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脱毛症とは?なんだ!BasisNo.2

脱毛症とは?なんだ!BasisNo.2

前回(BasisNo.1)では、「薄毛とはどう言うことを言うのか?」について書きました。

一言で言うと、「100本抜けて100本発毛してくる(生え替わってくる)けど、発毛してくる(生え替わってくる)毛が細くなっていき、成長期が短くなっていく症状。」でしたね。

今回のBaisisNo.2では、脱毛症とはどいうことを言うのか?をお知らせします。

これも一言で言うと「100本抜けて、その100本が発毛してこない(生え替わってこない)症状。」と言うことができます。

典型的な例が円形脱毛症やびまん性脱毛症と言われるものです。これらの脱毛症にはいくつか説があります。

一つは血流制限、一つは自己免疫疾患。今では自己免疫疾患の方が有力らしいですが、相談室でご相談を承っている限りでは、この2つの説が合わさっているように感じています。それをこれから説明します。

円形脱毛症にしてもびまん性脱毛症にしても、強いストレスがきっかけになることが多いです。

強いストレスを受けた時、人の体は交感神経が優位になり、そのストレスから逃れようにします。が、私たち現代人は仕事上や人間関係上ストレスから逃れられないことがほとんどなので、常に交感神経が優位に立ったままになっていることが多いです。

すると毛細血管が収縮して血流制限が起こり、その毛細血管から血流の供給を受けている毛根に栄養が行かなくなり、毛が抜けてしまい発毛しなくなる(生え替わってこなくなる)のです。

細い毛細血管が収縮した場合は、支配している毛根が少ないので小さい円形で抜けて、太目の血管が収縮した場合は、支配している毛根が多くなるので大きめの円形に抜けます。

また、頭皮全体の表面近くで毛細血管の収縮が起こると、全体にパラパラ抜けて発毛してこなくなる、びまん性脱毛症になります。

いずれも、ストレスが引き金になっているので、そのストレスが解消されて、毛細血管に血流が流れ始めると、元の毛が発毛してきて元のように戻ります。

最悪の場合は、全頭脱毛になることもあり(この場合は自己免疫疾患の可能性大)、ご自分にとってのストレスが何か?を見直して、普段の生活を考慮することが大切になります。

交感神経が優位になっているだろうと推測できるのは、円形脱毛症やびまん性脱毛症を発症している人は、体が冷えていたり眠れなかったりすることが多いからです。これらの方に温かいお風呂にゆっくり浸かってもらうと、「とても気持ちが良い」とおっしゃいますから。冷えて心身が緊張しているのではと推測できますね。

脱毛症の場合、最初のイラストの「1」の状態の毛が抜けますが、毛根には「1」の毛が育つ組織が残っています。だから、血流が回復すると「1」の毛として発毛してくるので、元のように戻るのです。

ところが、薄毛の場合は「1」の毛から「2」の毛へ、「3」の毛へ、「4」の毛へ、「5」の毛へと段々と細くなり、成長期が短くなっていき、「5」になった場合には毛根には「5」の毛に育つだけの組織しか残っていません。

だから「5」の毛になってしまった段階で血流を促進させて発毛させても「5」の毛しか発毛してこないのです。「3」であっても「4」であっても同じです。

「5」の毛が「1」の毛に戻るには、毛根周辺への自然な血流による頭皮の栄養状態が良くなって、生まれ替わる必要があるのです。だから、薄毛を治すには時間がかかるのです。

また、脱毛症の場合は「1」に育つ組織がそのまま残っていますから、元のように短期間(半年とか1年程度)で元のように戻りますが、薄毛のように「5」のような毛にまで進行している場合には、次には太さも成長期もゼロになっている場合があるので、元のように戻ることはないのです。

また、薄毛の場合に育毛剤の効果で何とかしようとし始めると、元々弱って血流が悪くなっていた頭皮ですから、育毛剤の効果に負けてしまいさらに血流悪化になってしまうこともあるのです。これが怖い。

このように、薄毛と脱毛症は違うのです。薄毛なのに発毛させる効果は、畑違いの効果になるので、さらに状態を悪化させることに繋がることが多いのですね。

2000年の頃から20年以上で約1億本以上も育毛剤の出荷があるのに、薄毛人口が減らず、女性や若い男性にまで広がっている理由の一つが、薄毛と脱毛症を同列に考えていることにあるのです。

男性型脱毛症・女性型脱毛症っていう言葉がおかしいと言う事です。言うなら男性型薄毛・女性型薄毛でしょう。

脱毛症は他にもあります。

●抗がん剤等の薬剤の副反応によるもの

●脂漏性湿疹・皮膚炎等の皮膚疾患によるもの

●火傷等の外傷によるもの

●細菌の侵入による細菌性のもの

いずれの脱毛症も、外傷によるものを除き、その原因が取り除かれると元のように戻ります。

次回は「皮脂」についてです。

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