に景色の写メを撮ってその写メにコメントを付け、長文の総括を記録しており、「いやこれはきっと別人」と思いつつ投稿を見ていると、行動範囲はもとより同行者のイニシャルも兄の友人と一致しており、なにより過去に私に送ってきた写メと同一のものを発見したので120%兄であることが確定した(笑)

しかも、文章がわりとしっかりとしていて、季節の移ろいや山で出会った生き物に想いを馳せるような情緒的な文面も見受けられて、え、あのジャイアンが??という信じられない気持ちと兄妹だからこその気恥ずかしさがある…
なんだろう、この見てはいけないものを見付けてしまった罪悪感にも似た戸惑いは(笑)

だけどそこでハッとしたことがあった。
実は、亡き父は生前日記を欠かさず書いており、それとは別に趣味の釣りの釣果や天気を記録する日記も丁寧に付けていた。
私は幼少期より、上手くはないが文章を書くことが好きでそれは父に似たのだと思っていたけど、まさに兄もその血を受け継いでいたのだと少し嬉しくもなってしまった。

冒頭に「誰に似たのか」と書いたが、兄も父にちゃんと似ていた。温厚で穏やかだった父の性格も似てくれればもっと良かったのだけど…

とりあえず、このヤマレコのことは、兄に見つけたことを報告するのも野暮な気がするし、家族には秘密にして(夫には言ったけど)、しばらく静観してみたいと思う…

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