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6/10~6/11 新馬戦勝ち馬の走法採点

どうも、あばたです。
先週開催分の新馬戦、勝ち馬だけ走法分析と採点をば。詳細な項目は伏せますが、総合採点値とストライド、フットワーク値だけ掲載していきます。

STR→ストライド。0が平均で、プラス側に行くほど大きいストライドを表します。
FW→脚さばきの質を数値化したものです。プラス方向は軽いフットワーク。マイナス方向は重めでパワフルなフットワークです。

スカイキャンバス

2023/6/10 函館 芝1000m 78点
前脚は綺麗に上がり、身体全体を余すことなく使えている分で見栄えは非常に良い走法。前後の脚捌きはかなり強く、支えているクビ・背の動きは硬めで、全体的に硬いパーツで構成されており、早くからある程度のスピードで走れるようにまとまりやすい構成になっている点がポイントか。着地時のクッション感や剛性を見る限り、短い距離の洋芝・ダート兼用。しなやかさが前に出ておらず、トップスピード不足になりがちな走法なので、他馬が台頭してくる前に早々と実績を積み上げたいタイプに見える。

ヒヒーン

2023/6/10 阪神 芝1600m 72点
クビはやや高めに構えて、うまく使えていない感じがある。身体全体のバランス感もまだまだで、後脚の踏み込みが浅く弱々しいところがあり、それに伴って前脚の出方もかなりバラついている形。当然後脚の戻りのストロークも緩やかに行われるので全体としてピッチが上がらず、ややだらっとしたワンペース気味のストライド走法になっている。ペースが遅く、相手にはやや恵まれた分、道中で上記の弱点が露呈しなかった。右手前の方がやや力が入る形で走れており、終いは直線半ばですぐに手前を戻していた。左前脚の出が悪く、脚が伸び切らない点も気になる。ただ、この主血統のラインは2歳時はこのようなタイプがかなり多い。この後じっくりと成長待ちへ移行できるので、このタイミングで勝ち上がれたのは大きいのでは。(相手関係含めてこのレースのレベルは疑問)

ゴンバデカーブース

2023/6/10 東京 芝1600m 81点
前脚の捌きはしなやかで、全体的に嫌な硬さが目立たない。ピッチの効いた走りでトビの高さに余裕がない感じはあり、前脚は伸びているがストライドは稼げていない。背腰やクビ使いからやや重苦しさを感じる反面、脚先のフットワークは軽く、そこそこのスピード能力はありそうな形。一概に断定するのは危険だが、経験則的には小回り・〜1600mのところに適性が寄っていく可能性はあるのでは。悪くないが、クラシック戦線でどうこうと言うイメージは現段階の走法からは感じ取りづらい。

ロータスワンド

2023/6/11 函館 芝1200m 80点
クビ使いが大きく、力を入れて走った際にも身体の使い方がバラけていないし、トビの高さ方向に余計な力が分散していないような、いわゆる"遊びのないフォーム"
ストライドが綺麗に伸びて、前方向にキチッと推進力を得られている点は高く評価できる。姿勢がやや前傾気味で、前脚の着地タイミングはほんの少し遅く、やや掻き込み傾向で四肢の強度に便り気味なフットワークだが、大きく減点するほどではない。
高評価したいのだが、この日は馬場傾向でかなり偏りがあり、上記のようなタイプの走法の馬の活躍が目立っていた。(函館SS勝ち馬キミワクイーンも脚力主導でやや掻き込み癖あり。クビ使いや全体のバランスも似ているところが割と多い。)
採点は少し低く見積もって、次走でもう一度確認する。

ミルテンベルク

2023/6/11 阪神 芝1200m 77点
フットワークは大きくパワフルな形。四肢の出方はやや硬い。この主血統のラインにしては珍しい感じの前脚の上がり方で、曲がった感じで引き上げて、やや力任せに叩き書き込むようなパワー的要素の高い脚捌き。道中脚を滑らせたり、バランスを崩し気味なところが見受けられたので、今回馬場を気にしてこのような形になっているかもしれない。兄弟を見るとこの母系はボトムラインのSurumu〜Acatenangoのところの硬めのフットワークが前に出やすいところもある。
そのため、本来の走法がどのような(どっち側の)形になるのかと言うところは今回レースから判断しづらい。評価は仮置きするが、判定は持ち越し。

ダノンエアズロック

2023/6/11 東京 芝1600m 82点
ちょっとこのレベルの大トビは滅多に見ないレベル。ストライドが大きく伸び、トビの高さ方向の成分もかなり大きい。姿勢は起きていて後脚にタメが効いた形でしっかりと体重が乗っている形。クビが少し高いのと、前脚の上がり方がオーバーアクションなため、全体的に後傾気味のバランスになっている。新馬戦からこの形で走れる馬は少ないので、筋力量だったり、四肢・体幹の強さと言うのは相当のものだろうが、この手の走法で固まってしまうと全くピッチが効かずにキレない感じになってしまうのは気がかり。ここ数年の新馬勝ち馬の中で1番ストライドは伸びるが、1番ピッチタイムは遅いのでは…?
今後どのような形に仕立て上がってくるかは楽しみだが、このままの形で行くならば中長距離の逃げ・先行馬だろうか。そのためには手前変えやコーナリングの課題だったり、道中の力感の強さをもう少し薄れさせていきたいところ。