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"学会員"インタビュー㉖ななみんさん

天海春香学会Vol.2出版記念企画として、「学会員」のみなさんへインタビューを行うシリーズ企画。

第26回は、ななみんさんへのインタビューをお届けいたします。

文:スタントン

―――

私の中の天海春香

――宜しくお願いいたします。

ななみん:
はい!よろしくお願いします!

――Vol.1出版時のインタビューにて、春香Pになられたきっかけをお伺いしました。ずばり、ななみんさんの考える天海春香の魅力はなんでしょうか。

ななみん:
春香の魅力いっぱいあるんですけど、vol.2を読んで「変わり続けることを許容していける存在」であることが魅力のひとつかなと思いました。

コンテンツが長く続いていく過程で芯の部分は変わらないけれど、ちょっとずつ変わってしまった部分って、春香に限らずですけど、あると思うんですよね。年齢もそうだし、大きな改変はないけれど見た目がどんどんアップデートされていってて、性格も、繪里子さんの演技も、歌い方も、アイマスでの立ち位置とかも…。それに対して「変わっちゃったな」って悲しくなったり、「変わるなー!」って怒ったり、「でもやっぱかわいいな」って愛おしくなったり、そういう変わっていくことに生身の人間的なところを感じるというか(いや、天海春香は生身の人間なんですけど)、自分の信じてる自分の中にいる天海春香さえ変わらなければ、公式が変わっていくことを許してしまえるところがあるから、今も春香のことが好きなんだと思います。

――ありがとうございます。変わるもの/変わらないもの というのはMA4のドラマパートでもありましたし、いま一番興味深い視点だと思います。「自分の信じてる自分の中の天海春香」という言葉が出ましたが、「ななみんさんの信じている天海春香」はどんな天海春香でしょうか。

ななみん:
え~!言語化難しい……。私の中にいる私が信じてる天海春香は「自分の隣で泣いて笑って怒って照れて時々呆れてる天海春香さん」なんですよね。あくまで私と春香は一対一で二人三脚で、気が付いたら家族よりも多くの時間を共有してる存在っていうか。春香は一人の人間で、私の前で見せてる春香のことを私は知っているけれど、春香が私以外の人の前でしか見せない春香のことを私は知らない。っていうのかな?う~ん?

人それぞれ「アイマス歴」的なの違うじゃないですか。すごくずるい捉え方になるんですが、私はライブ・フォー・ユーとシャイニーフェスタとプラチナスターズ(それと春香のガチャしか回してないミリシタ)をプレイしてなくて、尚且つやったことあるものの中でもコミュとかメールの取りこぼしとか……それを「春香が私以外の人の前でしか見せない春香のこと」だとすると、熱心にやったSPとかよく見返す無印のコミュとかが「私の前で見せてる春香のこと」って都合よく思ってます。なので私、春香に関しては「私が見た春香」しか描けないんですよね……。いや客席から見たアイドルの天海春香さんとか描けるけれど描くのすごい苦しい~~って感じです。
vol.2の中でいうと、もやこさんの春香が水中に沈んでいく絵と白黒Pさんのステージを駆ける春香の絵が自分には描けない世界観があって素敵だなと思いました。

春夏秋冬×喜怒哀楽

――続いて、表紙イラストと学会誌内のイラストについてお伺いいたします。まずは表紙イラストについてです。vol.1と同様に大変好評な表紙の天海春香ですが、どのようなコンセプトで描かれたのでしょうか。

ななみん:
今回の表紙もたくさんの人に褒められて嬉しいです。イラストってほんとに一瞬で消費されてしまうものだから、表紙やポストカードとしてじっくり見てもらえて、言葉を尽くした感想を頂けるのは救われる思いです。
運営お二人の対談インタビューでもおっしゃってた通り、天海春香学会がvol.4まで続くのを想定してコンセプトを考えてて……。ありきたりではあるんですけど「春夏秋冬」と「喜怒哀楽」が基本というか、土台にあります。vol.1が「春」で「喜」、vol.2が「夏」で「怒」。それと、その「季節」・「感情」ふたつの要素+「春香との関係性の変化」を盛り込みたいな〜と意識しながら描きました。
春が「はじめまして」なら、夏は相手を「知りたい」って思えるくらい関係が発展してるように見えてたらいいなって。

