学問としての建築

建築学とは何か。

様々な学問を越境して思考される。
工学。芸術。人文学。文化人類学。哲学。生態学…

最後は、かたちを提示する。
かたちによる様々なはたらきを期待する。

学問としての建築とは何か今一度考える。
一つの問いにあたる。

建築学において、解決すべき最大の難問とは。

数学には、いまだに解けぬ問題がある。
物理学には、未観測の事象の中に問題がある。
生物学には、生命の起源を探る問題がある。
理系的な学問には、主題とも言える最大の問題を解くための小さな進歩が日々繰り返される。
文系的な学問にも未解決問題がある。
哲学において、内的志向についての問題がある。
言語学において、文や語の普遍的な定義についての問題がある。

建築学において、解決すべき問題とはなんだろう。
一つは、ある特定の社会問題に対するものかもしれない。
一つは、社会情勢的に生み出された問題に対するものなのかもしれない。
しかし、どれも即物的な問題であり、結果論的解決が行われている。

建築学において、解決すべき問題がないことこそ問題である。

建築学とは、技術のデータベース的な学問でしかなく、今後もしくは現在既に形態論を超える方へシフトチェンジしていくだろう。
建築という学問の限界なのか。
建築は芸術のような立ち位置を取るのか。

いずれにせよ、専門家と一般人の知識量の断層は大きく乖離してゆく。

むしろ、現在、そして未来でも、建築が人の社会の基盤になっているのであれば、建築は社会の仕組みそのものを思索する学問であり、形態論や技術論的評価は、より下層の段階での専門分野であるように感じる。

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