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デビュー38年でようやく武道館ライブをしたパンクロックバンドに刺激をもらった話

「30年間、何かつづけたものあるかな?」
そんな質問をされたら、僕は困って「君は何かあるの?」そう聞き返すと思う。

2022年1月3日。日本武道館。
38年間続いたパンクロックバンドのライブを僕は見ていた。

38年間。何かを続けられるのは何かの魅力にとりつかれた人だけなのかもしれない。少なくとも僕には続けたものはない。というか普通はないよね。

「ニューロティカ」

デビュー38年となるボーカルのあっちゃんのピエロの格好が特徴的なバンドだ。一般的に広く知られている曲はない。ファンに支えられてきた、そんなバンドだ。

僕は40代になり21年勤めた会社で(自分の時間を犠牲にして)そこそこの給料をもらえるようになった。これが僕が唯一続けてきたものだ。

ニューロティカを初めて見た時、僕は大学生だった。

「38年間、好きなことをやっていたら武道館まできたよ」

ライブの冒頭、ボーカルのあっちゃんがそんなことを叫んだ。

そんなに続けられないよ、すげーよ、僕は心の中で叫び大学で就職をしようか迷っていた頃を思い出す。一方で就職した自分にしかなれなかった気もする。

ステージのニューロティカは明るく楽しく、客のために演奏していた。なんとなく僕の代わりに歌ってくれていた、そんな気がして僕は2階の席から拍手を送り続けた。

2021年3月にあっちゃんの地元の八王子に貼られていたポスター。信金の入口で地元愛が溢れていた。

やだB太

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