Autumn Leaves
なんだかべたべたに女子っぽい事をしたくってランチをパンケーキにしよう!っておもってネットでしらべたらいけそうな距離にいいかんじのカフェがあって繰り出してみた。
ちょっとまよって店の前まで行ったら看板がひっこんでる。
残念、なんか休みみたい。
しょうがなしに引き返す道にあったモスカフェにはいってやっぱり定番のモスバーガーとポテトのセットでお昼。
いまごろ彼はお昼も食べ終わってちょっとお昼寝をしてまた脳みそフル回転させる仕事にむかっているのかなーなんて考えながら揚げたてのポテトに手を伸ばす。
隣の席に座ったおじさんがホットコーヒーを飲むたびにズズズーっという音を立て、飲み終わりにプハァーと勢いよく息を吐き出すことを繰り返すのが嫌だったけど席を移動するのもめんどくさくてそそくさと食べ終わった私は読みかけのよしもとばななに集中することにした。
まだ数十ページを読み終えたばかりだけどページをめくっていくといつの間にか主人公のみかげは田辺家をでていて、そしてえり子さんは殺されていた。
なんというジェットコースターなストーリーだ、とかおもいながら、淡々と読み進めていけるのはよしもとばななの文章のリズムがそうさせるんだろうななんて思った。
雄一が泣いたところは人目がきになりつつ目がうるんだ。
こっそりおしぼりで拭いたからセーフ。
気が付くといい時間になっていたからあわてて店じまいをしてお店を出たら、思った以上に肌寒くて秋を通り越して冬の気配がして嫌な気分になった。
寒いのも嫌い、さびしいのも嫌い。
だからこの時期は好きじゃない。
そんな話をこの前したら思いがけず「今年はさびしくはないでしょ?」と彼がいったから、私はなんのことか一瞬わからなくて「へ?」って言ってしまったんだけど。すぐに何を意味しているかわかって照れ臭かったんだった。
さっき本を閉じる瞬間のみかげの気持ちとダブらせて妙にセンチメンタルな気分に勝手になってしまった。
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