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【ロック名盤100】#25 Are You Experienced - The Jimi Hendrix Experience

 今回紹介するのは、ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスが1967年5月にリリースしたデビュー・アルバム「Are You Experienced」だ。本作にはサムネにも使用しているオリジナルのものと、アメリカ版の黄色いよりサイケデリックなものの2つのジャケットがある。更にはストーンズ然り、ジミヘンも英米でアルバムの収録曲が異なる場合が多い。本作では1997年のオリジナル11曲+シングル6曲が収録されたヴァージョンで紹介する。
 本作はジミヘンが初めてギターという1つの楽器に命を吹き込んでみせた、といえる内容だろう。史上最高のギタリストが産声を(ギターで)上げた瞬間が余すことなくパッケージされているのだ。フィードバックやテープの逆回転等の録音の実験が取り入れられたことも、全体的に充満する危険でサイケデリックな香りを表現することにうまく寄与している。サイケデリック・ロックを象徴する作品であると同時に、ハードロック黎明期の名盤ともいえる。

1 Foxey Lady
2 Manic Depression
3 Red House
4 Can You See Me
5 Love Or Confusion
6 I Don’t Live Today
7 May This Be Love
8 Fire
9 Third Stone From the Sun
10 Remember
11 Are You Experienced?
12 Hey Joe
13 Stone Free
14 Purple Haze
15 51st Anniversary
16 The Wind Cries Mary
17 Highway Chile

 「フォクシー・レディ」はジミのサイケデリック極まる、といったくらいにカラフルな色彩が目立つ名曲だ。アップテンポで快調なナンバー「ファイア」はジミのR&Bからの影響が色濃く感じられるし、実験精神満載の表題曲「アー・ユー・エクスペリエンスド?」もいい。ジミを語る上で欠かせないのがブルース。「レッド・ハウス」はジミにとってブルースがどれだけ重要なジャンルなのか、ということを証明する曲である。
 オリジナルのヴァージョンには収録されていないが、後に本作に加わったシングル曲には数々の名曲がある。ブルージーなデビューシングル「ヘイ・ジョー」や名バラード「ウインド・クライズ・メアリー」、そしてジミヘンのギタープレイの最高峰にしてエクスペリエンスの代表曲「パープル・ヘイズ」。1曲1曲のパワーが凄まじく、全曲楽しめる内容になっている。
 ジミヘンのギターについてはもう散々喋ったので、最後に軽くミッチ・ミッチェルにも触れておきたい。エクスペリエンスのドラマーである彼はジミのギターの引き立て役に留まらず、印象的なプレイングを見せている。ベースのノエル・レディングも含め、ギター以外を聴くジミヘンのアルバムというのも案外面白いものだ。
 次回は本作から間を空けずにリリースされたエクスペリエンスの2ndアルバム「Axis: Bold As Love」を紹介したい。

↓「パープル・ヘイズ」

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