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電子書籍『エピローグ Epilogue』

杏野真央(著) / イラスト:さくら怜音先生 

素敵なイラストをありがとうございました。

● 誤字、書き換えたい言葉、等 メモしてみました。

・自頭----地頭へ 
・ふたりの様子をを-----をが2つ  
・積極になっていった----積極的に
・「大樹はこちらを向くことなくやっぱり前を見てる」---「」はいらない。
◇ ◇  ◇ ◇  ◇ ◇  ◇ ◇ ◇  ◇ ◇

たまたまスマホで検索していたら、短期間のランキングが出てました。読んでくださった皆様、ありがとうございます。あっという間に消えましたが。(≧o≦) ※50代--2位  /     60代---3位  でした。

サンプル部分を書いておきます。
・・・は……にしないといけませんでした。(^^;知らなかったの。

【再会】
 駅のプラットホーム 見覚えのあるロングコート ふと、一瞬時が止まる。周りの人や列車等の喧騒、そして風景までもが止まった。

 嘗《かつ》て私が愛してた男性《ひと》が、そこに・・・茜色に染まる夕暮れの中、佇んでいた。1年の月日が彼の面影を随分と変えてしまった。

 彼との在りし日の日々、苦い思い出が蘇る。


【闖入者】
 摘木茉祐《つみきまゆ》と摘木大樹《つみきたいき》は社内恋愛で同僚たちに祝福を受け、結婚して2年になる。

 現在、それぞれ別々の部署だが同じフロアーで仕事に就いている。
と言っても、互いのオフィスは少し離れている。


 ふたりが勤めるのは一部上場企業スリウムグループの子会社でスリウムフィナンシャルグループだ。

 たまたまオフィスが同じフロアーに隣接する形で2つに分かれていたこともあり、どちらかが転勤を余儀なくされることもなくこれまできているのだった。

 妻の茉祐《まゆ》は27才入社して5年目、夫の大樹は29才7年目になる。

 茉祐は、事故に遭ったカスタマーの専任担当者として、担当の挨拶から事故解決、保険金の支払いまでを行う、損害サービス専任社員 として・・・。

 大樹は、オペレーターとして契約手続きに関するカスタマーの対応を行ない、その後はオペレーターを取り纏めるスーパーバイザー(管理者)としての役割を担う、カスタマーサービス専任社員 として、勤務している。


 この春に珍しく中途採用で、しかも職歴も無い坂口美貴が24才でこの損保会社に入社してきた。摘木夫婦の入社後も、それより以前・・・入社する前もそのような形での中途採用は無かったと聞く。

 それはほぼ皆無な条件での入社だった。

 そして彼女はカスタマーサービス部門、大樹の直属の部下となった。

 おそらくは、大物の肝いりの推薦があったのでは? と囁かれもしたが、半年が過ぎその囁きも鎮静化した秋も深まる10月の別名神無月に入った頃のこと・・・それは起きた。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 それが誕生日プレゼントなのか、結婚記念日のプレゼントなのかは知らないが、美貴はある日気が付いた。

 上司、摘木大樹の妻である茉祐《まゆ》が今まで身に付けてなかったハート型のペンダントの付いた可愛くてお洒落なネックレスを付けていることに。


 さり気なく胸元を装っている控えめでいて燦然と輝いている小粒のペンダントが茉祐の全体の雰囲気に彩を与えていた。

 何よりも悔しかったのは、付けていなかった時よりも、彼女がより一層幸せそうに見えることだった。


 上司の大樹と茉祐は社内結婚だったと聞く。

 その頃自分がこの会社にいたなら、絶対大樹を自分のモノにしたのに。


 美貴は入社以来、茉祐を見る度、臍を嚙み地団太を踏んだのだった。

 美貴はそういった理不尽な理由で、茉祐のことを酷く憎んだ。


 お嬢様育ちで何不自由なく生きて来た美貴は、大学卒業後も就職はせず好きな時に旅行に行き、気が向けばSHOPPINGを楽しみ、眠くなったら昼間であろうと寝るという、気ままな生活を2年も過ごしてきた。

