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勇者史外典 第三章 烏丸久美子は巫女でない 第1話と第2話と第5話 の聖地巡礼記事

前回の記事はこちらから  ↓

本記事では、烏丸久美子は巫女でない(以下、かくみ)の 第1話と第2話と第5話のご当地情報について纏めております。作品を未読の方でネタバレ等を気にされる方は本記事を読まないよう、予めご忠告させて頂ければと思います。

◆ かくみについて

2021年1月29日発売の電撃G's magazine 2021年3月号にて発表された、全三章で展開される『勇者史外典』の最終章。同誌5月号から連載開始。全5話。
著者は朱白あおい、イラストはBUNBUN、企画原案・監修はタカヒロ。

発表当初は『烏丸久美子は■■■■■』とタイトルの一部が塗りつぶされて伏せられており、連載開始になって初めてタイトル全文が明かされた。タイトル伏せは連載開始後もある程度続き、電撃G's magazineの表紙には第3話が掲載された7月号まで『勇者史外典 第三章』としか書かれていなかった。

時系列は『乃木若葉は勇者である』の冒頭に相当。
大人が主人公である上に極限状況下でのサバイバルストーリーであるためシリーズ恒例の日常パートがほぼゼロという異色作で、普通の中学生によるシリーズ屈指の緩い物語だった前作とは正反対である。
高嶋友奈を導いたとされていたはずの烏丸久美子を「巫女でない」とタイトルで否定している事からもわかるように、「巫女でないはずの彼女がなぜ巫女となったのか」という謎を提示する物語となった。同時に、今まで謎に包まれていた高嶋友奈の過去を紐解く物語でもある。
そのため、冒頭から『乃木若葉は勇者である』のネタバレを多く含んでいるので、いきなり本作から読む際は注意。

ファンからの愛称はこれまでの通例に倣って「かくみ」。 

ピクシブ百科事典 概要項 より引用)

かくみは 電撃G'sマガジン 2021年5月号(2021年03月30日発売)~2021年10月号(2021年08月30日発売)にて、全5話構成で連載されていました(電撃G'sマガジン9月号にて一回分休載)。
記事執筆時点では、カクヨムのHPで第1話が全て読めるようになっている他、いよいよ 勇者史外典 全三章 を収録した単行本が、2021年11月30日に発売されるようです。




該当話掲載号はこちらから ↓


◆ 巡礼マップ(第1話、第2話、第5話)

勇者史外典 全三章 の巡礼スポットを纏めたマップはこちらから

勇者史外典 第三章では近畿地方を脱出した烏丸久美子達が、居合わせた他の市民とともに、四国へ向けてバスで逃避行をするということで、物語の舞台としては奈良県・大阪府・兵庫県・岡山県・広島県 と話数を重ねるごとに越県をしていきます。本記事では文中より推察することが可能なスポット(①ライフ御所店、②鴨都波神社)と、具体的な名称として登場したスポット(③舞子トンネル、④尾道大橋) のみ記事として扱わせて頂ければと思います。


◆ ①ライフ御所店(第1話)

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遺跡調査のために奈良県御所市に訪れていた烏丸久美子が、ホテルに向かう前の買い出し時に立ち寄ったスーパーマーケットが舞台として登場しています。「ライフ御所店」という施設名称は作中内に一切記載されていませんが、スーパーの周囲の施設の特徴性からか、第1話が公開された後に作品が好きな方々の間で話題に上がっていました。

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そのスーパーマーケットは、無数の墓石に囲まれた火葬場の隣に立っていた。

(烏丸久美子は巫女でない 第1話より引用)

墓石を直接撮影することに気がひけてしまったため、駐車中の車をバリケードに見立てて撮影しました。最近では珍しい煙突があるタイプの火葬場が写真左手に存在しています。「生と死の強烈なコントラスト」と烏丸久美子は表現していましたが、看板に刻まれた文字列と相まってか、なかなかインパクトのある光景だなと思いました。

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そして私は駐輪場に停めていた自分のバイクに到着した。

(烏丸久美子は巫女でない 第1話より引用)

この駐輪場ですが店舗の入り口のすぐ脇に設置されていたので、烏丸久美子が星屑と鬼ごっこをしていた際、店内から墓石群の奥の道路まで走り、また出発した場所(駐輪場)に戻ってきたと考えると、ゆうに400m以上走り続けていたことになります。
作品の著者である朱白あおい先生へのインタビュー記事(電撃G'sマガジン 2021年11月号)によると、本作を執筆されるにあたり奈良県に取材に行かれたと回答されていたので、星屑との一連の流れの文章にリアリティさを感じれたことに納得してしまいました。


◆ ②鴨都波神社(第2話)

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星屑が襲来した2015年7月30日、避難場所である自宅の近くの高校を確認するために外出した横手茉莉が、高嶋友奈と初めて出会った場所として登場しています。読み方は「かもつばじんじゃ」とのこと。こちらの神社もライフ御所店と同様、施設の名称は作中内に一切記載されていませんが、かくみの連載以前から高嶋友奈が幼い頃に遊んでいた神社の候補地として、作品が好きな方々の間で話題に上がっていました。

