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World Wide Love、これからもよろしく。- 推し曲とDB系オプションについて -

初noteです。星晶 有実と申します。自己紹介的な記事は個人的に書きたいので近々書きます。

Des-ROWさんの曲が好きです。個人的には長らく「右寺先生」と呼んでおります。

9月6日は右寺先生の誕生日!!おめでとうございます!!!

ということで、大好きな曲の「楽曲そのものの話」と、「音ゲー曲として全力で対峙したいという欲求の話」をします。

World Wide Loveは弐寺で一番いい曲です

[POPS] World Wide Love
Artist : MTO
BPM : 122
SP : N 3 (353) / H 5 (526) / A 5 (559)
DP : N 4 (454) / H 5 (560) / -
※譜面レベルの後のカッコ内はノーツ数
from beatmaniaIIDX 8th style(稼働日 2002/09/27)

弐寺で一番いい曲です。

昨今はスラング的に使われがちな言い回しですが、私にとっては文字通り、弐寺で一番いい曲です。


右寺曲の中でも特に穏やかなギターポップ。展開も構成楽器も至ってシンプルです。
クリーンなギターにストリングスが重なるイントロ~Aメロは日だまりのように暖かい一方、「生きる意味」へと思いを馳せる歌詞も手伝い、どことなくアンニュイな空気を纏っているようにも感じます。

その陰はBメロで濃くなって、歌詞では「苦悩」すら覚えている。それは恐らく、己の非力さ・不甲斐なさに対するものなのでしょう。――だけど、大切なあの人の幸福に繋がってくれるのなら、きっと乗り越えていける。もう少しだけ、強くなれる。
歌詞の「leave」は「預ける・託す」の意味合いでしょうか。
ところで感情の揺さぶり具合が半端じゃないことで知られる右寺曲のハモリですが、この曲もBメロのハモリで醸し出されるニュアンスが秀逸。弱さと対峙した上で、「on your smile」の部分で、そうだ、それこそが大事なんだ、と輪郭がはっきりした感じ。たまりませんね。

そして一瞬の無音を挟んだサビでばっさりと苦悩を断ち切って、まっすぐな愛を歌に乗せていく。こういう飾りっ気のなさがかえって輝くんですよ。その歌を支えるのが、ストリングスとバトンタッチするギターと、8分刻みかつメロディアスになるベース。「柔らかくしなやかな強さ」がじんわりと心に染み込んできます。4分でコードを鳴らすピアノにも触れたい気持ちはあれど、コードの知識が無なので「I give you all my loves」の部分がなんかキュンとする……くらいしか言えない……。
「I always wish to be with you long time.」と締めるところが本当に好きなんです。その感情の「永遠を誓う」わけではなく、「日々願う」ものである、とする姿勢が真摯だなぁと思えて。私自身「ずっと好き」とか「一生好き」ではなく「できるだけ長い間好きでいたい」と言いがちなのは完全にこの曲の影響です。まぁ、歌詞なので、単語や言い回しはメロディーに合うかどうかにも左右されるものでしょうけどね。

で、そこからのアウトロで愛を囁かれるのでじっくり聴こうとすると未だに穏やかではいられません。演技だろうが演出だろうが愛を囁く推しの声で冷静でいられるオタクなんているわけがないでしょう。

曲コメントの「曲にもよりますが、実は自分の声はあまり好きではないと感じる時があります。」はちょっと意外に感じてしまう……結構歌いたがりな印象が個人的にあるもので。私は右寺先生の声わりと、いや、めちゃくちゃ好きですけどね。それはそうとして、右寺先生がイメージしていた「ソフトなタッチの女性ヴォーカル」版も聴けたら嬉しいなぁ。まだ言いますよ私は。

思い出や思い入れ

右寺先生の曲を好きになって1年経たないくらいの時期、この曲が聴きたい一心で弐寺をプレイし始めました。確か8thの時点で挑戦したときはあまりに何もわからなすぎて、9thで改めて挑戦し直し、そこからぽつぽつとプレイするように。LIGHT7(今で言うSPN)がフルゲージでクリアできたとかA判定に乗ったとかで一喜一憂していました。

