ギャルとしゃぶしゃぶ

地元のギャルと三人でしゃぶしゃぶを食べてきました 私も若い頃はギャルだった　彼女たちとは、追いかけてくる先生、警察、イトーヨーカドーの店員からも一緒に逃げきった仲だ　わたしは“幼なじみで大親友のギャルふたり”に単体でぶちこまれる“いっぴきの根暗ギャル”だったのだ　ガキ特有の仲間外れが生じるような時期には、ハンパがでないよう、「女子で遊ぶには偶数がいい」と神に祈ったほどだったが、今では「奇数がいいな」と思う　パンケーキとポテトのハッピーセットに付いてくる おもちゃ くらいの立ち位置でいたほうが気が楽だ　好きなギャルたちにひさしぶりに会えて、とても嬉しかった　まずはきまって地元のひとたちの話になる　わたしの地元では、ギャルとヤンチーは、だいぶタイプが違った　ヤンチーたちとは仲良くなかったが、お互いに視野に入れてる関係だった　が、私は年を重ねるにつれ、SNSのしがらみを躊躇わず捨てていったので、地元の情報に疎かった　今ではギャルたちはそれなりに落ち着いたギャルになり、ヤンチーたちはぼこぼこ赤ん坊を生み落としているのだった　

ギャルは、次々にえげつない話をえげつない声量で笑いながら話してくれる　元彼からのDV、彼氏の親からの学歴差別、などなど　わたしも裸をさらけだすように、魂を削るように自分の話をした　わたしは面白い話ができないけれど、ギャルたちはキラッキラの目でじーっとこちらを見つめてくれる　他人の目が苦手なわたしでも、彼女たちのでっかいカラーコンタクトなら見つめ返せた

「ウチらって幸せだよね！」「ウチらって平和だよね！」ギャルは楽しむ能力に長けているし、笑顔がすてきだし、幸せをすなおに幸せだと思える　楽しいことをきちんと楽しめる　　「ウチらって幸せだよね！」「ウチらって平和だよね！」そう言われると、たしかにそうだよなとも思うし、今すぐ その場から逃げ出したくもなった