ななみん:
なので距離感もグッと近く感じる構図にしたんですけど、ちょっと失敗しました。表紙描き始めた頃こんなに分厚い本になっちゃうなんて思わないじゃないですか?!こんなに厚くなるならもう少し引きの構図にしたら良かった…。献本届いて一番最初に思ったの「圧力がすごい」だったので(笑)。


――Vol.1の表紙の春香さんは、無印の私服を着ていました。夏のコンセプトのなかでも色々選択肢があったかと思いますが、今回の表紙の衣装についてはどのように選ばれたのですか。

ななみん:
夏だし、次に続く秋・冬には描かないであろう「白ワンピ」がいいな~とは思ってました。衣装の候補は、ピュアワンピ(ミリシタ)・Shiny SmileのCDのワンピ・CHANGE!!!!のCDのワンピの3つ。でも私、春香の衣装決めるのすごく苦手で(だってどれ着ても可愛いし)。最終的にTwitterの方で「表紙絵の服の参考にしたい」ってアンケートをとったら「Shiny SmileのCDのワンピ」に決まったのでそれにしちゃいました。

ななみん:
個人的にすごく思い入れが強い曲のジャケットの衣装でもあるので、私一人で悩んでてもたぶんこれにしてたと思います。ただ、私だけで決めてたら「なんかいつも1stビジョンの春香ばかり描いてるな」って後ろめたさがあって思い切って描けなかったかも。でも、本当にこの衣装描けて良かったです。春香の右手に力が入って、体にぐっと食い込むときのワンピースの生地の薄さというかなめらかな質感がかけて満足しています。

――衣装の質感がいいですし、光の加減や表情と相まって魅力的な表紙にしていただいたと思います。

ななみん:
春香にかかる陰影の表現もすごいこだわったポイントなので注目してもらえて嬉しいです!!

手の構図

――続いて、イラストの部の参加作品についてもお伺いいたします。そちらについてはどのような意図で作られたのでしょうか。

ななみん:
寄稿させていただいたモノクロのイラストは表紙とは逆に衣装から決めました。「今回も水着にしちゃお!」って。そこで水着の春香が出てくるコミュを見返して「あっ!」と思ったのが無印の「8月の仕事」のバッドコミュニケーション!!!!
水着姿の春香を見てヤバいこと言ったプロデューサーさんに対してドン引きするコミュなんですけど、そんな表情でさえ、はぁ……好き……。普段描かないようなコミカルな印象の春香を描けてすごく楽しかったです。

――表紙と挿絵、どちらでも、あるいは両方でも結構なのですが、イラストを描くにあたって意識したことや難しかったことは何かありますか。

ななみん:
意識したこと…う〜〜ん。……あ!「手」ですかね?!
バストアップ(胸から上を画面に収める)構図を描く時は画面内に手や手に何かを持たせる事で情報を増やしてます。今まで描いてきた春香の絵ほとんどそうだと思うんですけど……。春香って髪が長いわけじゃないから顔以外に視線が集まりづらいんですよね(美希とか貴音だとウェーブした長い髪をフワっと描くだけで画面がゴージャスになるし、千早とか響だとサラッとした長い髪が風になびく構図とか映えて…)。絵って見どころ(視線が集まるところ)がメイン(顔とか)以外に2.3箇所あった方がいいので……。私、構図とか線画とか彩色に技術があるタイプの絵描きではないからそういう小手先の…絵の中に情報を増やしてなんかいい感じになるようになったらいいなぁと思って描いてます。表紙も中のモノクロイラストもそんな感じです(笑)。

名称未設定のデザイン

自分の中の天海春香

――続いて、学会誌の他作品についてお伺いいたします。イラスト・文章で気になった作品や面白かった作品を教えてください。

ななみん:
イラストの部はさっきもとりあげた通り、白黒Pさんのステージを駆ける春香さんともやこさんの海に沈んでゆく春香さん、それとミワのいぢさんの春香さんがとっても好きです。

