変わらなきゃいけないのか
変わらなきゃ
中学生の頃には
そう思うようになっていた。
成績が良くなるように
アトピーが今より悪くならないように
朝起きられるように
人に嫌われないように
なにもかも好きにできるように
変わらなきゃ
高校中退した時は
仕事続くように
朝起きられるように
友達に流されないように
変わらなきゃ
東京に行く前は
強くなるように
料理ができるように
親に迷惑かけないように
大人になるために
変わらなきゃ
東京で仕事を始めてからは
朝起きられるように
もっと褒められるように
夢を叶えるために
友達との約束を守るために
変わらなきゃ
それがだんだん変わっていった。
店長に怒られないように
店長に殴られないように
夜、一時には店の事を全部終わらすように
朝起きられるように
変わらなきゃ
自分の夢のためじゃなく
ただ店長に殴られないように
怒られないように
店長の機嫌をとるために
そのためだけに変わらなきゃって
本気でそう思っていた。
鬱になり
沖縄に戻ってからは
環境が変わったんだ。
僕も変われるさ。
あの場所から逃げられたんだ。
あんな所で働いた僕は
ここでなら強くなれるはず。
友達との約束を破ったんだ。
ここから変わらなきゃ
そう自分に言い聞かせていた。
じゃないとやってられなかった。
そして、無理をして
自殺未遂。
馬鹿みたいだ。
僕は変われなかった。
こんな僕はいない方がいい。
消えてしまえば
誰にも迷惑はかけない。
そう思い、死のうとした。
というより、
あの日の僕は死んだ。
今の僕は違う人間だ。
なのに、死にたいのは変わらない。
今でも変わらなきゃって思う。
何をどう変えるのか
それすらも分からないのに
変わらなきゃって思ってしまう。
もう、どうせなら
変わらない方が楽だろう。
自分は自分だ。
このままで生きていく。
なんて前向きな考えではない。
変えたいのに変われなかった。
苦しい思いをしたのに。
僕は変わる事から逃げる。
苦しさを捨てる。
それは、苦しさを超えて何かを達成する
その事から逃げるのと同じだ。
もう僕はそれでいい。
何もできなくても
苦しい思いをするくらいなら
嬉しい楽しい、やって良かった。
それらを捨てる。覚悟はできてる。
じゃあ、お前が生きてる意味はなんだ
そんなもん知るか
そんなもん答えられる人間は
自信を持っている人間だ。
何かを1つでも達成した人間だ。
僕はそんな人間にはなれない。
苦しい思いをするくらいなら
なにもかも諦めてやるさ。