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波打ち際に

波と音が打ち寄せ沖へと引いていく。

ターミナルケア。終末期医療。
小さくなっていく波。

ターミナルを調べると、「路線の終着駅や発着するところ」
「電子回路の入出力」「物が集まり貯められ運ばれる拠点」とも。

小さな白い巻き貝を親指の腹で擦ってざりっと固い。重さは感じず乾いてる。留守になった殻。
軽く握ると、こぶしの中があたたかい。

おみとりは見守ること、見届けること。終着へ…出発を…どちらでもあるのなら。そこへと向かう背中を見送ることもできれば、迎え入れることもできるんじゃないか、な。辿り着こうとするその姿を。

巻き貝は九割が右巻きなんだって。右巻きというと…あっちか。
貝の中に入っていったら、進んでやがて行き止まり。けれど螺旋の動きは引き続き、どこかで巡っていくのかも。

いってらっしゃい、であり
おかえり、なのだと考える。目の縁が少し潤った。

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