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【ロック名盤100】#54 Carole King - Tapestry

 今回紹介するのは、キャロル・キングが1971年2月にリリースした「Tapestry」(邦題は「つづれおり」)だ。70年代に興ったシンガーソングライター・ムーヴメントの代表格であるキャロル・キングの最高傑作であり、ポップ・ロックの金字塔としても評価されている。60年代にゴフィン=キングのソングライティングペアとして名を馳せていたキャロル・キングがソロでも成功を収められると証明したのがこの一枚。
 やはりそのポップセンスはリスナーにも親しまれて大ヒットを記録。女性ソロ・アーティストの作品の中でも歴代最高クラスのアルバムと評されている。全ての曲の完成度が凄まじく、途中で展開がダレたり捨て曲があったりなどありえない。ポップで聴きやすいけど上品で丸いテイストなのかと言われると少し違う。確かにソフトな音像は感じられるけど、同時に感じるのがホットなエネルギー。美しく、またカッコよくもあるキャロル・キングのボーカルがそうさせるのだろうか。ちなみに本作には同じシンガーソングライターのジェームス・テイラーとジョニ・ミッチェルも参加している。

1 I Feel the Earth Move
2 So Far Away
3 It’s Too Late
4 Home Again
5 Beautiful
6 Way Over Yonder
7 You’ve Got a Girlfriend
8 Where You Lead
9 Will You Love Me Tomorrow?
10 Smackwater Jack
11 Tapestry
12 (You Make Me Feel Like) A Natural Woman

 1曲目の「アイ・フィール・ザ・アース・ムーヴ」で心を掴まれる。激しめのピアノで始まりドライヴのように駆け抜ける爽快感。心地良いボーカルや間奏のピアノとギターの掛け合いが最高。魅力たくさんで大好きな曲だ。キャロル・キングのキャリアではおそらく最も著名であろう名曲「イッツ・トゥー・レイト」ももちろん聴き逃せない。リズム、メロディ、ハーモニー全て完璧といっていい。この曲に限った話ではないけれど、このジャジーで落ち着いたムードが本当に魅力的。それと、個人的に推したいのが「ホーム・アゲイン」。ここまで美しい曲、そうそうないのではないだろうか。こうして聴くと、バックバンドが提供した演奏も素晴らしいものばかり。僕としてはベースに結構耳が行く。一応僕もベースは齧らせてもらってる身なので。
 感想としては、グルーヴやメロディの作り込みが凄いということ。そこはキャロル・キングの作曲能力、洗練されたアレンジによるところがやはり大きい。おそらく聴けば聴くほど味が出て更に好きになっていくタイプのアルバムなのでは?今月しばらくこのアルバムは聴き込んでみようか、そう思わせてくれる珠玉の作品だ。

↓「イッツ・トゥー・レイト」

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