思いが残る

織田昭子『わたしの織田作之助』を読んでいる。

あまりにも美しい文章で酔いそうだ。まるでジンを飲んでるようだぜ。作家の妻というだけでこんなに洗練された文章を書けるのだろうか。ゴーストライターというのがいつ頃から存在したのか知らないが、疑ってしまうほどのもんだ。

この本によると織田作之助、最期の言葉は、「思いが残る」だそうな。

おい、かっこよすぎる。口から回虫が出て、死の淵に立ってるような人間が言える言葉なのか。

乾ききった口唇をひきつらせて、かすれた声をおしだす。

・・・・思いが残る・・・・・

がくんと頭が落ちて眼が、光らなくなる。

はたしてこれが本当なのか。言えることは織田作之助ならありえる、ということだ。「奴ならありえるぜっ!」ってことなのだ。

思い「は」残る、ではなく、思い「が」残る、という断定的なのもいい。

織田昭子さんは美人でもあった。

なんと2005年まで存命だったそうな!!この間やないか!!ということは90歳くらいだろうか。んんん、タフ。

ちなみに、織田昭子で検索すると、無修正 人妻、とか出てきます。

嫌いやわ~、現代。なんの思いも残らへんわ~。

いや、ある種、『わたしの織田作之助』は人妻の無修正ではあるけども。

これは上手いこといったわ。

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