月のもの
夜の散歩、風はひんやりしてる。生理前の内臓が熱をだしたような気持ちの悪い体温が、夜風にすこし逃げて、嫌なことぜんぶ手放せそう。ふくろうずと踊ってばかりの国とRadioheadがあれば当分だいじょうぶだと思ってるわたしはたぶん平気じゃない。エネルギーがいろんな方向へ散っていく。どんな人がタイプかとかどうでもいいから、忘れられない映画とか何かしら食いながら泣いた日のことを教えてほしかった。
もう何も私のものになることはないとわかっているから、とても素直でいられる。なにも持っていないけれど美しく、生き物たちにはやさしくいたいだけだ。むかし不登校だった時にいきなり苗字も知らない先輩に「しっかり学校行きな、真面目に生きなよ」と言われたことをふと思い出した。生きる知恵をくれたあのタコ、今でも元気にしてるかな。スキーターデイヴィスを聴きながら台所で踊って、マックシェイクを衝動買いしに軽トラでドライブスルーに行き、野生動物のドキュメンタリーを見て泣きだすわたしのことをこわいと言ったお姉ちゃんのことが大好きなの!わたしが先に結婚したいし、わたしが先に死にたい。
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