HasqvarnaのSvartpilen701
冬の雪国で度重なる暴風雪に震え怯えながら引き篭もっています。
バイクに乗れないストーブリーグ中にすることは、一歩引いて世界を夢見ることで少しだけ気分が上がります。
スウェーデンのメーカーハスクバーナ現行車種Svartpilen701(スヴァルトピレン黒い矢の意味)というバイク
最初にお断りしておきますと、脳内妄想の類いに終始しますので、試乗記を期待される方には残念ながら満足を与えられることは無いように思います。
Svartpilenを考えるとき、3つの思いが出てきます。
1つ目は、ハスクバーナが2012年にリリースしていたNuda900というバイク
SvartpilenはNudaのモタードをストリートユースにしたコンセプトとデザインをよりストリートファイターに振ったものと言えるようです。当時BMW傘下にあったハスクバーナだったこともありNudaはBMW F800シリーズで使っていた2気筒エンジンを搭載しています。
当時ハスクバーナ社はBMWの傘下にあり、モーターサイクルショーに毎年行っていた時期の最後の年にブースでNudaの名のとおりスリムで衝撃的なストリートファイターなフォルムにものすごく惹かれた記憶があります。
WebikeのNudaオーナーのみなさんのレビューを拝見すると、良い意味でキワモノ的な魅力満載ですね。
Nudaの中古車は2台ありましたが、どちらも100万円を軽く超えています。正直なところプレミア価格です。おいそれと手が出ません。
2つ目は、KTMのDuke690を試乗した時の楽しかった記憶
KTMが日本上陸してから頻繁に試乗会をしてくれていた頃、友人たちと試乗会へ行きモタードデザインなDUKE690を試乗したときの記憶が、これならばウィリーだってへっちゃらな気持ちになるような、バイクの身軽さ、単純に子供の気持ちになってバイクをふりまわす楽しみが得られるガジェット感満載な楽しい気分にさせてくれたことを思い出しました。
同時に、単気筒ゆえの単調なエンジンフィールに飽きるのも早いかもしれないという思いがよぎったことが思い出されます。
3つ目、それは前回のnoteのテーマ、シクステン・セゾン氏の設計されたハスクバーナのSilverpilenのこと
silverpilenは、ストックホルムの銀色の電車のニックネームでもあるそうですが、何故か心霊現象もあるようです。東京で言えば昔の営団地下鉄日比谷線の車輌そっくりに見えます。
50年代の小排気量バイクの世界
これまで数回1950年代バイクを所有したことがあります。実用に耐え得るバイクもありますが、駆動系が弱いもの、エンジンパワーにロスが大きいものさまざまあるものの、ことパーツひとつひとつの造り込みだけで言えば、70年後の現在よりも遥かに手の込んだ愛着すら感じられるパーツたちで構成されていました。
それは機械が造るようになる以前の工業製品であり、いまよりもずっと工業製品の精度にゆとりがあったが故に作り手の思いまでもが反映してしまったのかもしれません。
食器で言えば、アラビアのビンテージの陶器は厚みもあり塗りも刷毛ムラも見てとれる。
もちろん人の命を乗せるものですからパーツに欠陥があっては大変であることではありますが、人が触れるモノならば、その方がよりハッピーな気持ちにさせてくれるように思われます。
出来ることならSilverpilenに乗ってみたいですが、いま日本国内で売り物は無いようですから、いつか出会えたらうれしいくらいにしておきます。
ようやく本題のSvartpilen 701のことに入ります。
Svartpilenは黒い矢の意味で、併売しているVitpilenは白い矢の意味。Vitpilenはトップブリッジから直接生えるセパレートハンドルのカフェレーサースタイルであるのに対して、Svartpilenはアップハンドルにアップマフラー、ゼッケンプレートのデザインを盛り込んだモタードといったイメージです。
Silverpilenもアップマフラーでしたが、当時の呼称はスクランブラーがしっくりきますね。
日本車も含めて650cc前後で100万円台前半、1月に販売開始されたTriumph Trident660は97.9万円という100万円を切る戦略的な価格を考えると、127万円のSvartpilenは割高にすらなります。
さらに、ホンダのCB650Rも97.9万円とのこと。直接のライバルですね。
007とコラボしてるイギリスのTriumphと比べると、CB650Rなかなか苦戦するかもしれません。
Svartpilen701は158.5kgと、Triumph Trident660の189kg、ホンダCB650Rの202kgより断然軽く、デザイン的にもよりスマートであり金額の差を何とか乗り越えられたらと思います。
さらに、お好みで401や250も選択肢があるのは一日の長があります。何よりSvartpilen701には、KTM旧Dukeの690エンジンを味わえることもあります。
Triumphもスピードトリプルからストロークを伸ばしたので、よりパルシブでトルク感を感じられるようになっているはずなのも気になります。
ストリートユースを意識している点は開発に手を抜かない資金力を感じます。
Svartpilen701ひさびさに所有欲を喚起してくれます。
すっかり時間が経ってしまいました。
ストーブに灯油を足してお仕事するとしましょう。
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