見出し画像

イトウさんの新刊に寄せて 「Mum」と「Flash」への怪文書

はじめに

新刊を拝見して最初に感じたのは、イトウさんが作ったというよりもウマ娘のスーパークリークとエイシンフラッシュがそれぞれ自ら企画してURAやトレセン学園の協力のもと写真集としてまとめられ、感謝を込めて担当トレーナーへ贈られたプレゼントのように感じました。

クリークならこうするだろう、フラッシュなら…とイトウさんの深い愛情と考察とこだわりがつまった作品集だからこそ、私としては出来得る限りしっかりと受け止めたい。それゆえ、今回の作品集の感想は、それぞれのウマ娘と苦楽を共にするトレーナーならこう感じるのではないか、という視点で書いてみました。
ウマ娘アプリ版のストーリーに準拠しつつ、一部に私独自の解釈や妄想を混ぜて、2次創作ならぬ2.5次創作として構成させていただきました。
(クリーク本とフラッシュ本に登場するトレーナーは別の人間を想定しております。)
少々長文になりましたが、そのことをご理解いただいた上で、お読みいただけましたら幸いです。

2022年8月17日 えーすぎ


スーパークリーク写真集「Mum」

かねてより出版準備を進めていたクリークの写真集が完成したとのことで、出版社から献本が届いた。もちろん内容はクリークとトレセン学園で事前にチェック済で、使用予定の写真については私も確認している。だが製本された状態で見るのは初めてだ。クリークは登校日なので学園にいるが、授業など諸々の用事があり夕方までトレーナー室には来られないらしい。クリークを待とうかと考えたが、内容は分かっているはずだし、一刻も早く見たいという気持ちが勝り、封を開けることにした。先に見てしまったことは後でクリークに謝ろう…

表紙

表紙は原案勝負服を着たクリークが公園の建物の影で微笑んでいる写真だ。
ホロ加工は木漏れ日のようにキラキラとしていて、表紙のシチュエーションともよく合っている。クリークが希望して指定したと聞いたが、高級感もあってなかなかの仕上がりだ。

Starting Future

最初のセクションは最初の勝負服、専用勝負服ができる前の全ウマ娘共通の服だ。どのウマ娘にも似合うと、ウマ娘たちから神デザインと言われているが私もそう思う。
可愛らしい娘にもカッコいい娘にも不思議と似合うのだ。
この写真は、おそらくクリークがウイニングライブで初めてセンターに立ったときのものだろう。私は客席からステージを見ていたが、ウマ娘としては背が高い方のクリークであるが、ステージ上でひときわ大きく見えたことをよく覚えている。楽しそうだがどことなく緊張した表情もとても初々しい。
スタジオで撮影した写真も未だ慣れてないせいかわずかに表情が硬いが、クリークの可愛らしさが十分に伝わる写真だと思う。

トレセン学園夏制服

白いスカートが実に涼しげで、水色やラベンダー色がクリークの勝負服の色合いにも似ていて、個人的には実にクリークっぽい制服だと思っている。普段の格好で普段の環境で撮影しているせいか、表情も普段の愛らしいクリークだ。
カフェテリアでパフェを目の前にした写真は実に嬉しそうだ。撮影用なので普段食べているサイズより少し(笑)小さいようだが。
調理実習室のキッチンで撮影したエプロン姿も実に板についている。クリークは家事全般をそつなくこなすが、特に料理の腕は絶品だ。家庭料理から少し凝ったものまで和洋中何でも作れるし何を作ってもとにかく旨い。
クリークに笑顔でにんじんハンバークを差し出される生活はまさに夢のようだろう。

3枠の赤い体操着

途中からGII、GIIIは前述の勝負服でなく体操着でレース出場が可能になった。レース後の洗濯が簡単になって喜んでいるウマ娘は多いはずである。梅雨時は寮内で勝負服を干す場所を探すのに苦労しただろう。
体操着になると一気に女子学生の運動会っぽくなるなぁ(笑)

