見出し画像

スナフキンの台詞「大切なのは、自分のしたいことがなにかを、わかってるってことだよ」はとても身近な言葉だと思う!

こんにちは。実はこの投稿、しばらく(2か月くらい)寝かせてしまっていました。『ムーミン谷の夏まつり』のスナフキンの台詞について書きます!

「大切なのは、自分のしたいことがなにかを、わかってるってことだよ」

この台詞は、推しの藤咲彩音さん(でんぱ組.inc)がムーミンの日に投稿したInstagramにも書かれておりました。

↓上に貼付した投稿を一部引用します。

アニメを何度も観て、小説を読んで、「大切なのは自分のしたいことを自分が知っていることだよ」この言葉に勇気つけられ気づけばムーミンの世界に虜になっていました。
いつも大切な何かを気づかせてくれる。

彩音さんがご自身の感覚や気持ちを表現する文章は、率直でいて優しさもこもっていて、大好きです。

この台詞は、『ムーミン谷の夏まつり』のもので、トーベ・ヤンソンの半生を描く映画『TOVE/トーベ』日本語版のキャッチコピーになってます。

画像1


ちなみに、英語のポスターには「in search of freedom and desire.」と書かれています。この文については、どこかの英訳なのか、未調査です...。


ミイが「したいこと」=食べること、眠ること!!

「大切なのは、自分のしたいことがなにかを、わかってるってことだよ」は、『ムーミン谷の夏まつり』でスナフキンがミイに言った台詞です。

この物語は洪水によって展開します。洪水の水かさが増し、2階まで水が入り込んできた頃、劇場が流されてきて一家(ムーミントロール、パパ、ママ、スノークのおじょうさん、ミムラねえさん、ちびのミイ)はそこに移り住みます。それぞれが思い思いに劇場の中を探索していましたが、ちびのミイは「ゆかのあげ戸」(床点検口・フロアハッチのようなところ)から水の中に落ちてしまいました。ミイは流れされた先でスナフキンに出会って以下のような会話をします。

「ママは、どこにいるの?」
「たべられちゃったの」
 ちびのミイはさらりとうそをつくと、たずねました。
「なにか、食べ物を持ってない?」
 スナフキンがパイプでさしたほうを見ると、豆をいっぱい入れた小さななべが、キャンプのたき火の上で、ぐつぐつ煮えています。すぐそばには、熱いコーヒーもありました。
「でもきっと、きみはミルクしか飲まないんだろう?」
 スナフキンがこういってたずねると、ちびのミイは、ばかにしたように笑いました。そして、すずしい顔で、コーヒーをスプーンに二はい飲んで、そのうえ、豆を四つぶも食べたのでした。
 スナフキンは、残り火に水をかけながら聞きました。
「もう、いいかね?」
「あたい、もう、また眠くなっちゃったわ。ポケットの中が、いつもいちばんよく眠れるの」
そうかい。大切なのは、自分のしたいことがなにかを、わかってるってことだよ
 スナフキンはそういって、ちびのミイをポケットの中へいれてやりました。

新版『ムーミン谷の夏まつり』p. 108

この場面でミイがしたいことは、食べること、ポケットの中で眠ることでした。

たいそうでないことに対する台詞であることが肝だと思います。台詞だけ切り取ってみると「人生でやりたいこと」みたいな捉え方もできそうですが、物語と一緒に台詞を受けとると、なんだか身近な言葉に感じられます。食べることと眠ることに向けられたこの台詞を見ると、小さなことでも自分の心に耳を傾けて大切にしようという気持ちになります。


******************************

↓ 新版『ムーミン谷の夏まつり』

ちなみに…私が最初に思い浮かんだのは新版で編集される前の訳でした:「そうかい、たいせつなのは、じぶんのしたいことを、じぶんで知ってるってことだよ」。

2つの訳を見返しましたが、新版では適度に漢字が使われたり言い回しが変更されたりしてより読みやすくなっている印象でした。とはいえ何度も読んでいる古い訳が馴染み深いのも確かで…これからも私は両方読むと思います!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?