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【COL】Trevor Story との別れまで【編成もMile High】

Trevor Story の新たな所属が Boston Red Sox に決まったそうです。

2020年までの数年来は、間違いなく現役最高のショートストップでした。これは指標上からも揺るぎのない事実です。

彼のプレーを何年も観られた事に感謝し、新天地での活躍を心から願いたいと思います🤲

さて、フランチャイズプレイヤーとの長期契約が珍しくない昨今、なぜ彼と別れる事になったのか。QA方式で遡ってみます。

この時系列を抑えることで、今オフの補強を読み解き、その評価を下し、新しい Rockies を解釈して参ろうと思います。

◾️何故 Trevor Story と別れたのか

答えは単純で、既に何度も延長の打診をしているも断られているからです。QOを提示し、拒否された後、ロックアウト前も後も、少なくとも一度ずつ声を掛けたという報道が確認できます。

◾️何故 Trevor Story は延長を断るのか

結論としては、彼の心は既に Rockies には無かったからです。

ここで重要なのは、Rockies は決してお金の無いチームではなく、現に一部報道では Red Sox と同等の条件を提示したとも言われています。

では何故、現所属だった Rockies は相手にされなかったのか。それはあの Nolan Arenado 放出時に放たれた彼の言葉が全てです。


I’m sad and a little frustrated to be honest. 


そしてTDLで放出されなかった時には "Confused" と発言するなど、既にチームに留まるつもりは有りませんでした。

◾️何故 Nolan Arenado を放出する事になったのか

これには様々な因果が複雑に絡み合いますが、端的に言うと「Arenado と長期契約したにも関わらず、勝つ気があると思えない編成状態に陥ったから」です。

まず、Arenado とは2019年2月に長期契約を結びます。Opt-out やトレード拒否などを盛り込んで居たものの、最大8年という球団の本気度を窺わせる内容でした。

次に、この契約が、チームが2018年にナ・リーグ西最高勝率を記録した直後だっただけに、来年もコンテンドすると誰もが予想しましたし、Arenado 本人もそのつもりだったようです。

しかし2019年に4位へ転落した事をキッカケに、暗雲が立ち込めます。

前年からの流れを考えれば、そのオフは挽回する為にFA獲得やトレードに躍起になるべきだったでしょう。しかし、チームは Arenado の長期契約の他に、いくつかの重い契約を抱えていた事などが災いし、殆ど補強出来ずにオフを終えてしまうのです。

また、Arenadoはシーズン終盤からチームを "feels like a rebuild" と評すなど不満を露わにし、ついに 2020年1月20日、Rockies 史に残るあの発言が飛び出します。


There’s a lot of disrespect.


この発言がリークではなくインタビュー方式だったという点に、その異常性が現れています。

主に当時のGMへの不満だった事もあり、球団は直ぐにGMに対応を要請。

開幕前には公式に蟠りは無いと発表出来るレベルに回復しましたが、チームは2020年も4位に。

ウイルス社会の影響で収入が激減した事もあって、オフには Arenado の放出を決断。なお、拗れる原因となったGMも、Anenado 放出後に契約を解除されています。

この顛末こそ、推移を近くで見ていた Trevor Story の発言と去就に繋がったというわけです。チームへの思いが消え失せるに十分な出来事だったと言えるでしょう。

◾️他の重い契約とその原因は

はい、説明するのもはばかられるレベルなので、まずは一枚の絵で見て頂きましょう。

見事な失敗です。合成ではありません。

補足すると、2017-19当時はFBRとそのメタであるCutter(スラッター)流行の円熟期にあり、打者は三振を恐れずバレルを狙い、投手は奪三振の確率を高める事が大前提にありました。

その為、それぞれ以下のような狙いで獲得してきたのですが、全てが失敗に終わります。

D.Murphy...FBRの伝道者の1人と言われるベテランバットマンで Bounce Back 狙い。
W.Davis...スラッターの始祖とも言われるリリーフで、クローザーとして補強。この契約でリリーフのAAVを更新。
J.McGee...左腕離れした球威で高い奪三振率を誇る。準クローザー級の補強。
B.Shaw...5年連続70試合登板というタフネス差を買われ、ファイアマンとして補強。
I.Desnond...人格とUT性に定評があり、.8に届かないOPSもCroosなら盛れると考えての野手補強。

また投手にフォーカスすると、本拠地が Coors Field という超超超打高球場である事から、投手はあえて移籍先に選ぶ必要がありません。従って、Rockies としても、相場に対して割高な条件を提示しなければ見向きもされない、という状態にありました。

要するに、山の上からコンテンドすべく一生懸命トレンドに乗ろうとした結果、割高で身の丈に合わない補強を重ねてしまった。その結果が回り回って Nolan Arenado と Trevor Story という至宝2人と袂を分かつ原因になったと総括出来ます。

※ちなみに18年オフに DJ LeMahieu も FA で放出しています。彼らと同じくらい Favorite な選手ですが、最後の二年を考えると、インパクトは一段下回ると考えます。

◾️この結果から何を学べるのか

沢山ありますが、Pickup すると以下の通りです。

①投手、特にリリーフにお金を掛けない
②投手は自前を基本とし三振よりゴロ率を重視
③上記②のような自軍に相応しいデータを活用
④選手にリスペクトを持ち長期契約は慎重に

この辺りは今オフの補強を含めた人事の Hot Topics の為、次回のnoteにて触れて参ります。

Trevor Story 放出を以て、晴れて新たな出発を切った Rockies はどのような編成を進めているのか。

それでは次回をお楽しみに👋⛰️

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