ポケットには約1000円 5

退院するとガレージに
見知らぬ白い車が。

代わりにわたしの赤いZは
無くなっていた…。

操作の仕方は後で担当が
教えてくれるらしい。


問題は2つあった。

ひとつめは、
初めての左ハンドルというコト。
おまけに、
マニュアルシフトモデル。

ふたつめは、
退院後、暫く痛みが続いていたコト。
それも、
かなり、痛い!
マニュアルシフトを操作するのは
右手。これはまだいい。

しかし、
手術下右胸側は振動を少し
拾うだけでもビンビン響く。
結構辛い感じだ。


マニュアルは読んだ。
きちんとひと通り。

慣れるために、
新しい愛車のM3の車内に入って
1時間くらいシートに座って
そのままでいた。

車体の静的ディメンションを
つかむために…。


いよいよ運転だ。
イグニッションオン。

緊張感がただよう。

少し重めのクラッチを踏んで
ギアをつなぐ。

つなぐ瞬間、激痛が走る(笑)。

BMW M3。
その瞬間、素晴らしいフィールが
全身を包む。

密度感の高い、マシン、スポーツ
フィールだ。すぐに分かる。

硬めただけでは無い滑らかな
サスペンション。

6連スロットルの瞬時なタイムラグ
無しのアクセルレスポンス。

3000ccの排気量の力感、
咆哮と呼べるエンジンサウンド。


走り始めたわたしは、痛みさえも
忘れていた…。


終了…

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