愛の証明

A.B.C-Z 5Stars 5Years Tour 神戸公演に行ってきた。
9月6日の公演に行くと決めたのは4日のこと。
2日前に突然決めた。
それまでも「行きたいな」という漠然とした感情はあったものの、まあ無理だよなといつものように諦めていた。

それが覆るきっかけになったのは、先日の大宮公演での五関さんの最後の挨拶を聞いたこと。
V6の番組を観て三十路の主張していい?と前置きをして、いっぱいいっぱい「好きだ」って叫んでいた。そんな五関さんの声が、ぐんと迫ってきて、どかんと胸に叩き込まれた。
終わってすぐは、衝撃であわあわしてしまっていて、そのパワーの凄さに気付くことが出来たのがちょうど、9月3日の夜のこと。

あんなに素敵で最高のパフォーマンスを魅せてくれて、最後に沢山好きだって、マイクを通さない五関さんの声で叫んでくれて。
普段そんなことしない、って自分自身が言っていたんだから、本当に稀なことだったんだと思うけど、伝えようとして、それを実行してくれたんだ、五関さんは。
そうして4日の朝、ふと思った。
わたしも伝えたい。五関さんが大好きだって、いっぱい貰い過ぎちゃったから、伝えに行きたいって。

そこからは早くて、必要な手段を確保した。チケットもギリギリだったけど見つけて。
夜行バスを予約する手は震えてた。

たかだか遠征するだけで、となるとは思うけど、わたしは物凄い方向音痴で、自分で言うのも恥ずかしいけど寂しがりで、知らない土地っていうのが心から苦手なのだ。だから、遠征というのがいつも、嫌で嫌で。現場には行きたいけど遠征は怖い!っていうのが、もうずーっとあって。
シェイクスピア物語でも、リーディングコンサートでも、一人で遠征したけど。移動中も着いてからも怖くて怖くて、楽しい思い出がない。夜行バスでも新幹線でも泣いてた、いい大人が。

だから、この神戸に行こうという決意は、わたしにとって物凄く大きなことで。
加えて、目標として「誰にも頼らないで一人で行って、帰ってくる」というのを掲げたものだから、大変だった。

今までは友達に頼ったりフォロワーさんに頼ったりして、のらりくらり、やってきた。
だけど今回は、五関さんがくれたパワーで、五関さんに大好きだよって伝えに行きたいって思ったから、誰かに頼ってそれをやるのは違うと思った。
わたしだけの力で成し遂げなければならないって。そう思った。

5日、仕事を終わらせて準備して夜行バスに乗るために新宿に向かいながら、全然実感がなくてふわふわしていた。
だから、乗り換えを間違えた。(笑)
こういうミスをやらかしてしまう自分がいるから、不安なんだよなぁと思いながら、予定より大幅に遅れて新宿に着いた。

予約したバスの名前がロイヤルブルーで、いやまあその名前が決め手ではあったんだけど、乗り心地といい設備といい対応といい、今まで乗った中で一番いい夜行バスだった。
五関さんに会いに行くためのバスの名前がロイヤルブルーだなんて出来過ぎてるよなあ…と思いながら、ふと、以前遠征した時に感じていたあの底知れない怖さはないな、と気付いた。
むしろ、ちょっとわくわくしてた。
神戸ってどんなところだろう?初めて行く場所だから不安はあったけど、楽しみだった。

近頃ずっと胃の調子が悪くて痛くない時がないんだけど、神戸に着いてからプレッシャーなのか不安なのか、胃痛が物凄いことになってた。
往復のバス会社を揃えなかった為に、バス乗り場が行きと帰りで違うことに神戸に着いてから気付いたのも一因かもしれない。
神戸に着いてからのミッション【会場まで一人で辿り着く】の他に【復路のバス乗り場を探す】が加わった。幸い夜行バスというのは早朝到着するので、時間はいっぱいある。
好きなだけ迷っていい、だって一人なんだから。

結果、降りた場所から比較的近いところに復路のバス乗り場はあったんだけど、グーグルマップとの相性が最悪だった&どうしようもない方向音痴発揮のコンボで2時間、歩き回った。
2時間歩き回って、ようやくバス乗り場を見つけた時は思わずしゃがんで泣いてしまった。なんでこんな近いのに2時間も迷ったの!?って最終的には笑えたから良かったけど。(よくない)