すでに「beatmania THE BEST PROMINENT」を購入していたため、右寺先生の5鍵での別名義曲は把握済みで、「Des-ROW先生は別名義だと穏やかな曲も作るんだな」というような認識。この曲を知った当初から、ゲーセンに行くたびにプレイするほど惚れ込んでいましたが、当時の日記からはこの曲で俗に言う「ガチ恋」に落っこちた雰囲気を感じてしまってなんともかんとも。青かったんで大目に見てほしい。

サビの真正面からのストレートな愛情表現は、「右寺先生自身が特定の誰かに向けたもの」だとすると、曲名の「World Wide Love」はスケールの大きさがしっくりこないように思えます。「誰かが誰かを大切に思うときの、穏やかで前向きな気持ち」がこの曲を聴いた人にも、その人の近くにいる人にも宿るものであってほしい、世界にあまねく存在するものであってほしいという願いなのではないか、と今は解釈しています。知人の結婚式でも歌ったらしいですし。
(ソース:BEMANI MUSIC WEEK第三夜、1時間30分付近)
https://p.eagate.573.jp/game/bemani/p/channel/bemani_nama/archive/music_weekno003.html

どこかの誰かのネガティブな感情に押し流されそうになったとき、悲惨な事件が起きたとき、世の中の一部が良くない方向に動いていると感じたとき……曲コメントでも触れられていた「ITやメディア」は進歩を止めないばかりか加速の一途で、気持ちを荒れさせるものは落ち着かせてくれるものをあっさり押しのけ手元に流れ込んでくる。気をつけていても、ちょっと心身が弱ってるときなんかは、うっかりしてると簡単に飲み込まれてしまう。
それでもこの曲を聴くと確かに安らげる。
癒やしてもらっている、支えてもらっている、と言うより、大事にするべきものは何かを再確認できる。
この世界に「愛」はあるんだと信じたくなる。揺らぐことがあっても、小さくても目立たなくても、素朴で暖かいその感情を持ち続けたいと願うことこそ「強さ」に他ならないのだ、と。

年月を重ねるごとにこの曲で泣けてくるのは、それが決して簡単なことではないと身に沁みて感じられるようになったから、でしょうか。

汎用ムービーもよく似合う
VJ GYOさんのコメントも沁みるのでInternet Archiveのお世話になってほしい

そんな感じで、私の中ではずっと大事なところにあり続けてきたWorld Wide Loveですが、曲コメントで「ゲームが簡単で物足りないと言う方も大勢いらっしゃると思いますが」と書かれている通り、音ゲーの曲としては難易度が控えめなのは事実。腕が上がったらプレイ頻度も落ちてしまいがち。……だけど、この曲を音ゲーとして積極的な姿勢でプレイし続けられる手段があったんです。

それこそが、「DB系オプション」でした。

DB系オプションとは?

DB : Double Battle

ダブルプレー(DP)時に、左右のレーン共にシングルプレー(SP)の譜面が落ちてきます。
テンキーの「7」を押すと「BATTLE」が使用できます。

公式サイトHOW TO PLAY - 「ゲームオプションについて」内「テンキーオプションについて」より

無理皿(鍵盤と同時に処理することが物理的に不可能なスクラッチのこと)が多発するため、基本的にオートスクラッチが前提。

DBM : Double Battle Mirror

上記DBにおいて、左右どちらかにミラーをかけた状態のこと。バスドラムがアサインされがちな1鍵を親指で取る配置のほうが押しやすいため、左側(1Pサイド)にかけることが多い。
ちなみにTexTageさんでは上部「SCORE OP.」の「BATTLE」をクリック後、SPの譜面へのリンクをクリックするとDBMにした譜面を閲覧可能。クリックしたプレイサイドにミラーがかかった状態となる。

DBR : Double Battle Random

上記DBにおいて、両方のプレイサイドにランダムをかけた状態のこと。DB時限定のオプションとして、左右ともに同じ配置になる「SYNCHRONIZE RANDOM」と、左右シンメトリー配置になる「SYMMETRY RANDOM」がある。(公式サイトHOW TO PLAY - 「ゲームオプションについて」内「通常オプション ダブルプレー時について」参照)
しかし、単に「DBR」とだけ表記する場合はそれらを含めない印象がある。

