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「デリバリースーサイド2」〜作者の記録(5)黒木&伊田編〜

開幕まで数日と迫った「デリバリースーサイド2」について、今回は各キャラクターの深い掘り下げと、演じてくださるキャストさんに迫って記述してみる。

今回は主人公、DSのオーナー黒木四葉と助手の伊田正宗について。

キャスト紹介 →インタビュー映像&文章もぜひ

キャスト写真 →渡邊圭氏(モノガタリ)撮影のブロマイド

▶︎黒木四葉(くろきよつば):主人公。デリバリースーサイドの経営者。 慇懃無礼、傍若無人。独自の哲学を持ち、 数々の批判を浴びつつも 自殺事後処理業を生業としている。

▶︎作者のイメージ:気怠げで毒舌で浮世離れした傍若無人な長身美形。一見冷酷な印象だが、実は隠れた気配り屋で、鋭い観察眼を持つ。

▶︎キャスト:五十嵐啓輔さん(和奏AGENCY)について

五十嵐さんの第一印象は、お顔の表情からも柔らかくにこやかなイメージ。

いくつか出演舞台を拝見し、その役柄からも「女性的な柔和さのある、綺麗な男性」というイメージを抱いていた。
スマートで少々デリケートそうで、傲慢さとは程遠い感じの好青年という感じ。

対して黒木というキャラは、ふてぶてしくて誰に何と思われようと構わない、ツラの皮の厚い人物として描いていた。
元々そうなのか、過去に色々あって鎧をまとったのか。小難しいことを言って人を煙に巻いたり、歯に絹着せぬ毒舌を、相手が誰だろうと放り投げる、およそ「デリケート」とは言えない感じ。
しかし実は思慮深く、究極的に照れ屋なので、その思慮深さを他人に悟られたくないところもあり。

五十嵐さんは長身&美形というキャライメージにぴったりだったものの、ちょっと優しい感じの黒木になるかもしれないなと思っていた。

しかしながら、さすがは経験豊富な俳優さん。
気怠さに加えてセクシーさまでも表現され、この人物に常にある「陰影」もいい感じに表してくださっている。黒木という人物に違う魅力が付加されていて、原作者としては本当に嬉しく思う。

台本に関する細かい疑問の追及・解消法には、作者にとっても目を開かれるし、新しい視点を与えてくださる。

ご本人はインタビュー動画で「人の上に立つのが苦手」と仰っているけれど、周りのキャスト、スタッフに慕われ信頼されている座長さんです。

ブロマイドの撮影では、多数の魅力的なテイクから数点を選ぶのに非常に迷いました。会場でとくとご覧ください。

▶︎伊田正宗(いだまさむね):黒木の助手としてDSに従事。 明朗快活、一生懸命。 黒木のアクのきつさを緩和しつつ、 彼の真意には共感している。

▶︎作者のイメージ:彼の言動を見ていると、「普通の明るさ」「軽やかさ」に安心する。人に優しく情に厚いけれど、黒木の小難しい論はよく分からない、故に彼の代弁者・通訳者になってくれる。細かいところに気がつく働き者。

▶︎キャスト:中三川雄介さん(レティクル東京座)について

ご本人曰く「陰と陽でいうと隠のタイプを演じることが多かったので、珍しいタイプの役で楽しみ」だそう。お写真の印象からはそう思えないが、陽気で元気なキャラは新鮮であるらしい。

表情が大変豊かで楽しそうで、ご自身が言うところの「陰性」な感じはせず、とても好感が持てるキャラになっている。

セリフも動きも多いのに、稽古が始まった当初からほとんど仕上がっているような安定感と、話の進行がスムーズに感じられる達者なお芝居に本当に感心していた。
劇場でもぜひご注目いただきたい。

ギャグ的なところでは、周りとの関係性でも、中三川さんだけを見ていても十分に笑っていただけると思う。

可愛らしい伊田正宗くんに、たくさん癒されてください。


【公演情報】※指定席は間もなく完売です。

第2回 a-fiction m&h theater
「デリバリースーサイド2」
【日程】2019年1月29日(火)〜2月3日(日)全10公演
【会場】八幡山ワーサルシアター
京王線八幡山駅より徒歩30秒

[Introduction]
自殺者が増加した某国
法改正により新たなビジネスが生まれた
自殺の後始末を本人から請け負う専門業者
その名もデリバリースーサイド 通称DS〜ディーエス〜
[Story]
「私は自殺してません」
依頼人の自殺者が残した奇妙な書き置き
「過労死だ、会社に殺された」と兄がDSに援助を求めるが…
「デリバリースーサイド」シリーズ第2弾

2017年秋に第1回を上演して好評を頂いた
ミステリー 「デリバリースーサイド」
DSの経営者黒木と助手の伊田、吾妻と吉良の刑事コンビも再登場
新たな出演者と共に、シリーズ第2弾をお届けします
演出・脚本協力 赤星ユウ (レティクル東京座)
原作・脚本 菅原愛 (a-fiction)
【出演】
五十嵐啓輔(和奏AGENCY)、 中三川雄介(レティクル東京座)、
田邊俊喜、山本沙和(レティクル東京座)、 兎美心(REVE INNOVATION)、長野耕士、 音羽美可子、大橋篤、
松山コウ(劇団C2)、ハズレKUJI(阪口拓嗣:ボクらの罪団)、
エスムラルダ、森友樹(和奏AGENCY)、
城田さおり、えみかん(8割世界)、卯木祐矢(劇団わたあめ工場)

チケットはこちら
http://mh-theater.a-fiction.com/ticketschedule/


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