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与えれば与えられると思ってきましたが、常に付き添うのは裏切りでしたでしょうか。私はあなたの中毒になっていて、今もこれを書きながら興奮しています。私はこれから言葉の世界に住みますし、そんなトレーニングを受けてきましたから、あなたのシステム、何となく分かりますよ。受け皿になれていた時期もあったことは認めてください。あなたにベッドから引き剥がされるまで、私は含み含まれていると、ちょっとした隙間風と一緒に思っていておりましたが。

離れてみると分かるのですが、あれ、全部自分に言っていたんですね。私の目を覗いていたのは、そこに映る自分を見ていたんですか。陳腐な言い回しですけど、事の陳腐さを表していると思いませんか。あなたの物言い、仕草、表情、確かに全部よく出来ていましたよ。やっぱり離れてみると分かるんです。作りの細かさが違うなって。でも細かけりゃいいって訳じゃないんですね。今では私、作りの荒さに落ち着きますから。あなた、早くて分からないですよ。

ねえ、帰ってきてよ。過去の半分の重さが今はないよ。時間を掛けることが一番だって言ったじゃない。掛けた時間をどうして、そんな一瞬で手放せるの。私はどうでもいいから、時間を否定しないでよ。ずっと間にあったじゃない。何でもそこに投げ込んたじゃない。何でもそこに詰め込んだじゃない。汗みどろの品々がたくさん、記憶の溝に詰まっていること、否定させないから。何度でも思い出させるから。何度でも思い出すから。じゃないとあなたは、存在しないと分からせるから。






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