私服

実にクリークらしい、ソフトで可愛らしいブラウスとロングスカートの組み合わせ。すみれステークスの後で気分転換にとクリークとお出かけしたときの写真だ。先が見通せない不安なときだったが、それでも「いっぱい甘えてくださいね~♪」と笑うクリークに、当時トレーナーとして十分な手を打てなかった自分への歯がゆさを思い出される。
どんなに落ち込んだときでも笑顔と優しさを失うことはなかったクリークに私自身がずいぶん救われた。思えばこの頃からクリークとの絆が少しずつ強くなっていったのかもしれない。
人前でめったに見せないイタズラっぽい表情の写真については、打ち合わせのときに聞いてみたが「これも私なので~」と笑っていた。クリークの表情としてはかなりレアである。

トレセン学園ジャージ(長袖+ハーフパンツ)

夏合宿でのショットである。普段は芝でレースをしているクリークにとっては砂浜のダートは興味深いようで、少し走っては足元の感覚を何度も確かめていた。この頃は表情もずいぶん明るくなって来ている。クリークの復活の手応えを感じ始めた頃だ。

学園指定スクール水着

これも夏合宿でのショットだ。トレーニングの一環として遠泳を取り入れるウマ娘もいるが、クリークは前日までに相当走り込んでいたので、このときは気分転換も兼ねてほぼ水遊びだった(笑) 二人で水を掛け合って大騒ぎしたものだ。クリークの髪の毛としっぽを砂だらけにしてしまい、後で手入れが大変だったそうだ。申し訳なかった。
帰りがけにクリークが「来年の夏も、また一緒に来ましょうね」と言ってくれたのを思い出す。彼女の気持ちがしっかりと前を向いてくれたのが分かり、とても嬉しかった。
(この後、夜に夏祭りに行って手をつないで人混みを抜け出し、人のいない海岸でたこ焼きを食べて語り合ったときのことは一生忘れないだろう…)

勝負服

菊花賞の前に宣材用として撮影した時のものだ。
彼女の信念を込めたというGI用の勝負服をまとった姿はどこから見てもとても美しかった。のちに高速ステイヤーと呼ばれるにふさわしい姿だったが、彼女の表情は今までに見たことがないほど凛々しく自信にあふれていた。
普段なら「クリーク、顔こわいよ」と耳打ちするところだが、このときは誰も軽口を叩くものはいなかった。むしろその場にいた全員がクリークの勝利を感じ取っていたのではなかろうか。
もちろん、その後のクリークの快進撃は皆の知る通りであり、私とクリークがトレセン学園を代表するバカップル呼ばわりされるのもこの頃からである。
そりゃ京都レース場で大泣きした自分が悪いのかもしれないけど、クリークの苦悩をずっと隣で見ていたのだから許してほしい…

シフォンリボンマミー

ハロウィンイベントに合わせてクリークが小物も含め手作りした衣装である。裁縫も得意とは聞いていたが、なかなかの出来だと思う。この状態でレースに出ても包帯はほどけないらしいが、いったいどんな縫製なのだろうか?
この頃はレースも順調で気持ちも安定していたせいか、クリークは相当ノリノリで楽しそうな表情だ。
なお、友人でありライバルのタマモクロスとの2ショットは大変貴重である。

トレセン学園冬制服

夏制服の色を反転したようなデザインで落ち着いた感じがクリークにとても似合っていると思う。キャメルのダッフルコートも愛らしくて、学校帰りに一緒に街を歩いているとよく声を掛けられたものだ。その都度クリークは丁寧に対応していて、ホントにやさしい娘だなと感心した。

冬コート

紺のPコートも愛らしい。このときは雪の上に寝転がったり、キャーキャー言いながら雪をぶつけ合って二人とも全身雪だらけになったりしたのが楽しい思い出だ。

Glorious Azure

Never Looking Backの曲追加に合わせて導入されたライブ用の共通衣装だが、これも全てのウマ娘をかっこよく見せる神デザインだと思う。ステージ上でクールに決める表情は普段はなかなか見られないので貴重である。クリークはスカートとショートパンツのどちらにするか最後まで悩んでいたが、私はどっちもかっこいいと思っている。
スタジオでアイドルっぽい表情を見せるクリークも何か解き放たれた感じがして好きだな。

勝負服(原案)

クリーク自身がずいぶん気に入っていて、これを着てお出かけするとずいぶん気分がいいらしい。
なお、水色のサロペットスカートを外してニットのセーターだけにすると、ずいぶん大胆な衣装になる… 私以外の前でそんな格好するなと言いたいところだが、クリークは何故かそういうところだけ無頓着と言うか、純真というか… いずれにせよ、彼女に対してまだそこまで強く言える立場ではないので、あたたかく見守っていこうと思う(笑)

