ロンドン・ナショナル・ギャラリー展 2020年8月28日

#ロンドン・ナショナル・ギャラリー展
#国立西洋美術館 #2020年8月28日 #日時指定制

これも会期が変更になって良かった! という展覧会でした。
 旧 2020年3月3日(火)~6月14日(日)
 新 2020年6月18日(木)~10月18日(日)
「凄いんだぞ」という前評判(宣伝文句)に違わず、
「もう一度行こう!」と思わせる内容でした。
私の能力では食傷気味と言った方がよいか・・・。

国立西洋美術館に行くのも久し振りで2019年12月以来。この美術館のことをnoteに書くときは(記事に)共通したヘッダー写真が未だ無く、現地に行くと撮ることをすっかり忘れ、・・・相変わらず。
この美術館、金土は夜間開館してくれているのが嬉しい。今回も金曜日の夜。日時指定券は必要ですけれどもね。
指定時間より少し前に到着したんで館入口前で律儀にも待っていました。時間となり中に入ったら入場待機列を作っていて・・・、何だ!? 先に入って良かったんだ。10人以上並んでいたかな、一度に入れずに数人ずつ階下へ。

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私にとっては、冒頭の第1室「イタリア・ルネサンス絵画の収集」で決まりでした。お気に入りを1つと言われたら・・・、

「聖エミディウスを伴う受胎告知」 カルロ・クリヴェッリ、1486年、卵テンペラ、油彩/カンヴァス
色んなものが描かれていて、色鮮やかで、無機質に感じる部分もあり、でも生身の呼吸が聞こえてきそうで、不思議な画でした。ごちゃごちゃっとしている印象があるものの破綻が無いです。もう一つ、押し付けがましさが無いです。ずうっっっ・・・と観ていられる絵画です。500年以上前に描かれた作品がこんなに良い保存状態であるというのが不思議。
(図録の帯に2種類あり、片方がこの画でした。もちろんこちらを購入。)
その隣りに・・・

「聖ゼノビウス伝より初期の四場面」 サンドロ・ボッティチェッリ、1500年頃、テンペラ/板
多数の人物が描かれているのに無機的。特に街並みが。街並みは背景に過ぎないとは思いますが、私はそちらに目が行ってしまいます。雑然としておらず整然としている、この絵画(題材)の表現としてそうしたまででしょうが、当時の街並みの空気感を感じます。(別の言い方をすると)その街に生きている人々(庶民)の呼吸が聞こえてこない、というのは悪い印象ではありますが、やはり、聖ゼノビウスに焦点を当てるための手法ということでしょうか。

第1室の冒頭に・・・
「聖ゲオルギウスと竜」 パオロ・ウッチェロ、1470年頃、油彩/カンヴァス
(これも)ぶらぶらで見ていたけれど、思っていたより小さいね。
もっと不思議なのがこの画。テレビで見て解説を聞いていると「ふ~ん」てな感じだけど、実物観るとまず理解できん。(見た目で)分かり易く言うと漫画的。でもその内容(題材)は? 聖ゲオルギウスと姫君との顔が無表情(に見える)なのが印象的。無表情の裏で何を考えているのか思索するのは面白いかもしれない。嫌いではないけれど、あげると言われても要らない、と答えちゃう画。

お次は第2室「オランダ絵画の黄金時代」。
「34歳の自画像」 レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン、1640年、油彩/カンヴァス
テレビで見ている(解説を聞いている)といけ好かない画かと思ったら、実物は良いです。押し付けがましさが全くなくて静かにゆったりと構えている自画像です。レンブラント絶頂期ということで気持ちに余裕があったのか、彼の人格なのか。普通は得意満面の様子が滲み出ちゃうと思うんだけど。

第3室「ヴァン・ダイクとイギリス肖像画」
「シドンズ夫人」 トマス・ゲインズ・バラ、1785年、油彩/カンヴァス
美人さんだぁ~~っ!

第4室「グランド・ツアー」
「リチャード・ミルズの肖像」 ポンペオ・ジロ-ラモ・パトーニ、1759年、油彩/カンヴァス
このお兄さんの顔・表情が抜群に良い。人柄が100%表われている。私は肖像画は好みではないけれどこの画は別。これいいじゃん! と思った初めての肖像画かもしれない。彫像を横に置き、地図を指差すその姿は現代のインスタ映えなり。絵画とするか写真とするかの違いだけであり、モデル・被写体となる人の心は260年前も現代も1mmも変わっていない。リチャード・ミルズ氏は本当に良い人柄だったのか、画家のサービスなのか? 解説読むと両方入り混じている感じね。

第5室「スペイン絵画の発見」
「アンティオキアの聖マルガリータ」 フランシスコ・デ・スル・バラン、1630-34年、油彩/カンヴァス
今回一番気に入ったのは「聖エミディウスを伴う受胎告知」と先に書いたのですが、一番衝撃を受けたのはこちら。画風が余り観たことないような感じで、「あっ、こんな画が世の中にあるの!?」 特に顔の描き方が・・・。兎に角画面一杯に描かれた全身像が美しく、バランスが取れ、色鮮やかで、力強く、抜群の存在感があり、竜を制している聖マルガリータの伝説を聴くよりも百聞は一見に如かず、・・・べた褒めですな。この画との出会いがこの展覧会の価値、と言ってもよいくらい。

風景画も多数ありましたが、これはっ、というものには出会わず。

10月18日までだからもう一回行こうかな!?

さて、以下は展覧会と全く関係ない余談。
JR上野駅公園改札が改装中で、駅ビルから公園側がどんな風に見えるのか写真を並べておきます。駅から上野公園方向を見ていますが、(振り返って)右側から左側へという視線(順番)で写真を撮っています。

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線路沿いの道路を分断したから歩行者は上野公園へ真っ直ぐに進むことができてかなり快適。知らないで進入してしまった車は戸惑うだろうね。

追記
オンライン・ガイドツアーが公開されたのでリンクしておきます。