乗車券を買いに
noteを書こうと思ったのが月曜日、今これを書いているのが木曜日。この間で体感1ヶ月をまるまる過ごしたくらいの疲れが溜まっている気がする。
バッタもびっくりするくらいバタバタして過ごしている。
"バタバタ"の語源を"バッタ"だと踏んでテキトーに書いてみたけど、調べたら案の定ちがった。ギャンブル向いてないな、と思う。
3月の終わりの方で名古屋に行く予定があるので、静岡駅まで新幹線の切符を買いに行った。
ぜんぜん甲府駅でも買えるんだけど、なんならえきねっととかで買った方がたぶんいいと思うんだけど、そうだよな、とは思いながらけっこうアナログ人間である自分も認識していて、切符が手元にないとちょっぴり不安になっちゃうから。
サブスク全盛期だけどCDを愛しているのと似ている。そんなわけない。ぜんぜん似てない。
おそらく中部横断自動車道を南下して、静岡駅から新幹線に乗ることになるから、下見も兼ねて車で行きたかったんだけど、前日の景気の良い飲酒(極薄レモンサワー2杯)の影響で両目のピントが定まらない。
たまにそういうことがあって、調べてみると怖い病気とか見つかるから正常性バイアスのツマミをフルテンにして、溜まった疲れのせいにしておいた。
ちなみに"フルテン"の語源はツマミをフルの"10"の目盛りに合わせるところから来ている。決して"テンションフルマックス"みたいなところからきてるんだろうななんて思ってない。ホントだよ。ポーカーフェイス。
そんな話を友人にしたら車を出してくれるって言うもんだから、つい「持つべきものは友達だな」なんて使い古されて穴だらけの雑巾みたいなことを口走ってしまったけど、めちゃくちゃありがたかった。
中部横断道が開通して、静岡まで行くのがほんとうに楽になった気がする。52号沿道のなんとも言えない雰囲気も嫌いじゃないから、急いでいない時はそのルートを選びたい。潰れたパチンコ屋とか好き。
静岡駅は新幹線の乗り換えで何度か利用してるけど、外から入ったことってたぶんあんまりない。中学校の修学旅行ぶりかもしれない。
山梨は新幹線が通っていないし、しょっちゅう乗るわけでもないから勝手がわからないため、切符を買う時はみどりの窓口で駅員さんに対応してもらう。
混んでいて大変だろうけど、とても丁寧に説明や確認をしてくれるので新幹線ニワカのぼくでも安心して切符を買うことができる。ありがとうございます。
「普通席でよろしいですか?」という問いに「あとどういう席があるんでしょうか、、、?」と返してしまうくらいにはポンコツなのである。ごめんなさい。ほんとうにありがとう。
駅前に「模型の世界首都 静岡」というプラモのアレを模した看板があって、ああ、あのタミヤがあるんだったな、と、昔めちゃくちゃ行きたくて駄々をこねくりまわしていたことを思い出した。
昼ごはんはぜったいに"さわやか"を運転してくれている友人に奢ると決めていた。決めていたのに、お互いそこまでお腹すいていないし、なんならぼくは朝ローソンのめちゃ盛りみたいなハンバーガーを食べてしまっているし、気づいたら水族館に行くことになっていた。どういう発想?
もしかしたら魚が食べたかったのかもしれない。
やたら切れ味が鋭そうな青看板があって思わずシャッターを切った。B級パニック映画ではたぶんあれにだれか刺さって死ぬんだろうな、なんてローファイな話をしていたら、急に視界がひらけて椰子の木モドキがたくさん植わっているハイファイな通りに出てテンアゲ。ローファイとハイファイの使い方があってるかはわからない。
水族館だと思っていたら海の博物館だった。
駐車場に立っていたお兄さんにすごいテンションで靴を羨ましがられた。びっくりした。
入り口のすぐ脇で永遠に波を起こしている機械があって、なんとなく博物館みを感じながら中に入ると、ロビーは照明のない完全自然光のやさしいひかりが包み込んでいた。イマドキの"映え"みたいなものとは無縁の、ちょっと昔の空気をそのまま閉じ込めたみたいな雰囲気がとても心地よかった。博物館って感じするゥ。
館内は子ども連れがやっぱり多かったけど、そこまで混んでいなくて色々みやすかった。
開幕ウツボゾーンがあって、子どもたちが代わる代わるにらめっこをしかけるけどものともしない。重鎮感を漂わせている、水槽だけに。
ここには魚が泳いでいる水槽に波を起こすことができる装置があって、子どもたちに大人気かと思いきや、出鱈目に波を起こしては想像以上の地味さにすぐ飽きてしまっているようで人気スポットという感じではなかった。というかこの博物館波おこすの好きすぎじゃない?