白黒Pさんの「ステージ上のアイドルの天海春香」ってある意味描き尽くされていると思うんですけど、こちらに笑いかけてる表情とか小指のリボンの先を想像すると「良い……」ってなっちゃう。あと、画に力がちゃんとあって好きです。

もやこさんの海に沈んでゆく春香さん、ご本人にも感想お伝えしたんですがモチーフの散りばめられ方とか繊細な描き方とか構図とか自分には描けない要素が沢山あって素敵だなぁと思ってます。

ななみん:
ミワのいぢさんの春香さん。動画も見せていただいたのですが、ミワさんが描かれてる春香って美しくて可愛くて生きてて本当に好きです。それに加えてミワさんが込めてる「春香への愛」がグワァーっとめちゃくちゃ大きくて、春香の絵がTwitterにupされるたび「うわヤバ……」ってなってます。紙媒体になって「やっぱヤバ……」になりました。春香のどんな瞬間も愛おしくなる素敵なイラストで胸がいっぱいですありがとうございます。

イラストの部、全てに共通してるんですけど描かれてる皆さんの中に「自分の天海春香」がいるんだなって感じ取れるのが最高でした。嬉しい。

情緒や生活をぶっ壊す

ななみん:
文章の部なんですけど、まず順序が素晴らしいなと思いました。運営さんの粋な計らいの連続で、これを読んだ後だからこれの意味が深まるとか文章として対になっていたりとか、「読ませるための工夫」があって天海春香学会という本の構成として何度も「最高」ってなりました。

構成って意味では最初の文章にとらきちPさんの「芸術家専属契約書」が「天海春香のアイドルの本当のはじまり」って感じをさせてほんとにもう、ため息出ちゃいました。
そのあとの「ハルカニウム」→「パネ春香さん(等身大POPパネルの天海春香さん)との生活」のトンチキ理論文章が並んでたのとか、なかやまPさんの「本棚に並ぶ書籍についての考察」からの優駿さんの「春香の夢」のお話、らぁーたPさんの「私にとっての天海春香」の後のみねこが書いた「春香ちゃんを降りた日」、そして最後、フブキPさんの「理想を瓶詰め」。これらの文章の間にも素敵な文章はありましたが、文章そのものの力だけじゃなくて本としての構成でより魅力的に感じた気がします。

私、vol.2のサンプルは出されているものをすべて拝見して、献本がきてからはまず好きな順で何作か読んでるんですよね。サンプルで好きだったから、丸々読んだって最高じゃないですか。でも天海春香学会vol.2として通して読んでみるとそれをさらに超えてきて……。全部読むと天海春香への愛がさらに深まるといいますか、深まりすぎて息できなくなって具合悪くなっちゃうぐらいなんですけど、「読んだ人の情緒や生活をぶっ壊す」のは本当に同人誌として最高だなと思いました。

ななみん:
文章全体の構成以外の細かい感想もあげていきますね。
みねこの「春香ちゃんを降りた日」。
本人にも伝えましたけどまず文章の質が最高。みんなこのお話好きって言ってますけどきっと私の方がこのお話好きです。力さえあればこのお話を漫画に描き起こしたいぐらい好きです。
お話の中に出てくる「わたし」が春香ちゃんを推してた中2の夏~高2の冬って人生においてたぶん好きとか嫌いをめちゃくちゃ左右するじゃないですか(私は絶対そうです)。彼女にはその基礎に天海春香がいて、ふと見上げた先に推してた頃よりちょっと大人になった天海春香がいて、「わたし」が今までの自分と今の自分とこれからの自分に思いを馳せて……。天海春香に出会ってからの人生のことをぐるぐる考えちゃって脳が休まらず、はじめて全文読んだ日はリアルに体調を崩しました。その節はお世話になりました。本当にありがとうございます。

