過去色の琥珀
時間の比較社会学にバッカスが
タイムラプスのカプセルを仕込んでいて
私は琥珀色の銃弾に
記憶を見事に撃ち抜かれた
同じ質の髪に肌 黒黒い黒眼
今 私の脳の熱は下がっていて
だから昔を思い出すことができる
継ぎ足されながら揺らぎ行く連綿の時間
シンクロを解いて並べるクロノス
私はお前が今も地続きで
同じような熱の時間を足掻きながら
静かな場所を探して彷徨っているのを知っている
揺蕩っているのも 湧き上がってくるものも
そいつをどうしようか あぐねあぐねる
されどバッカスは知っている
勢いに 流れを与えて力を通そう
わたしクロノスも応えてあげる
そのための下地も作ろう これは世界だ
今宵は月の
始まりと終わり重なる日
終わりが始まりを跨ぐ夜
琥珀にも記された古代の教えに則って
美味い味噌汁を作っては飲んでから
たった一つの映画を観たならば
深く 深く 彫刻された夢を眠ろう
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