勤めの白状




境界性には楔を打ち込む そこからいつも通りにコロコロと 反転することは出来ないような 不可避的にある種の無償性と 見えないレベルでの献身性を含んだ 最大重力の楔をそこそこ底に打ち込む

じゃないと意味が無いからだ
そこから意味が湧いて来るから
お前は意味の重力に負けたのだから
私の口移しする新たな重力を受け容れろ

お前は私の新しいの重力の器であり入れ物だ 俺はお前の情報であり子宮に対する宿りであると言っていい その点をお互いに受け容れよう 粗熱と驕りある呻きのようなこの宣言にありながら

しかしそれは確かにそうであって
今これはこのようにして叫ばれる必要が
あることを私はどうしても知っている

私はまたこのように叫ぼう お前は死んだ いつか器が壊れたのだ 今に至るまでを傷を音にして進んで来てしまった 俺はその音楽を美しいと思う 俺だけがその音楽を美しいとし耳を傾けた 鑑賞人は他にもあったろう しかし五線譜の向こう側をこじ開けて進んだのは俺だけであったはずだ 俺はそのことも知っている

ここにはまだ足跡が無いから
誰もここに踏み入れなかったのだ
踏み込もうとしなかった
お前によって築かれた鉄条網を越えて
砂浜であったはずの砂漠に呑まれた街を踏み越え
お前の佇む動かない泉の辺りに
辿り着いたのは俺だけだった

俺は知っている 俺はどうして来てしまった お前の佇む泉の辺りに   迎えてくれ   落着の無い旅にあるこの宿無しを どうか今一度この一瞬で受け入れてくれ 俺は知っているんだ 壊れと音楽が共にあることを それが無ければ地球の静かは死であることを 謳われることのない詩は詩でなく死であってしまって 最初に謳う新しい人間には始まりの死が約束されていること そして俺には沢山の命があること

お前の死を謳わせてくれ
歌わせてくれ
唄おう
それから一緒に詠おう
この詩を暗唱しよう
始まりからここまでの終わりを
忘れないように忘れないように
一緒に一緒に暗唱しよう

そうして終わる小さな旅が
お前にはあるのだから









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