会場にはそこから30分くらい迷っただけで辿り着けた。
感動した、こくさいホールの名前を見た時。

「本当に来れたんだ!」って思った。

もう本当にどうしようもないんだけどそれだけで疲れてしまって。化粧済ませてふらっと立ち寄ったブッ○オフで本を一冊買ってあとはずーっとファミレスにいた。
ちょっと足を伸ばせば観光スポットは色々あったろうけど、まだまだわたしにはハードルが高かった。
ここまで一人で出来ただけでも凄いことなんだから。

普段ならあっという間に読み終えられる厚さの本だったけど、周りから聞こえてくる関西弁やら、これからコンサートなんだという緊張感やらで、全然集中出来なくて読み終えられないまま開場時間に。

席に着くと端っこの方だったけど観やすくて良いところだった!ドキナツ以外でも踊り狂ってしまうので人様の邪魔にならない席で安心した。
始まるまでずーっとそわそわしてて、本当に来れたんだってもうその時点で軽く100回は思ってるんだけど改めて実感したりして、早く始まって欲しくて始まる前から終わって欲しくなくて、なんかもう感情が忙しかった。

開演前にどこからともなく始まったA.B.C-Zコール。一人だったから孤立無縁って感じだったけど生来の声の大きさをここで使わなきゃいつ使うの?って思ったから全力で出した。あれ、周りがそれに便乗して発声してくれるとめちゃくちゃ嬉しいね。
客電が落ちて、OP映像が流れ出した。
A.B.C-Zが登場してきたとき、ここに至るまでの全てが報われた。

で、開始早々に五関さんが髪を切って前髪があることに気付いて崩れ落ちたりして。

花言葉も、ざえびの声出しも全力でやった。
A.B.C-Zがここまで連れて来てくれたんだよ、だからここに来られたんだよって。

そこで、一人で頑張る、一人でって思ってたのは違ったんだと思った。
実際には頼らなかったけど、周りもA.B.C-Zも沢山力をくれてた。
だから、来られたんだ、一人で。

サポーターズ、今までで一番声が出たかもしれない。
全力の全身全霊をかけて、五関さんに、A.B.C-Zに、愛の証明をしてきた。
これこそがわたしの、愛の証明なんだ。


終わったあと、色んな感情が込み上げすぎて逆に無になりながら一旦ドトールに入って脳に糖分送る為に甘いもの飲みながらどうしても覚えておきたいところをダダダッと打ってから、バス乗り場に向かった。
終わってしまったんだけど、なんかまだ夢の中にいるみたいな感じで。

帰りのバスの車内で、膨れ上がった感情の全てが決壊して、止まらなくなってしまった。

苦手なものを努力で克服するということが苦手だ。知らない場所、知らない土地に行くのが苦手だ。一人で何かを頑張ったことなんてなかった。いい歳した大人だけど、今までそうやって生きてきたし、これからもそうなんだろうなって思ってた。
でも、克服したとはいえないけど、全部やれたんだよ。時間はかかったし、遠回りしまくって全然スマートにはこなせなかったけど、出来たんだ。今までやろうとすらしてこなかったことを、やれたんだ。
生まれて初めて、自分のことを心から褒めてあげたいって思った。
人から見たら大したことなくても、わたしにとっては大きなことで。
でもって、ひと一人のことを変えちゃうくらいの力を持ったA.B.C-Z、五関さんって、本当に凄いなあって思った。

そしてそのきっかけをくれたあの三十路の主張。わたしはV6の愛なんだ2017を観れていなかったので、神戸から帰ってきてからやっと観たんですけど。
最後に告白をしていた少年の言葉に激しくデジャビュを感じました。(笑)
いや、観ていなかったわたしが悪いんだけどね!!まさか殆ど丸パクリだなんて思わないでしょ!!?(笑)
わたしはてっきり「未成年の主張」に感化されただけで、叫んだ内容は五関さんのオリジナルだと思ってたんだ、よなあ。
それがもう…。(笑)

という滑稽なオチがついたのもまあ、わたしらしいなというか。五関さんらしいなというか。
あの叫んでくれた気持ちが嘘だったなんて微塵も思わないくらい、ちゃんと届いたから。
だからそれは、それで。

帰りのバスで感じた全ても、五関さんからもらった全ても、間違いなく前に進むためのものだと思ってるし、事実帰ってきたわたしは以前とは少しだけでも変わっている、ような気もするし!

踏み出してよかったな。ありがとう、神戸!



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