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画像生成AIで背景素材を作りたい1

 画像生成AIで背景素材を作りたい! というのは、実用の面において最もメジャーな利用法と言えるかも知れません。
 例えば、大手のぱくたそさんは自前の写真素材を元にした画像素材を公開しており、品質がかなり高いものが揃っています。
 愛禅りすか氏がVTuber用の部屋素材を配布して良くも悪くも話題になったり、DLsiteで氾濫して消されたり、個人的な観測範囲でも様々なニュースを見かけました。

 画像生成AIについて反発がある理由の一つとして、公共のリソースを大きく活用しながら還元が不十分である、というものがあります。
 個人的には同意できない(有用なサービスが多く生まれている)のですが、手間を掛けずに即時に利用できる恩恵として、フリー素材を広めていくのも一つの手段だと考えるようになりました。
 安易な売り逃げマネタイズへの牽制にもなる。

 元から自分の製作用に素材を作る事も考えていて、利用者や配布側として問題点をいくつか認識しています。

生成画像による素材の問題点

・AIのメリットの一つである物量攻勢は公開先に負担を与える

 これはAI作品の公開停止が相次いだ最も大きな理由ですね。
 特定の傾向がある画像が生成され続けるように設定して、PCを丸一日放置、出来上がった数千から数万の画像を放流。
 しかも、その全てがFHD(1920×1080)かそれ以上。
 そして後に氾濫する事が多くの利用者に予見されているため、有料なら大して売れず、サービスに与える負担に対して、収益は小さいです。
 規制もやむを得なし、というのが大半の評価でしょう。

 ただ、個人的には追い風です。
 環境の悪い自分が1日に生成できるのはせいぜい200枚未満、しかも本気で選出したら95%は没になる。
 物量攻勢を武器にできる方々とは少し層が違う訳で、身勝手ながら巻き込まれ規制で困る事はあっても、ハンディが埋まる事自体は歓迎なのです。

・画像の視点と汎用性

 これ、綺麗だけど失敗にあたる画像です。
 廃墟または遺跡を出したかった画像で、漠然とした地理イメージとしてなら使えない事もないでしょう。しかし・・・
・城や万神殿を有する首都級の都市と直結している。
・高所からの見下ろしで、どんな状況の視点か不明。

 実際には、なかなか条件が狭い風景ですし、例えばキャラクターの立ち絵を出して会話させるといった事にも不向きです。
 素材としては著しく汎用性が低い、という事になります。

 綺麗で詳細というだけでは、優秀な画像素材とは言えません。
 なるべく多くの場所で使えた方が良いでしょうし、ゲームでいえばプレイヤーキャラクターの視点に近く、目前に人間が立っても違和感がない画像というのが、実用のうえでは重要な条件だと思うのです。

・AIでは厳密なバリエーション素材に限界がある

 これは一枚目がテキストからの素出しで、二枚目がi2iという画像加工を施して夕方にしたものです。(他の加工も入ってますが)
 もしかしたら、パッと見て違和感がないかも知れませんが、川などの地形に変化があり、遠景も目前の花も別物になっています。

 ノイズの量を落せば、変化量を抑える事ができますが、それでは意図した変化も怪しくなってしまう訳で、AIにとって厳密性が苦手分野である、という点が大きく出た形になります。
(この追加機能使えば行けるよー、みたいな事はあるかも)

 全部という訳ではないですが、人気の背景素材は同じ風景でも異なる時間帯ごとに用意している事は多くあって、できれば抑えておきたい点です。

どのような素材を作っていくか

 いやまあ自分にとって実用レベルに達している素材を作って、それを配布するだけなのですが。
 一見、美麗な画像が大量生産されて、凄まじい影響力があるように見えますが、大手素材サイトの作品と比較すると課題を多く抱えている事が少しは伝わったのではないかと思います。

加工後⇔加工前

 ひとまず、現状では200枚+αの素材選出を終えて、こんなレタッチ作業を進めています。AI画像、特有のノイズを減らして、VAE一律の調整で物足りない所を手動で調整する感じですね。
 今は優秀なフリーソフトも多くあって技術力は皆無でも行けます。
 上記の画像はそもそも生成に慣れていない頃の画像で、このレベルの修正が必要になる事はほとんどないのですが・・・

 これらは背景素材集として纏めて、どこかで配布する予定ですが。
 せっかく素材配布を行うなら、使えない理由はなるべく消して世に送り出したいものですね。

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