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見たいものを見る,の末路?

https://www.cnn.co.jp/showbiz/35162507.html

こう来るか.

>FOXニュースがアリゾナ州について早い段階でバイデン氏勝利の見通しを示したことで保守系メディアの視聴者はFOXニュースに対して不満を表すようになっていた。

たまらん.
末路と言うより終わりの始まりみたいな感じがある.結局個人幸福主義的な狭い思考で完結し,世界観と言う意味での哲学・宗教性の喪失は,資本主義世界の上で「知性」がリソースとして吸い取られていく,と言うことなのかもしれない.

しかしこの流れを見て,「これだからトランプ支持者は」としてしまうのが最もまずい.

分断以前に,既に大きな断絶があり,こういう事例に対する反応では,この断絶がより鮮明になっていき,架け橋の置き方すらわからなくなっていってしまう.

そして分断なるものは,元々繋がっていたもの(断絶していなかったもの)に対しノコギリを当ててギコギコと切断していく作業だ.でっかいノコギリを当てて大地を切断していく感じだ.大陸の変遷のよう.

こうした流れを経て,また断絶が増える.
こうすると,顔はわかるが建前は残る,と言う形の村社会的シマだらけになっていく気がする.

この村社会的と言うのが微妙なところで,村より解像度を高くすると数人なバンドメンバーになっていくと思うのだが,なんとなく建前的なものが残っている村状態では,意志の統一感を示す祝祭もどきの必要性が恐らく存在し,それがいわゆるSNS上の石投げ行為なのだろう.

断絶しているものに対して「分断を生んでいる!」と叫ばれているのはまさに詭弁の極み,ポジショントーク.

大体,世界観上の断絶は別に自然ではなかろうか.
断絶先を排除しに行ったり,仮想敵化して内部結束を再確認したがる迷惑オナニー行為の方が問題だと思う.

とはいえ断絶先を全て許容していけ,包摂していけ,と声を大にしては言い難い面もある.

中途半端に差別思想的な認知の歪みの横行は未だ根強いからだ.
(もしやるなら,最低でも仏教が言うところの輪廻,くらいの規模感で扱って欲しいものだ,といつも思う.人種とか性差とかの程度で差別など,規模感が矮小過ぎやしないか)

しかし盲目的な認知の歪みに対して文字通り「効果的」なアプローチが為されている所を見た事がない.(歩み寄ろうと試みたが半ば挫折されている方は散見されるので,難しいのだろうなとは思う)

インテリ的な人,頭の良い人はこういう状況において,相手の肌感に寄り添うことなく糾弾しがちに思える.(そんな肌感がわかるものか,と言う所はあるかも)
もちろん主張自体は正論だとは思うが,それは正論であるだけで,肌感覚に浸透しないし,響かない.

だが世界観の段階で既に異なってしまっている以上,相手の肌感に寄り添わずに出来ることなどもう何も無い.

ミュートとブロックによるゾーニングで気持ちいい村インターネットを保ち,断絶の強調と分断の拡張だけが加速し,貧者のバーチャルリアリティだけが残っていく.

しかし残念ながらと言うべきか,むしろ光明と言うべきか,インターネットとは「対称性を問わない相互接続機能」である.夢の何かでも邪悪な何かでもなく,突き詰めれば単なる一機能である.
(↑これは僕の主張)

故に,村同士でゾーニングを繰り返してもいたちごっこで,自己の世界観に照らし合わせると醜悪な奴らと言うものはどうしても入り込む.

インターネットが「対称性を問わない相互接続機能」でしかない以上,全ては接続し得てしまうからだ.
そのためゾーニングと貧者のバーチャルリアリティには確実に限界がある.インターネットは防波堤の機能を原理的に持っていない.
しかし世界観(あるいは宗教性)のアップデートを無しにして,インクルージョン,包摂だけを単語として並べても悲しい努力にしかならない.

もちろんまずこう言った単語で示していくことは大切だと思う.

だがそもそも,資本主義経済や個人幸福主義的な観念に疑義を呈することもなく,むしろこれらが世界の真理であるとして逸脱や別角度からの進入の意思すら見られていない.盲目的に当たり前とされている.

資本主義自体はポテンシャルに満ちた理論だが,人間には扱いきれなかったと言うか,社会へ実装する・し続ける点においてもう随分と前から限界が見えてきている.

インターネットと言う機能の普及によって進んだのは,個人幸福主義を振りかざすことによる資本主義のハック.そして思想なく行われる経済圏の囲い込み.

いつの世も末世だと言うが,今の世にはインターネットと言う「対称性を問わない相互接続機能」がある.

いよいよこのインターネットをゼロから再解釈していかなければならなくなっている.

当然難しいし理解は得られないだろうし欲望に根ざした経済圏とイデオロギーを相手取るにはなかなかに非力だが,この規模感の方が楽しい.

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