ななみん:
ゆきますくPさんの「「ゆめ」の続きの話をしよう」
たぶんあまりいい感想じゃないんですけど、いい感想をもたなかったのゆきますくPさんのお話だけなので逆にレアだな~と思って書きます。
「春香ちゃんを降りた日」の「わたし」がvol.2内のSSの中で好きになれそうな人間なら「「ゆめ」の続きの話をしよう」の「俺」は対極の位置、「好きになれない人間」だな~と思いました。彼が話しはじめた瞬間からいやな予感みたいなのがあって、ため息つきながら、何度も挫折しながら、すごい時間かかって最後まで読んだんですけど……最後まで読んで確信に変わりました。私、「無印のプロデューサーさん」に対する嫌悪感と限りなく近い感情を「俺」に抱いてるなって。春香と彼の間にプロデューサーさんとはまた違った関係性があるにしろ、彼の言動とか春香との距離感とかがあまり心地よくなくて「なんかやだ」って気持ちがまとわりつくお話でした。この感想読んでいやな気持になったらごめんなさい。でも文章として気持ち悪いというところではないです。
私は絵描きなので、まず文章をたくさん書ける人は尊敬してるし話の構成もドラマチックだし、挿絵描きたくなるような美しい場面もあったりして良いところはたくさんあるんですけど、「俺」が「なんかやだ」って思いました。

ななみん:
フブキPさんの「理想を瓶詰め」

信頼と実績のフブキさん!フブキさんの書かれるお話が天海春香学会vol2で読めて幸せです。春香のお話に限らず、フブキさんの書かれる文章(お話も考察的なツイートも)すべてキャラクターへの理解の深度が桁違いなんですよね……。今回のお話も天海春香をまっすぐに好きであれば好きであるほど刺さるな~と、個人的には思いました。
お話の冒頭で「春香は最初からこういう子ではなかったよな」ってアイドルマスターというコンテンツのうねりの内側(いや外側?)にいる人間が絶対思うことを物語で使ってきて怖いなって思いました。「理想を瓶詰め」ってタイトルとサンプルを見たときは瓶の中身はすごくキラキラしていて春香本来の自然体的な美しいもののように感じていたのに「春香は最初から~」という投げかけで人間の欲とか金とか汚いものがどろりと溶けた瓶の中身を誤魔化すためにいろんな色でぐちゃぐちゃにして無理やりラメとか宝石入れてギラギラにしたよ!みたいな印象に塗り替えられて、でも読む手は止まらない、怖いから知りたいって最後まで読んだお話でした。
作中に出てくる女性Pはなんかもう春香を預けるに値する人間というか好感度めちゃ高いです。お話の中の情景も美しくて、まぁ天海春香さんがいる世界はいつだって美しいんですけど……私の画力がフブキさんの文章の力に釣り合うかどうかわかりませんが挿絵描きたいな~!と思ったシーンがたくさんあって絵を描く人として読んでて楽しかったです。


ななみん:
そにっぴーさんの「天海春香の運命論」
表紙のサブタイトルに決めたヤツ!って真っ先に読んだ文章です。私、通ってきた学問的に論文的なものって全然なじみがなくて……それでもするする読めました。私も「運命の出会いを信じてる?」って言葉と「無印のTrue End」に狂ってる人間なので、運命論の哲学という視点から首をぎちぎち絞められるのが気持ちよかったです。公式のシナリオだからこんなに心かき乱されるんだなぁってメタ的な側面から少し剝がされて「運命だからこんなに春香のことで狂ってるんだ!」って別の意味で運命の大波の中により一層引き込まれたように思います。

ななみん:
そうPさんの「天海春香と昭和アイドルの親和性」・スタントンさんの「765プロに入るまでの空白期間」
「天海春香さんの顔が好き」なお二人がそろって実在するアイドルをなぞらえて天海春香さんのことを書かれているの、フフフってなりました。
そしてお二人とも文章がとても上手で読みやすい~!私は実在性が増す考察が大好きなのでそうPさんが書かれてた「太陽のジェラシー松田聖子オマージュ説」とかスタントンさんが書かれてた「モーニング娘。の活動遍歴と天海春香のシナリオから想定されること」とか最高~~~~ってなりながら読みました。

