祭儀執行




新月の興りか満月の忘れに 一番の肉が引き裂かれる予定だ それは若くても老いていてもいい 一番というのは血の濃さであり年月の重み 過ぎ去ったことの重みか失われることの重みだ 手を洗って出直してこい 供物の一滴にお前の汗を混ぜることは許されない 供物の一滴にお前の涙を落とすことも許されない 俺は出し抜かれて強打している 俺の心をお前の臓を 昨日一番だった俺の娘を抜いたお前の一番の息子の 喉を裂く役目が今日の俺に回ってきたこと 今宵は新月の興り満月の忘れ お前の不在に俺という存在が 全存在を掛けて首切りナイフを研ぎ上げてやる お前の息子を切り分けるのはもう俺ということでない お前の息子はもうお前というもののものでない あれは月の光 太陽の反射 夏の夜の呻き 乱心する避雷針 夢を告げる失神 共同幻想を誘う神聖なるローズマリー おい聞けよ海の涙よ 祭儀は予定通り執行される 注ぎ込まれる罪を悪を 塩に溶かして洗うがいい そら見ろよ空に浮かぶ鏡を お前の首筋にナイフ入れる俺の姿が お前の目にも映っているじゃないか 俺の目がそこに映り込んでいるじゃないか 祭儀執行集団幻和 許されはしない祭りの記憶を 忘れて欲しい数千世代の 時を越えて移すよ この温もりをお前の乳房に 血潮の鼓動をお前の手札に 再祭才















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