「トーベ・ヤンソンを知る」読書案内#15こぼれ話:作品と作家にまつわる文章、どっちも読むと楽しい!

先日、「トーベ・ヤンソンを知る」読書案内の第15回を公開していただきました。

本文にあるとおり、三度目の『Resa med Tove』関連の紹介です。

今回はこの記事の執筆の背景を記録しておきます。

この本に掲載されているヴィヴィカへのインタビューには、2人がそれぞれのきょうだいの引き合わせで出会ったが第一印象は悪かったこと、戦後にパーティーで親しくなったこと、記事の中で触れている島への訪問のことなどが書かれていました。

私にとって、ヴィヴィカの話の中でもっとも印象に残ったのは、彼女にとってヤンソンは「悲しみを抱えた人に対しても不快な様子を見せない人」であり、また、「日常の生活について考えていること共有する人々の一員」であるとことでした。

これらのことから周囲の人々が見るヤンソンがどんな人だったか、ヤンソンが人々をどう見ていたか、ということに考えを巡らせて、『ムーミン谷の十一月』を思い出しました。

ヴィヴィカが直接『ムーミン谷の十一月』について話していたわけではありません。

『ムーミン谷の十一月』で、スナフキンが曲を作ることは芸術の問題ではありますが、フィリフヨンカやヘムレンさんのような誰もが持ちうるような生活や人生の悩みや、スクルッタおじさんやホムサ・トフトのようなムーミンの読者も抱きうるムーミン一家への憧れなど、身近なテーマもたくさん含まれています。

記事にも書きましたが、作品と作家にまつわる文章をどっちも読むと、作品の読み方も作家への理解も深まって楽しいです。

スウェーデン語の勉強を続けていてよかったー!

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