ななみん:
とらきちPさんの「芸術家専属契約書」
このページだけコピーしてホチキスでとめて割り印押して住所とか保護者欄とか春香の名前がボールペンで手書きされたもの欲しい~~~~!!!!ってめちゃめちゃ思いました。
実在性の高い「書類」がこの世に爆誕したことに感謝してもしきれないです。とらきちPさんの意図からはかけ離れているかもしれませんが私はこの文章を読むとアドレナリン的なものがドバドバ出てとても元気になれます。

ななみん:
じんさんの「ハルカニウム」
やっぱり天海春香は地球上のすべてに影響を与える存在なんだ……と勉強になりました。「そういうことです」って言っちゃったり太字で力業な解釈をさせたりと読むのが楽しかったです。「天海春香学会」と名のついてるこの本の中で科学的な側面っぽいところからそれっぽい文章があるの、「学会誌っぽい!」ってわくわくしました。

ななみん:
なかやまPさんの「天海春香の部屋の本棚に並ぶ書籍に関する考察」
みんな一度は調べようと思って挫折した考察じゃないですか?本当にありがたい~!という気持ちでいっぱいです。私進学校にいたことないし高校生のときは絵しか描いてないので感覚がわからないんですけど、この考察を読んで思ったのは、春香ってあんなアイドルのお仕事バリバリ頑張って勉強もしっかりしないといけないの大変じゃないですか?ってこと……。頑張りすぎないでねって心配する親のような気持ちになっちゃいました。心から親の気持ちにさせてくれる考察、本当に書いてくれてありがとうございます。

ななみん:
以上が文章の部の感想の選抜です。最初、全部に感想をつけてたんですけど、後から読んだらなんか、恥ずかしくなっちゃって……へへへ。いくつかの文章だけに絞ってお伝えさせていただきました~。スタントンさんかな?誰かのインタビューで「イラスト描く側じゃないからイラストを見ても”いいな”って感想しかできない」的なことをいってたじゃないですか。私も似たような感じで、イラストの感想は自分の気持ちに近い言葉がするする出てくるんですけど、文章読んだら「いいな」って感想がまずあってなかなか具体的な言葉にしづらいんですよね。PDFにマーカー引いて横にイラスト添えたり勝手に挿絵かいて「ここの情景が素晴らしかったです」って伝える方が多分言葉よりも私の表現方法として正確で鮮やかだったな~と思ったりもします。でもそんな手法で感想を描いてたら時間が足りないので……今回はいくつかの文章だけに絞って気持ちを伝えるための齟齬がなるべくないように感想を書かせていただきました~。

――ありがとうございます。大変詳細なご感想をいただけたので、主催として大変嬉しいです。

楽しい読み物

――天海春香学会Vol.2について、他に言いたいことや伝えたいことは何かありますか。

ななみん:
つ、伝えたいこと……?!なんだろ~……今後のこうなったらいいなぁって願望が入ったお話になっちゃいますけど……。

天海春香学会vol.2は前回以上に多種多様な形式でいろんな側面からのアプローチがあって楽しい読み物だなぁと思いました。春香の「普通」についての考察とか、春香と他アイドルとの関係性とかvol.1と似たようなテーマもありましたがそれもまたいいなというか、毎回誰かが代わる代わる取り上げ続けてくれたら嬉しいなと思います。春香についての普遍的なテーマって何度読んでも新鮮で面白いので……。
春香と長い時間過ごしてきた人と最近春香を知った人、入り混じって寄稿されているので同じテーマで書いてもらって比較するのも楽しそうだな~と思ったり。文章に関しては読み専なのでそんな風に思います。あと先日のキャスでもご意見しましたけど、SSに挿絵つけたい~~1枚と言わず2枚でも3枚でも。

SSに挿絵!

――次回のお話をお伺いいたします。Vol.3が決定したとして、どのような作品を作りたいですか。

ななみん:
それはもう、絶対、SSに挿絵!実は結託する方、既に決まってまして……はぁ、早く読んで描きたい!!!!
前回・前々回同様水着春香さんでもいいんですけどね、代わり映えしないのもどうかな〜と描き手としては思っちゃったりもしたので、結託しないにしてもコンセプトを変えて春香を描くと思います。
あ、結託する方って1人まで(1枚まで)ですか?私、SSに挿絵とかキービジュアルっぽいものなら無限に描ける気がします!

