走法理論への誘い

先日の記事ですが、中々の反響を頂きまして大変嬉しく思います。正直なところびっくりしております。サポートと言うものがあるんですね。こちらもビックリしました。ほんとに感謝です。


さて、私の予想ファクターの中に走法というものがあります。読んで字の如く、馬の走り方を分析するだけですが、これまた抽象的なところで、一体何を言ってるんだろう?という方も多いのではないでしょうか。
というわけで、私の記事をもっと理解していただくために、一度簡単な走法理論の入り口部分を言語化してみたいと思い筆を取った次第でございます(´∀`)
ほんとに基礎的な部分になりますが、せっかく映像を見るならば、知っていると見えてくるものも多いと思いますので、なんとか参考になるようにと願っております。

<走法の用語>
一完歩…馬の歩幅のこと。4本脚全てが1回ずつ地面につくサイクルでの移動距離を表します。

手前…一完歩のサイクルの中で、相対的に1番前の位置に来る前脚のこと。左回りのコーナーは左手前、右回りのコーナーは右手前で走らないとロスが出る。逆の手前でコーナーを走ることを逆手前と言います。

トビ…一完歩とほぼ同じ意味ですが、その時の弾んだ高さを表すことも有りますので、注意が必要。「トビが大きい・小さい」という表現は完歩のことを表してます。「トビが高い・低い」というのは、上下方向のことを表してます。

ピッチ走法…一完歩の小さい走り方を指します。(例.ドリームジャーニー、インディチャンプ、レイパパレなど)

ストライド走法…一完歩の大きい走り方を指します。(例.ディープインパクト、ゴールドシップ、ディープボンドなど)

<見るべき点>
前置きが長くなりました。
まず、追い切り映像ではなくて、レース中の映像を見たほうがいいです。これは、斤量や力の入れ方や路面状況により走法が大きく変わる馬が結構居るからです。パトロールビデオよりも横向きの方がわかりやすいかと思います。

ちょっと手前の話は難しいので、今回は以下に絞ります。
まずは最終直線がいいでしょう。映像をみて以下の点を確認します。

・一完歩の大きさ
・トビの高さ
・クビの位置
・クビの使い方
・一完歩にかかる時間(回転力)
・前脚着地時の地面との角度
   垂直に入る=地面を叩くタイプ
   伸びた形で入る=地面を撫でるタイプ

慣れると、なんとなく感覚でわかるようになります。自分は最初はスローで何回もじっくりと見ました。慣れるまでが1番大変かもしれませんw特に、完歩の大きさや回転力なんてほんと難しいので、まずはクビの位置と、前脚の角度に着目して見ましょう。

<クビの位置>
走ってる際にクビの位置が高い馬、低い馬はわりとよく分かります。最近の馬だとラインベックなんて非常にクビを低くして走ります。ランブリングアレーなんかはクビが高い特徴的な走り方をしてます。
基本的にはクビの位置はその両馬の中間くらいが良いです。クビが高いと前脚が突っ張った形になりやすく、スピードでキレ負けしやすくなる反面、強く地面を蹴られるため道悪に対して強くなる傾向があります。クビが低いと、完歩が小さくなりやすく、また力もうまく伝わらない場合がありますね。クビが低くても完歩が大きい馬がたまに居ますが、良馬場のワンペースの展開で粘ることがしばしば見受けられるような気がします。(私の個人的な感覚です)

<前脚の角度>
既に先程のクビの位置でこの部分に少し触れていますが、状態が高くなっている馬は叩くような形で、地面を強く蹴るように垂直気味に脚が入りやすくなります。これは完歩の大きさとはあまり関係が無いようです。

