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【ロック名盤100】#5 20 Golden Greats - Buddy Holly & The Crickets

 今回紹介するのは、1978年2月にリリースされたバディ・ホリー&ザ・クリケッツのベストアルバム「20 Golden Greats」だ。ザ・クリケッツが打ち出したギター2本、ベース、ドラムの編成は現代の基本的なロックバンド編成の基盤になっている。
 ちなみに、ビートルズというバンド名はクリケッツを意識して思いついたといわれている。さらにはジョン・レノンによると「ロックスターが眼鏡をかけることに対しての抵抗をバディ・ホリーが振り払ってくれた」だとか。バディ・ホリーは当時のロックンロール界におけるさまざまな面でエポックメイキングな存在だったのかもしれない。

1 That’ll Be the Day
2 Peggy Sue
3 Words of Love
4 Everyday
5 Not Fade Away
6 Oh, Boy!
7 Maybe Baby
8 Listen to Me
9 Heartbeat
10 Think It Over
11 It Doesn’t Matter Anymore
12 It’s So Easy
13 Well... All Right
14 Rave On
15 Raining in My Heart
16 True Love Ways
17 Peggy Sue Got Married
18 Bo Diddley
19 Brown Eyed Handsome Man
20 Wishing

 一曲目の「ザットル・ビー・ザ・デイ」はバディ・ホリーの代表曲として紹介されることが多い。その次の「ペギー・スー」も同じだ。どちらも高い評価を得ている名曲だが、クレジットに注目してみよう。そう、このアルバムのほとんどがバディ・ホリーとクリケッツのオリジナル曲なのだ。1950年代は作曲と演奏は分業が主流だったため、バディ・ホリーのような存在は稀有な部類であったといえる。そういった面でもやはりエポックメイキングな存在だ。
 1曲目と2曲目は前述したようにバディ・ホリーの最高傑作のひとつだ。ほかにも、3曲目の「ワーズ・オブ・ラヴ」はビートルズがカバーしたことで割と有名な曲になった。僕が好きな曲は4曲目の「エブリデイ」だ。メロディアスで聴くものの心を撫でるような優しいボーカル。後ろでパタパタと鳴っているパーカッションもいい(膝を叩いた音らしい)。
 こうして聴いてみると、バディ・ホリーという男はシンガーソングライターとして非常に成熟していたんだなぁとつくづく思う。それだけに、あの「音楽が死んだ日」とも言われたあの事故が残念で仕方がない。あの事故がなくバディ・ホリーが生きていたらその後どんな作品を出していたのだろうか、と想像してしまう。
 やはり早すぎる死ではあったが、その短い期間の中でたくさんの素晴らしい曲を作った。この美しき数々の宝石の輝きをわたしたちは忘れてはいけないと思う。

↓「ザットル・ビー・ザ・デイ」

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