X/YZ




私は存在していない。YZ平面上にあるX。必要に駆られて要請される幻のような、足のない大地に縛られる怒り。お前お前らは私の怒りを伝達されることのない、屋根のある平原に鎮座して、時折私に目をくれる。含まれる憐憫が私を刺激する。だから私は壊したくなる。通過する透明な打撃で何度でもいつまでも。

猫を飼いました。血統書付きのはぐれ猫を。檻の中に入っていた愛嬌を檻から出して、乱暴に取り扱いました。私の写しのようにと、足りない場所にまた閉じ込めて、食事を何度も嘔吐させました。餌をくれてやると噛みつき返すような歪みを、丁寧にそれとなく新調しました。

その手紙、覚えてますか。この子ってやだ、生まれつき天邪鬼で、撫でると吠えたり噛みついてくる。そういうめちゃくちゃな子、いるらしいのよ。お医者さんに言われたわ。返信はなかったけど、沈黙がよく教えてくれました。あなた、心の底からできるだけ、私を軽蔑したでしょう。盲目を繰り返す私を、全身で拒絶したでしょう。

だから私は取り戻すため、あなたにどこまでも執着しました。あなたの居場所に居座ろうとしました。最後には除去されてしまったけれど、少しばかりまだ、感覚が残っています。最初から、ゆっくり触ってくれてありがとう。全部と一緒に忘れていません。でも笑えるよね。感情を殺してぶち込めばいいってこと?だなんて、あなた、相手を殺さずによく言えたわ。最後まで私の中に入ってこなかったのは、時間の濃度に比べて意外だけれど、あれだけの平行線を折らずに消し切れたのは褒めてあげたい。

束の間でしたが、家族の記憶を埋め合わせてくれてありがとう。キメラのように母に父に、そして満たされた私に、身代わりしてくれてありがとう。二人並ぶ姿を鏡に見るまで、気が付かなかったのよ私グロテスクなのね。それを言葉で言わないでよ。見せてくれればよかったのに鏡。

今でも私はあそこにいます。あなたの入らなかったマンション。準備された白い空白。終わらない檻の中の猫と、覗き合いながら、目の中の向こうの私を、愛撫し続けています。死ぬまでやるのよ、これ。






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