ただいまおかえりが聞こえない部屋で
一緒に暮らしていた犬の夢をみて目が覚めた。
暴力すぎるほど眩しい朝の白い光に晒されて見開いた世界は、絶望的な気持ちを助長するかのような平和さで、それだけが唯一の救いにも思えた。
わたしがいてもいなくても変わらない世界はなんだか安心感すらある。
寝る前にわたしが大阪で一人暮らししていた時の写真を見てしまったことが、その夢をみさせた原因だということに理解が追いつくにはすこし時間がかかった。
かつて実家で一緒に暮らしていた愛犬は、住み慣れた大阪を出て一人暮らししようが、再び大