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大阪杯 走法分析

走法分析記事ははお久しぶりです。どうもあばたです。
今週は大阪杯。好メンバーが揃いましたがビッグスター不在でやや混戦模様でしょうか。枠順次第ではいろんな馬から入れそうですね。

様々な記事が出回っておりますので、私の方からは走法視点メインで。
今回はきまぐれで無料記事でお送りします。

走法評価まとめ表

能力⇒ストライド・ピッチ・持続時間などの採点項目から機械学習によって評価
コース⇒同様に採点項目から阪神2000mで必要とされる要素から機械学習で算出
バイアス⇒先々週~先週土曜の好走馬の走法傾向から機械学習で(省略

(このまとめ表は、あばたが目視によって採点した走法評価によるデータベースをもとに、自作ツールより出力しております。)


各評価ごとのこれまでの成績(2023/1 ~ 2023/3までの重賞)は以下の通りです。

このデータをどう受け取るかは読者の方々にお任せします。

機械学習の導入理由としては、これまで私が手作業で算出していたプロセスの自動化が目的なだけで、AIによる競馬界隈の征服を企てているわけではございません。


走法適性表

最大打点の高さから大トビの馬が一定数絡む条件ではありますが、コース形態からはコーナーでグリップ力の効くようなパワーのある小さいストライドの馬が輝ける条件です。基本的にはバランスの整った馬から。基本的にはこのグラフ上のY=Xの線に乗る馬が多数派で、左上・右下のゾーンに入る馬というのは一風変わったような、特徴的な走法の馬が多くなるゾーンです。
とはいえ、この2軸では表せない要素(コーナリングの上手さ等)の方が重視されるべきで、盲信すべき情報ではないかもしれませんね。

個別の馬の分析 ピックアップ

ヒシイグアス(A)

大きな癖はなくバランスの整った走法。
元々はクビが少し低い感じで前脚も綺麗に伸びるようなスピードタイプの素軽い走法だったが、昨年~今年の走り方を見ているとややパワー寄りにシフトしてきている印象はある。クビ位置は平均的なところまで上がってきていて、前脚の出は少しおとなしい形になってきている。それでもバランス的には問題ない形でまとまっており、G1クラスで横並びで見ても優秀な動作の連動性を持っている。逆に言うと「強烈に伸びるストライドからの持続力」というものはないし、「抜群の小回りコーナリング技術」というものもない。ハイレベルにまとまっているが、極端な展開になったときに浮上するタイプではないし、他馬を見下して大外ぶん回して勝つようなタイプでもない。
ハイレベルにバランス良くまとまっているが、”右回りのインを先行して終いまでスムーズに通す”というパターンに持っていきたい。

ジャックドール(B+)

この産駒らしい綺麗なストライド。トビも高く非常に美しいフォーム。
走法を見る人たちにとっては、こういうタイプは見た目に惹かれて過剰に評価してしまうところがあるので気を付けて見ていきたい。
トビに高さがあり、身体の使い方は大きい割にはコーナリングの際に脚が流れたり姿勢のバランスを崩すことが少ないので、コーナーからある程度じわじわと加速していって直線でスピードの持続力を活かす形があっている。単騎逃げ+武豊Jの組み合わせは脅威。
大トビの逃げ馬にとって、阪神2000mは1角までの入りが鬼門になるが、競りかけてくる相手も少なそうで、この馬のスタート自体も悪くないところから割引は必要ない印象。モーリス産駒の中距離馬の場合、後脚に大きく体重を乗せてトビの高さを生み出している馬が多く、この馬もその手のタイプではある。そのような身体の使い方の場合、出遅れたりスタートの加速が悪かったりということは多々あるのだが、この馬はテンの加速時はある程度小さいフォームで走りだせているため大きな心配はない。
急加速や切れ味勝負ではこの馬の良さは出せない。単騎で行って、楽なタイミングでじわじわと加速していき、コーナーあたりで馬群を縦長に引き連れていきながらのロングスパート戦に持ち込むことが考えられる。
向こう正面でマクリが発生したり、引きつけ過ぎて直線を向いてからのよーいドンになってしまった場合は崩れる可能性もある。(マクリをやりそうな騎手+馬の組み合わせは見当たらないが・・・。穴狙いパターンとしてはこの2つの展開から狙うのが良いかと思う。想定の発生率とオッズを天秤にかけてもらえれば良い。)

