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今「エアポート急行」の凸凹コンビを懐かしむ

京急に「エアポート急行」が登場したのは2010年5月のこと。北行・南行両方に設定され、南行としては久しぶりの急行復活となった。
この運用は登場当初、北行が自社車両に加えて乗り入れ車両(都営・京成・北総の各車両)、南行は自社車両と都営車(夜間)のみだった。現在は北行は車両の変化なしで朝・夕のみに、南行は自社車両に加え都営車が日中にも入るようになっている。

登場当初のエアポート急行の南行は、8両編成が乗り入れ運用主体で活躍していたことから主に普通や特急・快特増結で使われている4両を2本連結した車両での運転が多かった。
その中には前後で車両や車体が異なる「凸凹コンビ」が多く見られた。

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「凸凹コンビ」は車両の数が多かった新1000形で多く見られ、アルミ+ステンレスとステンレス+アルミのパターンが多かった。
こちらは下り方にステンレス、上り方にアルミを連結したパターン。

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もう1つが下り方にアルミ、上り方にステンレスを連結したパターン。
凸凹コンビは比較的こちらのパターンが多かったように思える。

前が塗装車、後ろがステンレスというこのパターン、どこかで見覚えがあるな・・・と。
そう、かつてJR常磐線で運転されていた415系とほぼそっくりなのだ。

常磐線の415系は113系顔のオリジナル版(白色に紺色の線)と、211系のステンレス車体を載せた1500番台と言う2タイプが存在しており、それぞれ組み合わせて15両編成を組成していた。
何故この技が出来るのかというと、415系1500番台の制御機器関係が全てオリジナルの物と一緒(抵抗制御)だったと言う事からである。編成によって前後がオリジナルなのに間がステンレス、水戸方がステンレスなのに後の車両は全てオリジナルと言う遊び心(?)を取り入れた組み合わせがあった。

つまりこのエアポート急行の「凸凹コンビ」は、ある意味JR常磐線で活躍していた415系をオマージュしたようにも見て取れる。

なお、この「凸凹コンビ」はわずか1~2年ほどで姿を消し、4+4両の場合は前後同じ車体で組むことが多くなった。その理由がこちら。

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エアポート急行に6両編成が登場したことと、2000形の後継となる新1000形8両固定編成の増備。

この影響で「凸凹コンビ」が姿を消したのでは無いかと思われる。

しかし、今またある形で「凸凹コンビ」が復活しようとしている。

それは、新1000形1890番台が登場したこと。

この車両の登場により、新たな「凸凹コンビ」が生まれた。
「アルミ+1890番台」「ステンレス+1890番台」のパターンが登場したのだ。

1890番台はSiC素子を用いるVVVFインバータ制御方式だが、その他の編成は従来のGTO素子かIGBT素子のいずれかになるため、車体や制御装置、車内なども含めかなりの凸凹ぶり。

「アルミ+ステンレス」「ステンレス+アルミ」は見られなくとも、違う形で「凸凹コンビ」が復活してくれたのはマニアにとっても吉報では無かろうか。

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※「新逗子」行きは、現在「逗子・葉山」行きに改められています。

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