飛び出し

のどかな田舎道をスイスイと運転していると、突然、大きなRV、あれはランクルだったかCV-8だったか、とにかくデカい車がニュルッと右側から出てきた。
びっくりした俺は急ブレーキをかけ、且つ、クラクションを鳴らし、且つ、ハンドルを左に切りなるべく距離と時間を稼ぎ、且つ、左の縁石ギリギリのところ且つ相手も気が付きブレーキを掛けスピードが落ちたのを確認且つややハンドルを左に戻し縁石との接触を避けた。
ボールが止まって見える、とはこういうことか、と場違いなことを思った。
ギロリと睨みつけると相手は女だった。
反省しているのか気まずいのか慎重になりすぎているのか、俺との車間距離がみるみるうちに広がっていった。

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