<結局何が言いたいんだろう>
各要素の関係上、体感7割方の馬がどれかに当てはまってきます。どのタイプかによって、適性が分かってきます。
①トビが高い・一完歩が大きい・地面を叩く・クビ普通
 力のいる中長距離に適性を示すことが多いです。瞬発力には乏しい傾向も。楽にスピードを維持しながら、先行することで結果を残す馬が多い傾向です。阪神・京都で注目。その反面、東京や新潟ではキレ負けしたりします。ディープボンドやゴールドシップがわかりやすい例になります。

②トビが高い・一完歩が大きい・地面を叩く・クビが高い
理由はわかりませんが、中京の芝が荒れた時の特注走法になります。これはなぜなのか本当にわかりません。基本的には①と同じ扱いです。

③トビが低い・一完歩が大きい・地面を撫でる・クビ普通
トビが低くて一完歩が大きい=推進力に優れています。ストライド走法の馬は基本的に坂を苦手にすると言われてますが、ほとんどがこのタイプになります。東京が高速化する前の日本ダービーのトレンド走法でしたが、近年はこのタイプは不振です。瞬発力の有無は血統に依存してくる傾向があるような気がします。京都・新潟での特注走法です。この走法は見た目が美しいです。現役馬だとロバートソンキーがこのイメージに近いですね。ディープインパクトもここに分類しますが、破格すぎるので何でもこなしますね。

④トビが低い・一完歩が中〜大・地面を撫でる・クビが低い
ダラダラと脚を使いのらりくらりと前残り馬場で行き抜く馬に多い走法です。瞬発力はあまり無いことが多いですが、良馬場でスピードを維持することに長けています。開幕週の平坦コースで狙いたいところ。脚抜きのいいコースのダートで割と穴を開けることもあります。ジナンボーとか、フェアリーポルカなんてのがこんな形に見えます。

⑤トビが普通〜高・一完歩が小さい・地面を叩く・クビが普通〜高い
基本的には道悪巧者です。ピョコピョコとした独特の走法を見かけたら分析してみて、このタイプまでかどうか判断すると、思わぬ馬券が拾えます。馬体に連動して距離適性が変わる傾向を感じてます。レイパパレはこの形の中でも1番わかりやすい馬かな。

⑥トビが低い〜普通・一完歩が小さい・地面を叩く・クビ不問
短距離〜マイルの瞬発力勝負に適性を持ちます。道中脚がたまる展開なら中距離で活躍する馬も。回転力を武器に坂で他馬を抜き去るような形が得意な傾向。インディチャンプが強く特徴を持ってる印象。コントレイルも分類上ここに近い。

⑦トビ普通〜低い・一完歩が普通・地面の入り方普通・クビ普通
万能タイプです。ほんとに強い馬は実は変に偏った走法では無いことが最近のトレンドのようです。東京競馬場のトレンドです。要するに東京は狙いにくいんです。グランアレグリア・アーモンドアイなど

⑧インティ
神です。

⑨その他
分からないのは分からないとしても良いんだと思います。


<まとめ>
自分が走法を見る際に考えることの1割くらいが言語化できたでしょうか。書いててこんなに難しいとは思いませんでした…
ちょっと散らかった内容になってしまいましたが、過去の映像を見直す機会があれば折角なので少し気にしてみてはどうでしょうか。
また、結局のところ自分の予想の際に走法だけみて決めるなんてことはまずありません。正直、他のファクターの方が強いです。ただ、迷った際の取捨選択や、過去のレース成績の根拠を求める時などに十分活きてくる可能性は感じておりますし、自分の中ではしっくりきています。また、血統や馬体とも密接に関わっているとも感じてますし、まだまだ研究を重ねたいところです。
また機会があれば、過去のレースでの印選びなどを使用して実用例的な形で紹介できたらわかりやすいですかねー。

最後になりましたが、私が走法を見始めたきっかけになった方を紹介します。
競馬ナンデ編集長・おくりばんと氏です。分析量が桁違いです。尊敬しております。
https://youtube.com/channel/UCBNtzeiDkNOOlBmmtJ-Tu-A

ではまた機会があれば!