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【鉄道珍運用 Vol.1】何気ない行先に騙されるな

気をつけろ、その行先には罠が仕掛けられている・・・!

今回ご紹介するのは、平日夕方に運転されている普通 京成高砂行き。
この行先は京成上野駅において朝や夕方でも普通に見られるものですが、行先だけで「これ京成高砂行きでOKだよね!」と思った方、


もう罠にはまってますよ。


この運用は以下の通りとなっている。

1807Ka 普通 京成高砂行き
京成上野18:17 → 京成高砂18:42

ところが、終点の京成高砂に到着すると思わぬ変化が訪れるのだ。

上の画像は動画からの抜き出しだが、何といきなり種別と行先を変更してしまうのだ!
変更後の運用はこうなる。

1807Kb アクセス特急 成田空港行き
京成高砂18:43 → 成田空港19:24

つまり、実質上は京成上野発成田空港行き(成田スカイアクセス線経由)となっている。
どうしてこうなったのか?


この運用自体は2022年2月26日のダイヤ改正で登場。当時は感染症プロパガンダが横行する中での改正と言うこともあり、終電の繰り上げや一部運用の種別格下げなどが行われたのだ。
当運用も元を辿れば純粋なアクセス特急運用であったが、その影響を受けて途中の京成高砂までが「普通」、以降を「アクセス特急」のように変化してしまったのである。恐らく夕方の普通列車の運用減に伴うものであろう。

それじゃ「京成上野から成田空港まで全て各駅停車にしちゃえば良いんじゃないの?」と思ったらそう言うわけにもいかない。

京成成田スカイアクセス線には、途中の印旛日本医大まで北総線も同じ線路を用いているのと、京成成田スカイアクセス線には種別が2種類しか用意していないと言うのがこの列車の登場要因でもある。

まず、京成の自社路線でもある「京成本線」「京成成田スカイアクセス線」は、全区間を通して京成電鉄の乗務員による運転となっているが、「北総線」は北総鉄道の乗務員で無いと運転が出来ない。
次に種別について。京成本線では普通からモーニング・イブニングライナーまで全9つの種別が用意されているが、京成成田スカイアクセス線はアクセス特急とスカイライナーの2種類のみとなっている。また、北総線は普通と特急のみとなっている。
これを踏まえると、仮に京成上野始発成田スカイアクセス線経由成田空港行きを運転したとなると、途中の京成高砂と印旛日本医大で乗務員交代が必要となる。しかし、印旛日本医大での乗務員交代は現在行われていないため、この列車が運転されてしまうと京成高砂にて京成電鉄の乗務員添乗が必要となってしまうからだ。
そのような理由もあり、途中まで京成高砂行きで運転するなど、手の内を隠すような運転となってしまった。

この辺りのお話は「青・空・虹 動画」に掲載していますので、そちらも一緒にご覧ください。


なお、京成では駅の案内での京成高砂から行先が変わる旨と、車掌の放送でも「この電車は京成高砂にてアクセス特急成田空港行きに種別と行先を変更して運転します」と言ってくれるので、乗車する方は駅の案内と車掌の放送には十分注意して欲しい。

駅案内(18:48発は現在運転されておりません)

平日ダイヤ限定のこの列車、皆さんも機会があったら乗車してみてはいかがでしょうか?

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