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私はどう鏡面塗装をするか

自分はこうしている、という手順を整理するため画像でまとめてみました。実際に塗っているところは動画のほうが参考になるかなと感じましたので、それは改めてやってみようかと思います。
あくまでも「自分の環境では」、という話なので参考レベルに見ていただければ幸いです。

制作環境

ハンドピース:クレオス PS-289 / コンプレッサー:クレオス Mr. リニアコンプレッサー L5 / ペインティングブース:タミヤ スプレーワーク ペインティングブースII(ツインファン)

今回の使用塗料

サフ:クレオス 水性サフェーサー1000 / 塗料:SHOW UP ONE DROP KANDY  peach 1DK-03 / 薄め液:三協化学 ファインソルブTH / クリアコート:クレオス Mr.スーパークリアーUVカット 光沢

使用キット

AOSHIMA ザ・スナップキット トヨタ GRスープラ/ホワイトメタリック(1/32)

塗装のねらい

●できるだけストレスなく鏡面塗装をする。
 ・趣味なので出来るだけ楽しくやりたいですよね
 ・きれいな鏡面ができるとテンションが上ります
●表面の研ぎ出しは最小限にする。
 ・過剰な研ぎ出しは事故のもと(最悪やり直しに)
 ・神経を使う作業を長時間続けるなんてムリww
 ・塗装中にホコリがついた場合はそこだけ処理します
●要は楽をしたいんです。
 ・その代わり下地処理は気を使います
 ・塗装の階層は最小限にします
 ・本当に必要な場合のみサフを使います

手順の説明

1.
白下地でも黒下地でもキャンディー塗装ができるというSHOWUPさんの塗料です。シルバー下地不要でキャンディー塗装でき工程短縮できます。トラブル発生のリスクと作業時間を減らせるので、満足度アップにつながります。

塗料はこれです。

2.
キットはこちら。おなじみ楽プラです。手にしやすいお手頃価格ですが、造形やディテールはバッチリ。丁寧に作ればとても見ごたえのある仕上がりになります。今回は白を選びました。

Amazonで購入しました

3.
ボディーカラーを塗るのはこの1部品だけ。

ボディ部品は1パーツ

4.
ホワイトメタリックなので白い樹脂の中にラメが見えます。楽プラは無塗装でも十分にきれいな仕上がりになります。キット付属のシールはとても優れた作りだと思います。

ホワイトの中にラメが見える成型色です

5.
パーティングラインや段差、ヒケを見極めるためサフを薄吹きします。あくまでも「下地処理を見やすくするためだけ」の用途なので薄い塗膜で十分です。下地処理後は除去します。
そのためマジックリンで簡単に除去できる水性サフを使います。

サフを薄塗りしてるので塗った状態が分かりにくくてすいません。

6.
パーティングラインを見極めます。エンブレム周辺の逆台形のエッジにパーティングラインがありました。

実際はあら探ししてようやく見つかるレベルです

7.
サイドウインドウの周囲とドアノブ近くに若干のヒケがありました。1000番のペーパーですぐに消えるレベルです。

今回は深いヒケはありませんでした

8.
リアスポイラー基部にちょっと目立つパーティングラインがありました。600番のスポンジヤスリで丁寧に削って、1000番、1500番のペーパーで仕上げました。

ここだけパーティングラインがしっかり目立ちました

9.
スジ彫りの周囲はわずかに凸凹があるので、念のため1500番でペーパーがけしました。塗装を何階層か重ねるので小キズは埋まる可能性が高く、この段階ではコンパウンドは使用しません。

面積の広い部分も念のため1500番でペーパーがけしました

10.
マジックリン(青色の液 キッチン用)で洗浄します(トイレ用、バス用のマジックリンは効果がありません)。弱アルカリ性洗剤ならマジックリンでなくてもかまいません。
ラッカー系のサフをペイントリムーバーで除去するより遥かに簡単です。

※今回は深いヒケはありませんでしたが、もし深いヒケがあった場合はヒケの場所・大きさを覚えておき、必ずサフ除去後に透明瞬着パテで埋めて表面を削ります。そうすれば成型色とほぼ変わらない表面になるので、色合わせのためのサフが不要です。

洗浄して真っ白になりました

11.
初めて使う塗料なので、まずは裏面を塗装します。
希釈濃度は缶スプレーの中身よりわずかに薄いぐらいです。
塗料の雰囲気をつかむためなので、ツヤ出しは全く意識せず、3回程度塗り重ねました。
(メタリック色ですが透明度が高く光透過防止効果はあまりありませんでした。ただし撮影時に逆光にしなければ気にならないレベルだと思います)

peachなのでピンク寄りの色です

12.
オモテ側を塗装していきます。塗装が入りにくい凹面やスジ彫り部分、塗膜が薄くなりがちなパーツのエッジから色を載せていきます。

カラークリア分が多いので厚塗りしないように慎重に進めます

13.
広い面積も色を載せていきます。表面のツヤ出しよりも全体の均一さを優先させ、少し遠目(10cm程度)から薄めに吹きます。

1層目の状態です

14.
2層目の状態です。色味が濃くなってきました。
(2層目と言っても、エアブラシを2往復させただけということではありません)
2層目からはツヤが出るように近め(5cm程度)から全開吹き(ハンドピースの移動速度は速め)します。
この辺りから、ハンドピースから吐出された塗料がどこにどれだけ載っているか常に意識しながら塗装します。

色が均一になるよう注意して塗り重ねます

15.
3層目でこんな感じです。画像は強めの光を当てています。デスクライト等の光だともっと赤寄りに見えるので、少し塗膜が厚かったかもしれません。

濃いめのピンク色で非常にキレイです

16.
塗りっぱなしで鏡面塗装と行きたいところですが、一気に厚塗しないよう慎重に進めたので残念ながら表面が多少梨地になりました。カラークリア層の保護も兼ねて、缶スプレーのクリアを3回塗り重ねました。クリアコートに関しては缶スプレーのほうが圧倒的に楽ですね。
クリアコート後は梨地がほとんど解消されました。数カ所ホコリ取りで1500番のペーパーでこすってから全体をコンパウンドで磨けばボディーの基本塗装は完了です。

ホコリ取りが数か所必要になったのでこの状態でしばらく乾燥させます


作業開始から3~4時間ぐらいでここまで来ました。シルバー無しでキャンディー塗装できるのは簡単で良いですね。
すごく発色がよくカーモデルにはぴったりだと思いました。
安い塗料ではありませんが、50g入りのビンで今回は1/8程度の使用でしたのでコスパは悪くないと思います。他にも何色か購入したのでどこかで使いたいと思います。

今回で基本塗装が終了したので、次回は他のパーツの塗装・組み立てをまとめたいと思います。

もし不明な点がございましたら、X(旧Twitter)で @A_SUGI_modeler 宛にお問い合わせください。お答えできる範囲で回答させていただきます。
皆様の参考になれば幸いです。

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