Sweet Summer Time

さて、一緒に小さい写真集が付いていたが、こちらはエイシンフラッシュさんとクリークとの共同企画らしいので、クリークの部分を見ておこう。
この写真集は、クリークの昔からのお友達がカメラを担当していると打ち合わせのときに聞いていた。クリークの写真集Mumのデザインも手掛けているそうで、多彩な人らしい。

お友達が撮影したせいなのかクリークの表情がいい意味で力が抜けているというか、一人の女の子という印象を受けた。
ただ、クリークの専属トレーナーとしては少し妬けた。自分は未だそこまでの関係を築けてないなと…
でも、クリークもこういう表情をするということを教えてもらえたのは大変ありがたい。
どうしてもトレーナーの立場でクリークを見ざるを得ないから、彼女が一人の女の子であることを忘れがちになってしまう。私の悪い癖かもしれないな。

最後に

どちらもとにかく立派な写真集だ。製本された状態を見れば彼女も喜ぶだろう。
いや、待てよ。彼女のところにもすでに届いているのではないか?
クリークがサプライズで見せてくれるかもしれないな。
どちらにせよ一度片付けておこう。
今日の夕方、彼女のとびっきりの笑顔に会えるのが今から楽しみだ。



エイシンフラッシュ写真集「Flash」

はじめに

いま僕はドイツに向かう飛行機の中でこの文章を書いています。フラッシュも一緒です。URAファイナルを終えて、短期間ですがドイツに行ってきます。フラッシュの両親にもお会いして挨拶してきます。すごく歓迎してくれそうですが、今からすごく緊張しています。

ドイツ行きは結構サプライズな感じでフラッシュから言われましたが、さっきまたサプライズをいただきました(笑)

飛行機が水平飛行に入ったとき、フラッシュが一冊の本を取り出して「私の写真集を見ていただけますか」って真顔で言うからホントびっくりしました。
日本での生活をドイツのご両親に見せたいからって少しずつ写真を撮ってたそうですが、ファル子さんやアグネスデジタルさんが、どうせやるならちゃんとしたものを作ろうよってことになって、休日とか利用して少しづつ作ってたそうです。いずれはイベントとかで販売することも視野に入れてるらしいです。
担当トレーナーの僕が言うのも何だけど、フラッシュはとても可愛いから結構売れるんじゃないかな?
当のフラッシュは…疲れたのか隣で寝ちゃいました。

それはともかく、内容はすごくしっかりしてるので自分なりの第一印象を忘れないようにメモに残しておきます。ドイツまで結構時間かかるので。

表紙

ドイツの紋章風?の飾り枠の中に勝負服のフラッシュが佇んでいます。
落ち着いた感じの表紙です。

表紙を開くと、右手にサーベルを携えた勝負服の後ろ姿のフラッシュです。
ウマ娘の後ろ姿ってとても重要で、勝者は他者に背中を見せつけることになるから、背中こそ強さの象徴ですよね。当然フラッシュの背中もカッコいいです。

トレセン学園夏制服

学園にいるときのフラッシュはこんな感じです。すました顔でいるときが多いけど、ふと見せる笑顔はどこか神秘的だと感じることがあります。瞳の色のせいでしょうか?
学生としてのフラッシュはとても優秀で、時々ファル子さんの勉強を見てあげるそうです。
前に会ったときにすごく感謝されました。教えているのはフラッシュですけどね…

私服

黒の前開きのノースリーブワンピースです。ベルトの赤いベルト、白いカーディガンと合わせて勝負服と同じ色になっています。おしゃれですね。ワンピースは膝上までボタンを外して動きやすくアレンジしてます。
え? フラッシュのこんな大人っぽい表情見たことないけど…

勝負服

続いて勝負服のスタジオ撮影です。フラッシュの好きなところは立ち姿です。いつもピシッと立っていて、とても姿勢が綺麗です。
シャンデリアで照らされたフラッシュのやわらかい笑顔が可愛すぎません? こういう温かい感じの照明は私も好きです。
黒背景のフラッシュはひたすらカッコいいです。