 そんな美貴が夢にも考えたこともなかったOLになり、働く気になったのは何を隠そう摘木大樹の存在があった。


【恋しちゃった】
 スリウムグループでは伝統の家族向けイベントが毎年恒例で夏と秋の2回行われるのだが、その夏祭りの折に美貴は大学時代の友人を誘い、見に行ったことがあった。


 舞台上で演じる6人組の派手で大きな動きのキレキレッのパフォーマンスに、目が釘付けになった。

 そんな美貴の視線の先にはずっと摘木大樹の姿があった。


 彼から目が離せなかった。
  そう・・・生まれて初めてのひと目惚れというヤツだった。


 性格はともかくとして、美貴は幼少の頃から人の目を惹きつけるほど容姿端麗で学生の頃には付き合っているBFは何人かいた。

 しかし、どの相手とも今ひとつ、料理でいうところのスパイスが足りなかった。

 相手と同じ熱量を持てなかった。


 そんな美貴が大樹を見た瞬間、恋に落ちていた。
 こんな感情は知らない。

 ひと目惚れなんて今まであり得ないと思っていたのに。

『あったんだー』

 気がつくと呟いていた。


 隣で一緒に見ていた友人が壇上のパフォーマンスを楽しみつつも、もう一方の耳で私の呟きを拾ったらしく、一言。


「えっ? 何かあったのー?」

「ううん、なんでもない」

「ね、あの左端の人カッコいいよね?」

 友人の台詞に一瞬ドキリとしたけれど、自分の想い人ではなく、ほっとした。


 なんでだ? 自分の彼氏でもないのに・・・と、苦笑する自分がいた。

 自分の意中の相手が父親の勤める系列会社の人間で良かった。

 何の伝手もない相手では流石に諦めるしかなかっただろう。

 今回は自分でチャンスを掴めるかもしれないのだ。
 
 彼を手に入れることができれば、私の人生コンプリートしたも同然じゃん。

『トレビアーン』《トレビヤン素晴らしい》

 美貴は3人きょうだいの末っ子で甘やかされて育った。
 父親は末っ子ということもあり、特に美貴には甘々の父親であった。

 幼少の頃より美貴の望む大抵のことは叶えられてきた。
 この時も美貴は言った。

「パパ、私働く」
「へぇ~、お嬢さんどういう風の吹き回しだい?」

「うち《私》の会社に入るか?」

「たぶん、そういうことになるのかな?
 この間の夏祭りに6人グループが舞台でパフォーマンスしてたんだけどさぁ、気になる人がいるんだぁ~。

 どこの系列の人か調べて、その会社に入れるようにしてぇ~」


「あなた、美貴ね、その男性《ひと》に恋しちゃったんだって」

「はぁー! じゃあ何かぁ・・・仕事がしたくて就職するんじゃなくて、婿殿をGetする為に我が社に就職するっていうのか? とんでもない娘だなぁ」


「あなた、何悠長なことおっしゃってるの? 
 美貴もついこの間高校生だと思ってたのにあれよあれよという間に大学も卒業、もう今じゃ25才なんですよ。

 誕生日がきたら26になります。
 女の命は短いの、分かってるんですか? 

 もう少ししたら30なんですからぁ。
 カウントダウンは始まってるんですよ」



「美貴、結婚焦ってるのか?」

「ぜんぜんっ。焦ってるのはママよ。
 私はそんなのどーでもいい。
 好きな人と付き合いたいだけだし。

 顔の偏差値、モデル並み。
 身長162・体重46・バスト 85・ウエスト60。 


 これに父親が東証一部上場企業の会長兼務社長CEOとくれば、大抵の男《ひと》は私と結婚したがるんじゃないかしら?

 学校だってパパのお蔭で幼稚園から大学まである偏差値がそこそこ良い学校を卒業していて、留学経験もあって日常会話くらいなら英会話に不自由しないし。


 実際の地頭がさほど良くないことは自覚してるけど、まぁ普通の事務ならこなせるんじゃないの? ほんとは秘書なんかいいと思うけど、私は彼と一緒に働きたいからそれは諦めるわ、残念だけど」 


この続きは製品版でお楽しみください。

ポイントなど溜まりましたら読んでみてください。
宜しくお願い致します。*ᴗ ᴗ)⁾⁾☆彡

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