後に考えてみれば、引かれていたのは高校ではなく、その高校のすぐ近くにある神社だったのかもしれない。

(烏丸久美子は巫女でない 第2話より引用)

神社から近い場所にあるスーパーマーケットで、化け物に襲われている人たちがいるようだと気づく。

(烏丸久美子は巫女でない 第2話より引用)

上記文章より ”ライフ御所店付近にある神社で、神社の近くに高校がある” という条件で整理してみると、すぐ近くに奈良県立青翔高等学校がある鴨都波神社が適切ではないかと思われます。
話は戻ってしまいますが、かくみの連載以前からファンの間で話題に上がっていた理由の一つが、こちらの神社で祀られている神様が、日本神話に登場する神様と関係性があるということで…、気になる方はTwitter等のSNSで検索してみると参考になるかと思います。

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「金毘羅宮かぁ…… そういえば私、小さい時はよく神社に行ってたんだ」「うん。金毘羅宮みたいな、大きなのじゃないけど」

(乃木若葉は勇者である 第18話より引用)

手甲が奉納されていた神社と、幼少期の高嶋友奈が遊んでいた神社が同一のものなのか、改めてのわゆを読み返してみても結局わからずじまいのままでしたが、鴨都波神社は国道沿いに位置する建物でありながらも、車の騒音を境内の周りの木々が遮っているせいか、厳かな雰囲気があり見応えがあってよかったです。


◆ ③舞子トンネル(第2話)

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御所市を発った一行が、明石海峡大橋を利用しての四国入りを目指していた際、星屑と遭遇したトンネルが舞台として登場しています。舞子トンネルは神戸淡路鳴門自動車道用の専用のトンネルであり歩道等はないため、上記写真は高速舞子バスのりばから撮影しました。

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バスで舞子トンネルに入り、途中で停車させた。他に走っている車はないため、バスを方向転換させて、いつでもトンネル出口の方へ逃げられるようにしておく。

(烏丸久美子は巫女でない 第2話より引用)

舞子トンネル走行時の車載映像からキャプチャーした画像のため、歪んだ状態の写真となっています。片側3車線の道路構成のため、マイクロバスでも何回か切り返しを行うことで方向転換をすることが可能かと思われます。また道路の長さとしては、全長約3km程あるとのこと。

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舞子トンネルは住宅街の地下を通るトンネルで、しかも地表から極めて浅い場所に作られている。

(烏丸久美子は巫女でない 第2話より引用)

苔谷公園付近の道路より撮影。写真より舞子トンネルの天井部と、並行して走る一般道の地盤の高さがほぼ一緒であることが伺えるかと思います。調べてみるとこの地区一帯の地盤の大部分が軟弱な砂礫層であった為、トンネル建設は相当な難工事だったそうです。

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トンネルから地上に出ると、もう明石海峡大橋は目と鼻の先と言っていい場所だ。近くに学校や警察署がある。

(烏丸久美子は巫女でない 第2話より引用)

苔谷公園より撮影。高層ビルに隠れてしまいましたが、作中の表現の通り明石海峡大橋は目と鼻の先にありました。


◆ ④尾道大橋(第5話)

無題

明石海峡大橋と瀬戸大橋による四国入りが不可能だったため、しまなみ海道を利用しての四国入りを目指していた際、一行が上里ひなた達と遭遇した橋が舞台として登場しています。尾道大橋は本州と向島の間にある尾道水道を渡る橋であり、歩道も完備されているため生活道路として用いられているとのこと。また、西側には有料自動車専用橋でもある「新尾道大橋」が並列してかけられています。

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丸亀城と尾道大橋の位置関係を纏めてみました。かくみ第5話の時系列が御所市を発って数日しか経過していない点と、上里ひなた達が陸路でしまなみ海道を経由して尾道市に訪れていた点を踏まえると、2015年8月にはまだ四国を囲む壁は構成されていなかったと想像できます。

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尾道大橋をバスで通っていると、路上にポールコーンのように大幣がいくつも立てられ、道が塞がれていた。

(烏丸久美子は巫女でない 第5話より引用)

第5話の扉絵が尾道大橋で一行を出迎える上里ひなた達の構図だったため、以前に私用で新尾道大橋を走行していた際の車載映像からキャプチャーした画像と比較してみました。
主塔のパーツと吊り材の一部に類似性が見受けられましたが、隣の橋から撮影した画像であること・補修工事による作業用の土台が組まれていたので全体像がよくわからなかったことを踏まえ、機会があれば尾道大橋から撮影した画像と比較してみたいなと思いました。


以上、最後まで読んで頂き、ありがとうございました。(終わり)


<撮影日>
① ライフ御所店  (2021/08/13)
② 鴨都波神社  (2021/08/13)
③ 舞子トンネル(2021/08/12)
④ 尾道大橋 (2021/04/01)

※この記事では、聖地巡礼時に撮影した写真との比較・検証のため、作品内の 文章 及び 挿絵 の一部を引用させていただいております。
これらの著作権は、「(C)2021 Project 2H」「(C)AKASHIRO AOI」に帰属していることを明示させていただきます。

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