パジャマ

これは撮影だからフェイクですけど、フラッシュは基本的に早寝早起きです。休みの日でもそうらしいです。僕も朝は早く起きるけど5時はちょっと…
黒のパジャマはおしゃれですし、寝起きもきっちりしています。さすがフラッシュです。

Correct Chocolatier

バレンタインのイベントに参加するときにトレセン学園から支給された白い衣装です。な耳飾りがコックさんの帽子だったり、飾りボタンがクッキーの形をしていたり、とにかく可愛いです。本人もすごく気に入っていて、イベントのときも笑顔で大活躍していました。 彼女のお菓子作りはレースと同じぐらい真剣で大切なものだと聞きました。見た目も味もプロ級で小さい頃にご両親の見様見真似で覚えたらしいですけどスゴイですよね。

最後に

そんな感じでフラッシュの1st写真集の感想メモでした。
未だ撮影していない服装があるとかで、本人も2nd写真集をやる気があるようです。
フラッシュですが、さっき目を覚ましたので、ちょっとずつ質問しながらこのメモを書きました。
フラッシュ、ありがとう。とても立派な写真集でご両親もきっと喜ぶと思うよ。

小さい写真集も見てほしいって?
スーパークリークさんと共同企画で、後半がフラッシュね…
お友達が撮影してくれたんだ…

なんか、カメラマンさんが変わると表情が変わるね。
えっ、なんかやけに大人っぽい感じなんですけど…笑

と、こんな感じでドイツに向かってます。
将来のことは、まだわからない事だらけですけど、やっぱりフラッシュの夢を精一杯支え続けていきたいです。そうなれるようこれからも精進します!


感謝の言葉

あいどろっぷす様&ウトラ様

今回の怪文書はウマ娘世界のトレーナーが写真集を手にしての感想という形で構成させていただきましたので、本文中で熱く語れず申し訳ありませんでした。

あいどろっぷす様

今回もモデルファーストの作品を感じられて前作同様に素晴らしいものでした。
特に圧倒的だったのが、アプリ版勝負服のページで、大きな不安を抱えながらも、それでもと強い決意で前を向くスーパークリークの姿です。イトウさんの表現力とウトラさんのページ構成も加わり、感激して涙しました。
クリークとフラッシュの2人のキャラクターの違いを明確にしながらイトウさんの魅力を引き出すライティングが今回も素晴らしかったです。

ウトラ様

イトウトラの薄い本(言い方w)を楽しみにしておりました。やはりウトラさんが撮影するとイトウさんの表情が変わりますね。怪文書本文中では書けませんでしたが、表情がクリーク、フラッシュというより、ほぼイトウさんでしたよね(笑) 
ただ、この試みはイトウファンとしてはとても面白いので、今後も機会があれば続けていただきたいです。
先程も書きましたが、菊花賞のあたりの文字の入り方がめっちゃかっこよかったです。
あのページは文字が入らないと完成しないと思いました。

イトウ様

新作の完成おめでとうございます。
また、コミケ後お疲れのところ、早々にご発送いただきありがとうございました。
お陰様で私の夏休み中に怪文書を完了させることができました。

今回の新作ではTwitterで拝見していた写真でも、こんな写真撮ってたんだと言うのが数多くあり、新鮮な気持ちで拝見することができました。
序文でも書きましたが、イトウさんが作ったというより、スーパークリークとエイシンフラッシュご本人が企画制作したのではと思わせるような完成度でしたので、私も二人の担当トレーナーになりきって怪文書を書かせていただきました。
まさに怪文書の名にふさわしいものになったかと思いますが、ご笑納いただけましたら幸いです。

スーパークリーク写真集もエイシンフラッシュ写真集も第2段がありそうですし、いずれはダスカや他のキャラも登場するのかなと期待しております。

また今回のコミケC100でTLに流れてくるツイートを見ていると、イトウさんに会えて良かった、女神のようだったという書き込みが散見され、イトウさんは本当に皆さんから愛されているのだなぁと感じました。

次のC101ではぜひお会いしたいと思います。日程的には問題なく仕事は休みになっておりますので、あとはチケット次第かと…(頼みますよ運営さん)

いつもありがとうございます。
引き続きよろしくお願いいたします。

えーすぎ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?