――ありがとうございます。結託方式は楽しそうですね。色々考えて、レギュレーションを決められるようにしたいです。

ななみん:
やった~!!!!挿絵、1ページにどんと描くのもいいですけど下半分のスペースに載るぐらいのサイズとか扉絵として描くとか、無限の可能性があるので実現してほしいなぁと思います。結託も気軽にできたらな……相互フォローとか関係なく。レギュレーション決めるの大変そうですがよろしくお願いします!

爪を研ぎ続ける

――ここまでのインタビューで、何か伝えきれなかったこと、言いたいことは何かありますか。

ななみん:
今回このインタビュー受けるにあたってvol.2読み返しましたけど、天海春香に情緒めちゃくちゃにされてる人が前回よりたくさん集まってくれてうれしいなって純粋にそう思いました。その代わりかなり分厚く、頒布価格も赤字になってしまって運営のお二人には査読も含めてすごい負担になっちゃったんじゃないかな……。なんかしてあげたいんですけど、私にできることと言ったら天海春香学会vol.3が始動したときにより良い絵を描けるように爪を研ぎ続けるぐらい(そしてはるみきと「笑って!」の春香を描くぐらい)なので頑張ろうと思います!そして、より多くの人に私の研いだ爪が突き刺さって天海春香に情緒めちゃくちゃにされる呪いを流し込めたらいいですね!

――ありがとうございます。情緒めちゃくちゃにされる呪い、楽しみにしています。Vol.3が始動したときのお話が出ましたが、次回はどのような作品や表紙にしようとお考えでしょうか。

ななみん:
次回は表紙は「秋」で「哀」なので、なんかもう少し春香の内側に踏み込んだ絵にしたいな~と思うんですけど、描いてみないとなかなか難しいかなって思います。表紙に関しては本当にたくさん描いてたくさんボツがある中から決めていくので……さっきの「爪を研ぐ」発言と真逆なんですけど、その時の自分がちゃんと描けるか不安ではあります。
挿絵を描かないでモノクロイラストだけ参加するとしたら、vol.1・2と水着の春香さんを描いてきたのでもう水着を貫き通そうと思います!水着春香さんは何枚描いても健康にいいので。

愛そのもの

――Vol.1のインタビューにて、「あなたにとって天海春香とは」という質問に、「呪い」とお答えいただきました。それでは、「呪い」以外の言葉でお答えください。

あなたにとって、天海春香とは。

ななみん:
「呪い」とは違う……。え?!あんなに悩んで出した答え以外に何があるんですかね?!えぇ〜?う〜〜〜〜ん。

「愛そのもの」じゃないですか?ありきたりだけど……。

「THE愛」の歌詞にも出てきますけど「愛って、なんだろう?」って思いませんか?
私もずっと分かんなくて……。歌詞とかセリフとかで使われると???ってなりながら過ごしてて。(それとは別にオタクとしてデカい感情昂ったときに「春香ー!愛してるよー!!!!」とは使う)
最近やっと私なりの答えが出たんですけど、好きだからとか結婚した責任とか産んだ責任とかそういう次元とはまた違ったとこにポーンと浮かんでるんですよね「愛」って概念が。でも、そこに私の天海春香がいます。
「愛してる」んじゃなくて「愛」なんですよ!天海春香が!私にとって!長い時間をかけて今やっと言葉になりましたけども。

私にとって春香は「愛そのもの」だから「呪い」であっても苦しくないのかも。呪われ続ける人生って苦しいだけだから。

「呪い」が天海春香に縛るための鎖だとしたら、天海春香への「愛」で燃え続けてる……の、かな。じゃあ私自身が燃えカスの灰になる日もいつか来るわけで……。いつになるかは分かんないけれど、天海春香で燃え尽きた灰(私)を海に撒いてくれるのは天海春香学会員のみなさんだと思っております。私が死んだら葬式に来てね。よろしくお願いします!

―――

天海春香について、作品について、じっくりと語っていただいたインタビューでした。

天海春香学会Vol.2の増刷が決定いたしました。
5月に頒布いたしますので、お待ちいただけますと幸いです。




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