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彼女の高めの体温よりも私の体温がさらに高くなってしまったワケ

我社では、出社後、毎日体温を測るようにしているのだが、ここ数日、体温計が回ってきていない。コピー機に向かった際、その脇に体温計とその記録の回覧板が放置されているのに気づいたため、何気なく、コピー機利用中の女子社員に聞く。実は、彼女は、私がなんとなく気になっている人でもあるのだが……。

「じゃあ、測っておきましょう。」
と彼女が言うと、非接触型体温計を自身のおでこに向けて、ピッとする。意外と高めだ……。私は、彼女の体温を知ってしまったことに、わずかな罪悪感を覚えつつも、その流れで私も測ろうと思う。しかし、それは、彼女が触った直後の体温計。間接キスならぬ、間接握手になってしまわないだろうか?

そんなことを思いながら、実際に体温計に触れ、それを持ち上げようとしたその時! 彼女がそれをサッと持ち上げ、
「測りますね。」
と言ったかと思うと、体温計を私のおでこへ向けてくる。私も、その流れに身を任せ、なんだか恥ずかしながらも、おでこを前に突き出してしまう……。

緊張したのだろうか、興奮したのだろうか……心拍数も上がったのかもしれない。機械は正直だ――というのは、私の体温は、そんな高めの彼女のそれよりもさらに高かったのだ。さすがの彼女も言う。
「高めですね(笑)。」
私は、
「今日は暑いですもんね……(笑)。」
とごまかすだけで精一杯だった……。

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