もちろん DBSR:Double Battle S-Random や DBRR:Double Battle R-Random もあり得るものの、それならではの有用性があるか否かを語れる領域にはございません。

動画でご覧ください

LM筐体で4パターン購入。ちなみにDP七段です。
差のわかりやすさとDBRがどうにかなるかの兼ね合いでHYPERでやってます。DBRはどうにかなってないです。

一番挑戦しやすいのがDBMだと思います。挑戦し始めの1年半ほど前は様々なパターンの3つ同時押しが出てくるサビ後半がボロボロでしたっけ。隣接配置も多いので、ホームポジション(弐寺DPにおける指の基本配置)崩し運指の練習にはいいんじゃないでしょうか。SPでも☆5の同時押しとしては難易度高め?(BEMANIwikiではSPAが「ノマゲで逆詐称or妥当 & HARD殺し」に挙げられている模様)
サビ終わりである48小節目の2拍目がDBM的にかなり厳しい配置。

小指を折りたたむ……のか……?

この動画ではアシストイージーのクリアラインを割ってないので、同時押しスキルもそこそこ身についたなぁと感慨を覚えます。アシスト含むイージーゲージならアウトロ全繋ぎで56%くらいは回復するので、歌が終わって4%残ってたら勝てる。諦めないことが大事。

こちらがDBR。当然左右がバラバラの配置なので、単発でもコンボ切りますしサビではゲージが削られる一方。曲もめちゃくちゃでございます。今のところはこれが楽しく思えるレベルではありません……が、「World Wide Loveでデカい伸びしろがある」ことにワクワクしないと言ったら嘘になります。やったるぜ。

こちらがSYMMETRY RANDOMのDBR。私の腕前ではここあたりが熱い。
バスドラとスネアが内側に寄ってるので楽な配置……と思いきや、サビ後半の隣接がだいたい嫌な形で降ってくるのを耐え忍ぶゲームになりました。まず楽にはなりませんね! でも嫌な配置であればあるほど同時押しへの対応力が上がるので、どんどんやっていきたいですね!!

DBSRで撮ってきたのはNORMAL譜面……だったんですが、正規の同時押しパターンが充分多いので、この曲でやる意義は特にないのでは……となったのでお蔵入り。サビ後半には3つ同時押しもちらほら入ってくるため、こぼさず拾うのは至難の業、ではあります。

私とWWLとDB系

この手段を本格的に意識したのはTwitter FF内のDPer界隈。こちらのSP&DBMのBPアタック(現在休止中)に参加することで、私の中でDBMという手段が定着した感があります。

#ELI528アタック
https://twitter.com/hashtag/ELI528%E3%82%A2%E3%82%BF%E3%83%83%E3%82%AF?src=hash

ただ、IIDXDP攻略wikiの用語集いわく、

スキルアップの観点から言えば、DBRが練習メニューとして意味を成す譜面は4つ打ち複合などが増え始める☆7~☆8以降であり、DP換算で言えば最上位譜面を見据える時期にある。
物見遊山で試すのは構わないが、その域に達するまでにDP譜面だけで学べることがまだ沢山あることを忘れてはならない。

beatmania IIDX DP攻略 @ wiki 用語集「DBR」より

とのこと。

左右対称の固定配置のためハードルが比較的低いDBMでは
「左右同時に特定の配置を練習できて効率的(な気がする)」
「手軽に物量譜面を体験できる」
といった利点は確かにあると思っています。ただ、DP七段程度ならDB系が必須のスキルはないというのはその通りだと、体感として理解もしてます。それでも、わざわざ「寄り道」する価値は確実にあるんです。

曲を推すいち音ゲーマーとして幾度となく抱えた寂しさがあります。
曲は大好きだけど、簡単な譜面しかないために、やり込むにしても練習にはならないし張り合いもあまりない。
かと言って理論値を狙うのも非常にしんどい。弐寺での理論値は一筋縄ではいかないものですが、そこまでハードルが高くない機種であれば理論値を取って目標がなくなることもありますね。
たまにのんびり楽しむのも悪くはない。だけどゲーム的に適度な障壁や練習になる要素があったほうが嬉しい。
ノースピや片手プレイなど縛りを設ける手もある中、弐寺においてそれを解決できるひとつのアプローチ、それこそが「DB系オプション」なんです!!

