リメンバーミー

たまたまつけたEテレのETV特集「ある特攻隊員の死~祖母とたどる兄の最期~」というドキュメンタリーがとても素晴らしくて、見入ってしまった。

NHKのディレクターの祖母の兄が終戦直後に特攻隊員として飛び立ったという真偽を確かめるため、ディレクターが自らその足跡を辿り祖母に伝えるという内容。

消息が曖昧だった祖母の兄の最期が70年以上経ってようやく判明するのだが、当時戦争によってどこでどう死んでいったかわからない若者たちが数えきれないほどいたんだということを、知れば知るほど今更ながら胸が痛い。
ドキュメンタリーとしても、祖母の感情豊かな姿がありのままに映し出されていてとてもよかった。

亡くなった人のことを思うとき、この人は死の間際でどんな思いでいたんだろうと想像するといつも辛くなる。もしかしたら幸せな気持ちでいたかもしれないけど、残された者からするとどうしても「無念だったろうな」と決め付けてしまう。本人の本当の気持ちは永遠にわからないわけだけど。

けれど、この祖母の兄は、こうして妹である祖母に存在を忘れないでいてもらえて、そして孫世代の尽力によって生きた証を証明してもらうことができたことはきっと幸せなことだと思う。

「子供も居ないし、私が死んだあとに、私の存在を誰かが思い出してくれることはあるのかな?」と夫に問うと、「(誰かに)思い出してほしい?」と即答された。
それは、「今が幸せならそれでいいじゃない」と、生きている「今」がすべて!という夫らしいポジティブな解答だと解釈。
時々、そんな考え方ができる夫が羨ましくなる。

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