T4ファージはどのように大腸菌に感染するのか?

T4は静的な環境では数μm以内の移動しかできないのですが、稀に大腸菌に衝突した場合は、大腸菌の外膜上のLPSという糖脂質やOmpCというタンパク質に、6本の脚(長い尾部繊維)をそれぞれくっつけたり離したりしながら歩くように移動できるようになります。

2~3本の脚が大腸菌上に付着できるとこれが刺激となり、T4ファージの胴体の下の部分(基盤)が変形します。この結果として複数の脚が大腸菌にがっちり固定されるようになります。

すると、ここまでの刺激によってT4ファージの胴体(尾鞘)が収縮し、それにより胴体内に収められていた一本の短い尾部繊維がニョキっと飛び出してきて、大腸菌膜に刺さります。

ところで、T4ファージが産生されるときにDNAを頭部に包み込む際、エネルギー(ATP)を利用したポンプの仕業でT4ファージの圧力が高まります。この影響もあり、短い尾部繊維が大腸菌膜に刺さると頭部に包まれていたDNAが大腸菌内に注入されていくことになるようです。

最後に

お読みいただきありがとうございました!
この文章はファージについて勉強中の大学院生によって書かれています。
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追川優菜

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