そういった意味合いでの恩恵をこれでもかと受けているのが、私にとってのWorld Wide Loveという曲で。

自身の弱さを認めた上で愛と呼ぶ他ない感情をストレートに歌い上げる曲にボコボコにされて悦ぶへんたいとかではないんですってば信じて。若干繰り返しも含みますが、詳しく説明します。

「戦える」嬉しさ

SPとDPで用意されてる譜面でのクリアやフルコン、つまりクリアランプの色に関しては、もはや「必ず勝てる勝負」。
そうなるとあとはスコアを極めるばかり。とは言え、理論値という領域については「まず勝てない勝負」。
純粋に好きな曲に触れたい気持ちだけで☆5の譜面を楽しみ続けてたって何の問題もないけれど、弐寺DPでもっと難しい譜面に挑んでいきたい欲求も消せない。DP七段が☆5のスコアを詰めたって上達には繋がらないだろう、と考えてしまうのもまた事実。

でもDB系オプションを使えば、少なくとも「サビから多発する片手3~4個同時押し、またはそれらが崩れたものに食らいついていくこと」は上達に繋がる練習になってくれるんです。
ANOTHERはHYPERと比べると、イントロの4分バス追加、サビ後半の4つ同時押しがわずかに増加。片手でごまかさず処理するとなると体感難易度はしっかり上がります。前半は密度が薄いので効率がいいとは言い難いものの、不意に出てくる隣接同時(注1)や桂馬配置(注2)で対応力の向上を実感できてます。

注1:隣接同時…1+2、2+3と言った隣同士の白鍵+黒鍵の同時押し。特に1P側における2+3や5+6はホームポジションを崩すため難易度高め。
注2:桂馬配置…1+4、2+5といった離れた白鍵+黒鍵の同時押し。認識面でも運指面でも2個の同時押しでは最難。1P側における3+5が一番キツいはず。

1P側のSPH+RANDOMで5+6の隣接と3+5の桂馬が両方出てくるやつ。
DBで言う左手だと思ってください。

ずっと大事に思っている曲が、最初期の動機や目標であったのみならず、DP七段に至っても同時押しスキルを高めてくれる、さらなる上位スキルへの道筋を示してくれている、「過去の自分より上手くなる」(公式サイトHOW TO PLAYより)ために現在進行形で私の背中を押してくれている。
いつかはANOTHER譜面でのDBSRでも物足りなくなるかもしれない……とは言ってみても実際にそこまで上達できるかはさておき、DP七段、言わば中級段階でこの曲をゲームとしての目的意識を持ってプレイできることが本当に嬉しいんです。

World Wide Loveのクリアやスコアで一喜一憂した日々は上達するごとに遠ざかる一方の過去で、「たまに戻ってくる場所」に落ち着いてしまっていた。そういうポジションのほうが似合う曲かもしれないけど、せっかく「DB系オプションという選択肢があるbeatmaniaIIDXの収録曲」なんだし、好きな曲で感情が動く機会はゲームでの体験も含めて多いに越したことはない、とも思ってますので……。


掘り下げてみたところ、曲が好きだからDB系をやってると思ってたけど、DPも好きで頑張りたいからって部分も結構あるっぽい。相互作用?
「右寺先生の生誕記念」で上げる記事としては、どうなんだこれ? と自分でも首を傾げています。めちゃくちゃ音ゲーをやっている。

だけどポップンで大見解と出会って右寺曲という名の沼に落っこちて今に至る中でも、音ゲーとしての手応えは欠かせない要素だったんですよ。それがWorld Wide Loveでも末永く味わえそうなのは、そりゃあ嬉しくて。

「この記事を読んだ君もレッツ推し曲でDB!!」と言いたいところですが、そもそも弐寺DPのハードルが高いんですよね! でも片手プレイ(鍵盤と皿の完全分業)なら近い楽しみ方を結構気軽に味わえるのではないかと! 鍵盤に対して指の数が足りないゲームもたのしいよ!!

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