ちょっと進んだらいろんな魚がいる大きい水槽がある。
THE水族館みたいな展示の登場で単純なのでコレコレ!!とテンションが上がるけど、視力が終わっていすぎて近づいてみても、大きいサメとか以外何が泳いでいるのかなんだかよくわからなくて、"なんかきらきらしててきれい"くらいにしか思えなくてヘラヘラ笑うしかなかった。
そんなぼくに気を遣ってくれたのか、サメがみかねてかなりゆっくり近寄ってきてくれた。実際の海だったらまったくありがたくない状況なのだけど、ぼくとサメの間にはビックリマンチョコウエハースを60枚くらい重ねたほどの厚みのアクリルガラスがあるのでへっちゃらだ。
歯がたくさん生えているのを得意げにぼくに見せつけながらゆっくりとまた離れていった。ありゃ噛まれたらひとたまりもねえっすわ。
水槽のまわりにはクラゲの水槽やホルマリン漬けのリュウグウノツカイ、らぶかが展示してあった。
トイプードルみたいにフリフリのついたクラゲは予想以上にアグレッシブでけっこう気持ち悪い。
リュウグウノツカイはホルマリンのせいなのか、もともとなのか、トリハダどころじゃないトリハダで、いやお前魚やないんか、とツッコんでしまった。
深海魚ゾーンは大人向けだと思う。
子どもは怖がってあまり近づいていなかった。小さい魚でも海底で出会ったら大人のぼくでも全力で走って逃げると思う。ぜんぜん追い付かれると思うけど。
それくらい見た目がグロテスクだなあと思った。終わってる視力のせいかもしれないけど。
駿河湾にも熱帯魚がいるんだ〜と思いつつ、説明文でちょっぴり切ない気持ちになる。自然だと死んじゃうとしても、この水槽の中ならたぶん自然よりも長く生きられる。どっちが幸せなんだろうね。
イワシの群れの水槽は他の水槽と比べてひときわきらきらしていて人気だった。写真を撮っている時は気がつかなかったけど、すまし顔で泳ぎ回っていると思っていたら、結構みんな口を開けて泳いでいて笑ってしまった。抵抗エグくない?
水槽の脇を抜けると突然講堂が現れたりするので、大学の研究施設であることを随所に感じる。
"津波実験出入口"なる不穏な出入口がある。赤いペンキでガラスに書かれたおどろおどろしい文字が恐怖をよりあおる。
子どもは怖がっちゃうだろうな、と思いながら出入口をくぐると、外には案の定大人ばかりが集まっていた。
ていうかほんとうに波を起こすのが好きね。
プレートが浮かび上がるか沈み込むかで襲ってくる津波がぜんぜん違って驚いた。ちゃっかり勉強になっている。さっすが博物館である。
カニってほんとうにエイリアンだよね。
それをみてうまそうだなと思ったり、それを食べちゃったりするんだから、人間がエイリアンに勝つのもあたりまえな気がしてくる。
やたらクマノミをフィーチャーしているゾーンがあったけど、小さくて鮮やかであまりおいしそうじゃないのでそんなにクマノミに興味がない。オレンジ色なのは好きなんだけど。
それでもゆらゆら揺れるイソギンチャクに身をゆだねてくつろいでいるようにみえる姿には憧れしかなかった。ほんとうは食べられないように身を守っているんだとしても。
ここは博物館なので魚たちの飼育の裏側もがっつり見せてくれる。
スタッフの人は研究に勤しむ学生なのだろうか。それともちゃんと給料をもらっている労働者?いずれにせよ魚は食べるのだろうか。魔が刺して魚用のエサを食べたことあるのかな。
2階、階段かスロープを登ったとおもうのでたぶん2階だと思う。そのスペースに入った途端にちょっと古い資料館のにおいがした。
そこにはめちゃでかいクジラの骨が吊るしてあって、周りを一周することができる。あたりまえだけどクジラはやっぱり魚とは違うんだなと思った。
クジラはまだ水族館でしかみたことないけど、いつかちゃんと野生のクジラを見てみたい。
クジラの向こうにはいろんな年代の世界地図が展示してあって、個人的にはここにきて本日いちばんの盛り上がりを見せた。
やっぱりロマンチストなんだと思う。ロマン、あるよねえ。地図を作ろうと思った人の最初の動機ってなんなんだろうなあ。
その先にはいろんなロボットの海洋生物がいて、自分で操作できるとあって子どもたちは真剣にロボットと向き合っていた。ここに至るまでに大人でも相当疲れるのに、その疲れを忘れているのか、楽しむというより没頭していた。将来、そんな君たちがここで研究しているのかもね。
海洋博物館の隣には自然史博物館があって、そっちは恐竜とかの化石が展示してある。本当はそっちについても色々書こうと思ったんだけど、やっぱり今回も長くなりすぎたので、ひたすら写真を貼り付けようと思う。
ひとつだけ、ぼくはネアンデルタールというより、北京原人っぽかったです。
アカンそうです。
帰りも中部横断道をかっ飛ばして帰った。
途中でJALっぽい看板があったけど、よく見たらIAIだった。そもそもそんなにJALっぽくもなかった。
切符を買いに行くついでに寄り道をすることになったわけだけど、このちょっとだけフットワーク軽めな感じは今後も持っていたいな、と思う。
できればもうちょっと行動範囲を広げていけたらいいなと思う。
なによりこんな突拍子もないおでかけにつきあってくれる友人、ぼくの周りにはそういう人が多い気がする。とってもありがたいことです。たいせつにしたいなと思う。
では、また。
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