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5分で遊べる謎解き「MISLEAD」あとがき

5分で遊べる謎解き「MISLEAD」謎制作担当の「しん(X[旧Twitter]ID : @a2k_shin)」と申します。
この度は、「MISLEAD」をプレイいただきありがとうございます。「MISLEAD」を作成するにあたり、私自身の記録も兼ねて、経緯や特に意識した点などをつらつらと書いてみたいと思います。

(以下、ネタバレを含みます。未プレイの方は以下をプレイいただけるととても嬉しいです。)

(以下、ネタバレ回避のための空白)

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解き手としての「5分で遊べる謎解き」

シリーズ開始時から解き手として色々な作品をプレイさせていただいておりました。さくっと、でもその中に発見をしっかりと楽しめる、そのコンセプトがいいなぁ、と。(「5分で遊べる謎解き」シリーズとは別の)拙作「時計は動く」シリーズをリリースした時に感じたのですが、短時間で気づき/発見/驚きが得られるのは、LINE/Web謎が得意とする領域の一つなのかな、とも思ってみます。色々な制作者さんが趣向をこらしたギミック・実装をされることで、同じコンセプトの元、毎回バリエーションの異なる作品群なのも面白いなあ、と。

そんな中、今回、お声がけをいただき、喜んで「5分で遊べる謎解き」シリーズの一端、「M」から始まる作品を担当させていただきました。
Mystery, Mistake, Mislead, … 謎解き的にはいい単語が多い制約なので、タイトル決めがとてもやりやすかった()

「MISLEAD」、そのコンセプトを決める

「5分で遊べる謎解き」という「さくっと、でもその中に発見をしっかりと楽しめる」、そのコンセプトを生かしたいと、まず、考えます。

「さくっと、でもその中に発見をしっかりと楽しんでほしい」

「…さくっと楽しもうとしなかったら、逆に楽しめなくなったらどうか?」

と飛躍した発想が出てきたので、これを起点に思考をすすめます。

そして、(あえて)コンセプトの言葉尻だけを捕らえると「気軽に遊べる謎解き」でも「さくっと遊べる謎解き」でもない、「"5分で"遊べる謎解き」、と、"5分"という具体的時間を銘打ってあるので、これを楽しめる/楽しめないの閾値にしようと考えました。

さらに、最近、私の中の言葉で「減算の謎解き」と銘打っている謎解きの表現がありまして、今回、これと組み合わせてみよう、と。「楽しめる/楽しめない」を「解ける/解けない」に置き換え、時間経過をコントロールしやすいものとして動画を用いた謎として、

「5分間だけ謎の動画を見た時に解くことができ、それ以上謎の動画を見ると逆に解けなくなる」

というコンセプト策定につながりました。

謎の実装をすすめる

動画のはじめから5分間だけ見た時と、はじめからさいごまで見た時で導ける答えが違う…一方で、動画そのものを改変することはできない…という制約のもと、考え付いたのが「答えの表記の仕方の違い」に伴う文字数の変化を使い、最終問題の答えが変わる、という構成でした。

はじめは、漢字と漢字の読み(仮名)で実装しようと考えたのですが、文字数が大きく異なるのと、最終問題の答えの実装が激しく困難になりそう(漢字6文字熟語、とかになるので…)なので、その方向は断念し、その対案として出てきたのが英単語と英単語の日本語読みによる文字数の違いでした。

動画をさいごまで見た(見てしまった)時には、プラス1問ぐらいされてほしいかな、という何となくの感覚と、英単語と英単語の日本語読みの文字数のバランスを考えた時に「6文字の英単語×5問」と「5文字の英単語の日本語読み×6問」という構成に落ち着きます。

あとは、ひたすら言葉探しの旅です。

こんな感じで、6文字の英単語と、それの日本語読みが5文字になるものを列挙し、それっぽくなるように試行錯誤します。

ひたすらにかきだす…

日本語読みは、日本語としても定着しているほうがいいよなぁ(たとえば、エニウェイ(anyway)はあまり日本語仮名で書くことがなさそうなので、仕組みがすぐばれそう)とか、正解の単語はそれっぽいほうがいいよな、とか、(狙って出す)動画をさいごまでみたときの不正解もそれとなく何かがおかしいことをほのめかすものがいいよな、で、あれこれした結果、「CREATE / ミスしている」のセットになりました。それっぽくなったので良かった。

謎の動画を作成する

大枠ができたので、小謎を作り、そして動画を完成させます。

小謎は極力シンプルな問題になるように心がけてみました。また、例示におて「ボクシング」のように答えのワードをかいてしまうと、答えの表記形式が確定しまい、最終問題である英単語と英単語の日本語読みによる文字数の違いが成立しなくなるので、(例示が不要な5問目を除き、)例示は全て答えのワードの説明にとどめるように作ってみました。

動画は、5分間というそれなりに時間はありつつも、考える時間のことを考慮すると動きがたくさんあっても解き手が混乱するので、あまり動かない動画に。すると、動画が動いているんだか止まっているんだかわからなくなるので、動画右上に動きを付けたり音楽を付けたりしました。あと、音楽は、ちょうど5:00のところで音楽の盛り下がりがきて、そこで動画が実際に切れてもそれっぽい動画になるように作ってみています。

最後、ストーリーをきめる

謎の実装は意外とすんなりいったのですが、最後、ストーリーで悩みました。もともと、あまりストーリーを付ける予定はなくも、若干の雰囲気づくりのために、「編集中の動画を間違えてあげちゃった、ごめん」的なストーリーを考えます。が、すると、今度はヒント等との整合性がとれなくなり、あたふたします(泣)。

「5分で遊べる謎解き」の中の人、ガースーさんにご相談にのっていただきまして、ストーリーもヒントも削いだ、徹底的にシンプルな構造になりました。歴代の方々がとてもしっかりとしたギミック構築や実装をされた作品をリリースされてきた、その流れに反して、今回の「MISLEAD」はものすごく簡素な作品...のように見せかけて何かが潜んでいる、そんな構成もありだな、と考え、個人的にはいいな、と思った次第です。

※前作の「LOOP」との実装のギャップがすさまじい…

おわりに

徹底的にシンプルに作られたこの作品「MISLEAD」の中に、「5分で遊べる謎解き」のコンセプトに対する私なりの表現を感じ、気づいた瞬間の気持ちよさを感じていただけていれば、作者としてとてもありがたく感じる次第です。

「5分で遊べる謎解き」シリーズ、これからも続いていくとのことですので、さくっと楽しめる、その気持ちよさを感じられる作品がプレイできることを一人の解き手としても楽しみにしようと思います!

私自身も、オンライン系を中心とした作品/企画を考えておりますので、そちらもお楽しみ&プレイ頂けますとありがたいです!

作り手として、また一人の解き手として。
今後ともどうぞよろしくお願いします。

2024.3
しん

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