スターズオンアース(B+)

走法自体は直すところが無く、非常に素直な身体の使い方。
トビ姿は美しく、割と理想的な形になっていてこれまた現役屈指に思える。ドゥラメンテ産駒は前脚の捌きがややきつく、動作的には少し荒々しい部分が前に出てくる子も多いが、この馬は非常にエレガント。全体動作がスムーズにつながっており、直線である程度のトップスピードと素直な加速力を両立できている点が武器になる。
コーナリングは並程度に見える。外々を回ってねじ伏せるほどの技量はなく、そつなく立ち回ってポジションを維持する程度にはなるか。
となるとベストはやはり直線の長いコースになり、阪神の内回りかつこのメンバーレベルで差し届かせるにはある程度のポジションを取るのは必須。その点ではルメールという考えうる限り最高の騎手が乗っているので、切りづらい。立ち回り的には内枠が欲しいが、隊列によっては向正面でスッと内に入れたりもやってきそう。切りづらい。立ち回りによっては十分足りているとの判断。

ジェラルディーナ(B)

不器用と器用の概念がわからなくなる馬。
こちらもモーリス産駒の中~長距離馬で、後脚にたっぷりとタメが効いたトビ高・大ストライドの馬。
ジャックドールとの違いは、スタート時の身体の使い方に融通が利くかどうかというところで、この馬は割と後ろに体重がかかったまま踏み切ってしまうので出遅れのリスクは高め。
中速の巡航からトップスピードに入れる際の身体の使い方が秀逸で、この際はトビの高さを抑えながら器用に小脚を効かせて内目からコーナーをタイトに回ってみたり、身体を起こして姿勢が流れないまま大きなストライドで力強く加速したりといろいろな形で立ち回れる。大トビ持続力タイプながらも、コーナーを含めて加速区間を作れるため、直線の短いコースでも好走可能な点が最大の強み。(逆に直線が長いコースだと良さが出しにくいかも)
ただし、この手の差し・追い込み馬はスイッチを入れるまでにどれだけゆったりと走らせられるかというところがポイントになるので、距離は長い方がいいし、1角までの入りはゆったりとしているコースの方が良い。そういう点では阪神2000m<<2200mだと思うので、”ここで必ず買うべき!”かと言われるとはっきりと断言しづらい。

ポタジェ(家庭菜園)

昨年度優勝馬。

コーナリングは右回りの方がややスムーズかつクビの位置も綺麗に決まるし、地力勝負の大箱よりはこの阪神2000mのレイアウトの方が良い。バランスの良い形で、馬場状況の影響を受けにくいため、雨で渋った方が相対的に条件は良いのではないか。

昨年度大阪杯記事より

大体の項目が80点。カローラ的存在。
走法自体のバランスや、コーナリング技術などそれぞれがなかなかのレベルでまとまっており、ソツなくこなせるタイプではあるが、G1となるとワンパンチ足りない印象。それでも昨年勝ち切ったのは、動作のスムーズさから走りにムダが無く、”ある程度のスピードをある程度長く維持できる”というこの馬の特徴がフルに生きた結果だろう。”ある程度”の評価は必要ながらも、追走時の基礎スピード面で昨年と同じ水準にあるかどうかというのは微妙。(一応、走法採点的には少し下がっている。)


C評価以降の馬については追記未定です。
期待せずにどうぞ。
スペースなどでお話するかもしれません。その際はお見逃し無いよう、@shikinami_abataをフォローしておいてください。

ではまた!

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